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2台のARTA CIVICがあわや同士討ちのギリギリバトル。16号車大津弘樹、3位死守も「後半一気にペースが落ちた」

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2台のARTA CIVICがあわや同士討ちのギリギリバトル。16号車大津弘樹、3位死守も「後半一気にペースが落ちた」

 6月2日に鈴鹿サーキットで開催された2024スーパーGT第3戦の決勝。レース序盤の21周目、3番手を走る16号車ARTA MUGEN CIVIC TYPE R-GTの大津弘樹は、松下信治が駆る8号車ARTA MUGEN CIVIC TYPE R-GTに迫られ1コーナーでアウト側から並び掛けられるが、続く2コーナーまでイン側のラインで粘りを見せ、あわや同士討ちという接触がありながらも順位を守ってみせた。その後、チームメイトの佐藤蓮が担当した第2スティント、ふたたび大津が乗り込んだ第3スティントをとおしてポディウム圏のポジションをキープし、最後には今季初の表彰台となる3位を獲得した大津が第3戦鈴鹿を振り返った。

 ペア結成1年目となる大津/佐藤組16号車ARTA MUGEN CIVIC TYPE R-GTは1日(土)に行われた公式予選で最前列の2番手グリッドを確保。決勝では逆転勝利を狙った。しかし、ペース的にはポールポジションを獲得した37号車Deloitte TOM’S GR Supraや、3番手につけた14号車ENEOS X PRIME GR Supraに対して劣勢の立場に置かれる苦しい展開に。5周目には福住仁嶺がドライブする14号車ENEOSに順位を奪われ3番手に下がってしまった。

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「結構ペースの差があって、トヨタ勢と僕たちでだいぶ差がついていました」とスタートスティントを担当した大津。

「僕たちはソフトタイヤを履いていて、(ポールスタートの)37号車Deloitteはハードタイヤということがわかったので、『スタート直後が勝負だな』と思ったのですが、結構日差しがあったこともありタイヤの差があまり出てこなくて……温まるのも早かったように感じました。そうなると抜かすことは難しく、そのままついていけばチャンスがあると思ったのですけれど、反対にどんどん離されていく展開になってしまいました」

「マシンのバランス的にも少し気になるところもあり、そうしたことからペースが上がらない状態で、最初のスティントはずっと苦戦していました。(ARTAの姉妹車である)8号車にも迫られてしまい一瞬、危なかったときもあったのですが、とにかく3番手だったのでそこは死守しようと頑張りました」

 24周目にルーティンのピットインを行った16号車ARTAは、大津から佐藤にドライバーチェンジし13番手でコースに復帰。一度は38号車KeePer CERUMO GR Supraに先行を許すが32周目にこれをかわし、実質の3番手に復帰した。そのままレース後半を迎えたARTA陣営は61周目に16号車をピットに呼び戻し2度目のピット作業を完了する。

 ふたたびマシンに乗り込み最終スティントに出ていった大津は、先行する14号車ENEOSがピットでの“アンセーフリリース”によりペナルティを受けて順位を落としたため2番手に浮上した。しかし、「想定していたバランスではなかった」と言うようにクルマが万全ではない状態ではペースに勝る14号車ENEOSを抑えることができず。77周目の日立Astemoシケインでオーバーテイクを許し16号車ARTAはふたたび3番手となった。

「交代した(佐藤)連はかなりペースがよく(後ろとの)ギャップも築いてくれました。いい展開で僕にバトンを渡してくれましたね」と語った大津。

「僕のサードスティントは序盤から、ファーストスティントの走りを踏まえて自分なりにいろいろと変えながら走っていました。ただ、後半一気にペースが落ちてしまい12号車(MARELLI IMPUL Z)に迫られる展開になって、最後はギリギリでしたけど順位を守ることができました」

「僕たちはペアを組んでまだ3戦目で、まずはファーストステップとして表彰台はマストだなと思っていたので、『なんとしてでもポジションを守りに行こう』と思ったことが達成できてひとまずは良かったかな、と思っています」

 開幕戦岡山は9位、前戦富士は9番手を走行中にトラブルに見舞われチェッカーを受けることができなかった大津弘樹と佐藤蓮。そこから飛躍を遂げ、新コンビでの3戦目で結果を出した16号車ARTA MUGEN CIVIC TYPE R-GTの今後の戦いに注目したいところだ。

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