耐久性を徹底重視した550馬力仕様のRB26DETT改2.7L!
製作から20年間、一度もエンジンを開けてない!
「目指したのは高い信頼性と耐久性」20年経っても元気に走る550馬力のチューンドGT-R(BCNR33)!
ドラッグレースや最高速アタックなどのサーキットマシンとは違い、ストリートチューンで求められるのは、まずは壊れないこと。もちろん、耐久性よりもパフォーマンスを重視する人もいるかもしれないが、愛車を大切にしたいと思う気持ちがあれば、やはり壊れないことが一番。誕生から長い月日が経過した第二世代となると、コレクションカーとしての価値も高まっていて、最近ではパフォーマンスアップに加え、長く乗るための信頼性や耐久性を求めるオーナーも増加している。
そんなオーナーの切実な願いに応えるのが、古くからGT-Rでドラッグレースや最高速アタックといったチューニングシーンの第一線に立ち続けているウイングタケオ。
このBCNR33は20年前から同店のデモカーとして製作され、数々のシーンを駆け抜けたマシンそのものなのだ。スタイリングはフロントにニスモバンパーをセットする他、基本的にはノーマルのルックスをキープ。“よりシンプルに”をキーワードに、飽きのこないマシンメイクを心がけている。
パワースペックは、HKSのストローカーキットを使用しての2.7L化が軸だ。時代やステージによってタービンは交換していったものの、現在はT78-33Dをセット。パワー的には550ps前後に設定し、各部への負担を最小限に抑えられているのが特徴。
出力アップに合わせて冷却系もHKSのインタークーラーとHPI製の大型ラジエターで容量アップ。水温や油温の管理は快適に長く乗り続けるための必須項目だ。
なお、エンジンコンディションを知る上で最も重要な情報といえるのが油圧。唯一追加された油圧メーターは、目立たないように助手席脇に取り付けられる。制御系は定番のF-CON Vプロを使用する。
エンジンのスペックアップに合わせてブレーキはF40ブレンボに交換済み。パワーを上げていくと純正ブレーキでは足りなくなることが多く、ストリートマシンとしてでもアップデイトさせるのは定石だ。
「このエンジンは製作してから開けたことはありません。RB26DETTは600psくらいまでの耐久性を考慮した作りで、パワーもそれ以下で抑えていれば20年くらい使っても大きなトラブルは起こらないでしょう。もちろん、定期的なメンテナンスや消耗品の交換などは確実に行うことが前提条件ですけどね」とは竹尾代表。
プロショップが作るチューンドエンジンというのは、実は速さだけでなく耐久性もすでに計算し尽くされている。ベースをしっかりとリフレッシュし、出力や特性に合わせたエンジンメイクを施せば、GT-Rをその後20年は楽しめるマシンに仕上げることができるというわけだ。
●取材協力:ウイングタケオ 三重県三重郡川越町高松86-1 TEL:059-364-1225
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