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タナー・ファウストがパイクス参戦。ジェンソン・バトン開発参画の『ラドフォード』で雲の上に挑戦へ

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タナー・ファウストがパイクス参戦。ジェンソン・バトン開発参画の『ラドフォード』で雲の上に挑戦へ

 通称“Race to the Clouds(雲に向かうレース)”ことPPIHCパイクスピーク・インターナショナル・ヒルクライムの2023年大会に向け、北米が誇るスタードライバーのひとり、タナー・ファウストが参戦を表明した。人気司会者兼自動車ジャーナリストのアント・アンステッドと、言わずと知れたF1王者ジェンソン・バトンがコラボレーションした1台、イギリス発のコーチビルダーが製作した『Radford Type 62-2(ラドフォード・タイプ62-2)』をドライブし、第101回大会のエキシビション部門にエントリーする。

 2002年の初参戦時には1982年製『Wells Coyote(ウェルズ・コヨーテ)』でオープンホイール部門に挑戦し、3位表彰台を獲得。以降、2004年にはSCCA公認のラリーグループXクラス、2005年にはラリー・プロダクションGTクラスへと移ったファウストは、2021年に市販車部門のポルシェでクラス2勝目を挙げるなど、コロラド州の“マウンテン”でも実績を残してきた。

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「それは特別な名誉だが、それ以上にユニークな経験でもあるんだ」と、改めてパイクスピークの独自性を語ったファウスト。

「テスト初日の午前4時30分にサンタのワークショップの前を通り過ぎると、これが通常のレースウイークではないという事実がひしひしと感じられるんだ」

「デビルズ・プレイグラウンドで、雲の上からの日の出を眺めるのは本当に平和なひとときだ。そんな平穏な瞬間は、実は世界中からレースカーや部品を運び込み、人生の数週間から数カ月を費やしてすべてのチームやクルーが作り出したものでもある。その静寂は、そうした仕事をすべて承知したからこそスタートラインで感じる、奇妙なプレッシャーとは完全に対照的なんだ……すべてはたった1回、わずか10分間の走行で決着するんだからね」

 全長12.42マイル(約20km)、スタートラインの9300フィート(海抜約2830m)からフィニッシュ地点の14115フィート(同4302m)まで駆け上がり、156のコーナー制覇に挑む伝統の1戦は、今季もアメリカ・コロラド州で6月25日(日)の開催が予定されている。

■1960年代の『ロータス・タイプ62』のオマージュ

 ファウストが勝利を挙げた21年は雪と氷で山が閉ざされ、全エントラントがコース全長約3分の2の地点でフィニッシュすることを余儀なくされたが、今回は2023年型『ラドフォード・タイプ62-2』のステアリングを握って山の頂上を目指す。

「僕自身、現在のラドフォードの成長と発展を目の当たりにし、ジェンソン・バトンとともにロードゴーイング・バージョンのトラックデイ開発セッションに取り組むことができて光栄だった」と語ったファウスト。

「この1度限りの作品を、パイクスピークで頂上までドライブするために参加してくれないかと彼らが尋ねてくれたとき、僕は喜んで応じたよ」

「この素晴らしいコースを本当に速い速度でドライブする初めての機会だ。2002年に乗ったウェルズ・コヨーテも同様のパワーウェイトレシオを持っていたが、それはダート時代の話だ。あの“マウンテン”で本当のスピードを感じ、このラドフォードをドライブする機会を得られて興奮している!」

 前述のとおり、完全オーダーメイドで車両製造を手掛けるイギリスのラドフォード社が、ロータス・エンジニアリングとの協業で生み出した『ラドフォード・タイプ62-2』は、その名称からも伝わるとおり1960年代のロータス『タイプ62』にオマージュを捧げたモデルとなる。

 ベース車はアルミとカーボンの複合シャシーに3.5リッターのV6スーパーチャージャーを搭載するが、そこへ各種の空力デバイスを追加したエクステリアに見合うよう性能向上策が盛り込まれ、車両重量は861kgにまで削減。パワーも710PSにまで引き上げられている。

 そのハンドリング開発とヴィークルダイナミクスの仕上げを担当したバトンも「クルマが大きくて重くなり続ける世界。そこで僕らは、軽くて馬力が大きいという、まったく異なる視点で製作に取り組んできた」と、ブランド公式SNSでそのコンセプトを語っている。

「その軽さこそがクルマの機敏性をもたらす。僕にとってすべては、F1での高いストレスレベルとレースを通じた車両開発のキャリアからも想像できるように、自分が情熱を注げる何かをしたかったんだ」

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