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これぞデイトナ24時間。ペンスキーの7号車ポルシェ963が2秒差でキャデラックとの熱戦を制す【決勝レポート】

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これぞデイトナ24時間。ペンスキーの7号車ポルシェ963が2秒差でキャデラックとの熱戦を制す【決勝レポート】

 1月27~28日、IMSAウェザーテック・スポーツカー選手権第1戦『ロレックス24・アット・デイトナ(デイトナ24時間レース)』の決勝がアメリカ・フロリダ州のデイトナ・インターナショナル・スピードウェイで行われ、最終盤まで僅差のトップ争いが続くなか、最終ピットストップで前に出たポルシェ・ペンスキー・モータースポーツの7号車ポルシェ963(デイン・キャメロン/フェリペ・ナッセ/マット・キャンベル/ジョセフ・ニューガーデン)が総合優勝を飾った。

 2位となったアクション・エクスプレス・レーシング(ウェーレン・キャデラック・レーシング)31号車キャデラックVシリーズ.R(ピポ・デラーニ/ジャック・エイトケン/トム・ブロンクビスト)との差は、わずか2.112秒だった。

最終ピットで“逆転負け”のキャデラック「あのイエローで完全に終わった」/デイトナ24時間

 2023年よりLMDh規定車両が争う『GTP』クラスが設けられたウェザーテック選手権の最高峰カテゴリー。シーズン開幕戦恒例のデイトナ24時間レースはDPi規定時代からホンダの北米におけるプレミアムブランドであるアキュラ勢が3連覇を成し遂げていたが、その連勝はストップすることとなった。また、チームオーナーのロジャー・ペンスキーにとっては1969年以来、ポルシェにとっては2010年(ライリー・ポルシェ)以来となる、デイトナでの総合優勝となった。

 LMP2クラスはEraモータースポーツの18号車オレカ07・ギブソン、GTDプロクラスはリシ・コンペティツィオーネの62号車フェラーリ296 GT3、GTDクラスはウインワード・レーシングの57号車メルセデスAMG GT3が、それぞれ制している。

 日本人ドライバーは2名がGTDクラスに参戦した。ケイ・コッツォリーノが加わったAFコルセの21号車フェラーリ296 GT3は終盤にトップ車両を追ったが惜しくも2.7秒届かなかったものの、クラス2位と健闘した。

 宮田莉朋もラインアップに加わった12号車レクサスRC F GT3(バッサー・サリバン)は終始上位でレースを展開したものの、残り1時間を切って車両に火災が発生。チェッカーを受けることはできなかった。

■レース中盤、トラブルによる脱落が相次ぐ

 27日の現地時間13時40分に始まった第62回デイトナ24時間レースは、序盤から荒れた展開となるなか、イエローコーションも相まって接戦が続いた。

 GTPクラスでは予選でポールポジションを獲得したキャデラックVシリーズ.Rを中心に、ポルシェ963、BMW Mハイブリッド V8、アキュラARX-06という参戦4車種がいずれも上位争いに加わるなか、2023年、LMDh規定時代最初の勝利を飾ったアキュラの2台(ウェイン・テイラー・レーシング・ウィズ・アンドレッティ)にはレース前半にトラブルが発生し、優勝戦線からは一時離脱してしまう。

 レース折り返しの12時間が経過した深夜には、31号車キャデラックが首位に立ち、6号車ポルシェ、25号車BMW(BMW Mチーム RLL)、24号車BMW、7号車ポルシェという上位5台が、同一ラップで優勝争いを展開していた。
(※レース前半の詳細レポートはこちら。https://www.as-web.jp/sports-car/1036069)

 13時間経過直前、首位と同一ラップを走行していた24号車BMWがコース上に停止。オフィシャルによりガレージへと戻されたあと、コースへと復帰するが上位争いからは外れてしまう。

 さらにそれから約30分が経過した深夜3時、6番手の01号車キャデラック(キャデラック・レーシング)もコース上にストップしてしまう。こちらも自走は不可能で、積載車によりガレージへと戻されている。01号車はのちにリタイアを選択した。

 これにより導入されたイエローコーションの段階では25号車BMWのレネ・ラストが首位、6号車ポルシェ、31号車キャデラック、40号車アキュラ、7号車ポルシェ、5号車ポルシェ(プロトン・コンペティション)、85号車ポルシェ(JDCミラー・モータースポーツ)までが同一周回で、ギャップがほぼゼロに。トラブルのあった40号車アキュラも、上位争いに復帰してきた。

 再開後には31号車キャデラックのトム・ブロンクビスト、5号車ポルシェのアレッシオ・ピカリエッロ、40号車アキュラのコルトン・ハータが相次いで6号車ポルシェのローレンス・ファントールをパスしてポジションを上げる。さらにブロンクビストはオーバル部分で25号車をパスし、首位を奪い返した。

 好調に見えた25号車だったが、15時間目に入ったところでコナー・デ・フィリッピがドライブしていた際にオイル関連のトラブルに見舞われ、9ラップをガレージで過ごすことになり、優勝争いから脱落。

 これで首位は31号車キャデラック、そのうしろには40号車アキュラと、7号車、6号車、5号車、85号車という4台のポルシェ、計6台が同一ラップに残ることとなり、残る8時間の戦いへと突入していった。

■キャデラックvsポルシェ、緊迫の一騎打ち

 その後、ペンスキーの素早いピットストップ作業により6号車のマシュー・ジャミネが総合トップへと浮上するが、パワートレインのパラメーターを遵守しなかったとして、10秒間のストップ・アンド・ホールドペナルティを科せられてしまう。6号車にとってはこのレース中、同様のペナルティを受けるのは3回目となってしまった。

 朝を迎え、19時間目にはキャンベルがエイトケンをパスし、7号車が先頭に立った一方、6号車はケビン・エストーレがピット後のコールドタイヤでコースオフを喫してタイムロスを喫してしまう。

 これによりレースは終盤に向けて、7号車ポルシェと31号車キャデラックのマッチレースとなっていった。

 残り1時間20分、ピット作業を終えた7号車ナッセのテールに、31号車ブロンクビストが迫り、ターン1に向けてサイド・バイ・サイドに。バックマーカーを左右から挟む形で、アウトからブロンクビストがオーバーテイクを完遂し、首位を奪う。

 やがてブロンクビストは、目前に出現したラップダウンの6号車に追いつき、抜きあぐねている間に、背後の7号車に詰められる形となってしまう。

 残り50分を前にピット作業直後の12号車レクサスRC F GT3(バッサー・サリバン)から火の手が上がる。コースへの合流前にマシンを止めたドライバーのパーカー・トンプソンは素早く脱出したものの、リタイアに。初参戦の宮田を擁し、一時首位を走る場面もあったものの、12号車は惜しくもチェッカーフラッグを迎えることはできなかった。

 これによりフルコースコーションが導入され、各クラス内のギャップはリセットされることに。

 イエロー下の残り43分、ピットレーンがオープンとなり最後のピット作業が行われると、同時に作業していた7号車が31号車の鼻先を抑え、逆転に成功する。

 さらに3番手の40号車アキュラのルイ・デレトラズ、6号車ポルシェのジャミネ、5号車ポルシェのジャンマリア・ブルーニにまでが同一ラップに。とりわけ上位4台のギャップは霧散し、残り32分、4台によるスプリント勝負が展開されることになった。

 リスタートでは3番手争いが白熱し、6号車と40号車が接触するなか、7号車が首位をキープする。

 首位7号車と2番手31号車のギャップはときに1秒以内、ほぼ常にバックマーカーが絡むという緊迫した状況のなか、ナッセは着実にマシンを運び、13時40分すぎ、トップでチェッカーフラッグを受けた。

 2.112秒差の2位は31号車キャデラック。3位には40号車アキュラが入った。

■LMP2ではクラウドストライクがまたも惜敗

 オレカとリジェシャシーにより争われたLMP2クラスは、序盤からクラッシュによる脱落も相次ぐなか、Eraモータースポーツの18号車オレカ(ドワイト・メリマン/ライアン・ダルジール/コナー・ジリッシュ/クリスチャン・ラスムッセン)が、チーム史上2度目となる優勝を果たした。

 彼らは夜の時間帯から上位へと浮上、日曜日の午前中はクラウドストライク・レーシング・バイ・APRの04号車オレカと熱戦を繰り広げたが、最後は6.8秒差をつけての勝利となった。04号車はわずか0.016秒差で敗れた2023年のレースに続き、デイトナでは2年連続の2位となった。

 LMP2クラス3位には、ライリーの74号車オレカが入っている。

 GTDプロクラスでは、リシ・コンペティツィオーネの62号車フェラーリ296 GT3(ダニエル・セラ/ダビデ・リゴン/アレッサンドロ・ピエール・グイディ/ジェームス・カラド)が優勝を飾った。

 1号車BMW M4 GT3(ポール・ミラー・レーシング)は残り2時間強でブレーキトラブルに見舞われるまでは、優勝候補の一角だった。ブレーキ交換作業を行った際にはリシに挑戦できる距離につけていたが、ローターに問題が発生しており、マシンを再度ピットへと戻してタイムロスを喫した。彼らは2位の77号車ポルシェ911 GT3 R(AOレーシング)に次ぐクラス3位でフィニッシュしている。

 新型、またはアップデートされたGT3モデルでのデビュー戦となったシボレー・コルベットZ06 GT3.R、フォード・マスタングGT3、アストンマーティン・バンテージGT3 Evoは、いずれも多くの問題に直面するなど、厳しいレースとなった。

 GTDクラスは終盤、トップを走るウインワード・レーシング57号車メルセデス(ダニエル・モラド/インディ・ドンティエ/ラッセル・ウォード/フィリップ・エリス)のモラドに、21号車フェラーリのミゲル・モリーナが迫るシーンもあったが、ウインワードが2.7秒差で逃げ切った。クラス3位にはコンクエスト・レーシングの34号車フェラーリが入っている。

 前述のとおり、予選でクラスポールを獲得したトンプソンが最終盤に車両火災に見舞われるまで、宮田の12号車レクサスも優勝争いに加わっていた。

 2024年のIMSA第2戦セブリング12時間レースは、3月16日、フロリダ州のセブリング・インターナショナル・レースウェイで行われる。


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みんなのコメント

1件
  • saw********
    23時間58分でなくて、ちゃんと24時間レースだったら、
    キャディラックがペンスキーポルシェをパス出来て居た
    かも知れない。そう言う意味では残念だね。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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