見た目や標準装備が優先されるクルマ選び
AUTOCARの創刊は1895年に遡るが、その当時から普段使いされるクルマの運転の楽しさへ、注目されていたわけではないだろう。自動車技術の黎明期にあっては、いかに運転しやすいかが最大の焦点だった。
【画像】G20/G21型が保つ高い支持 BMW 3シリーズ 競合のCクラスとA4 M3とアルピナも 全135枚
一方で、近年の自動車メーカーはデジタル技術の高度化に余念がない。一般的なユーザーが、走り味の良し悪しへ関心を示さなくなってきたという意見を耳にしても、確かに理解はできる。
運転しやすく、安全で快適に目的地まで辿り着くことができれば、クルマの基本的な目的は達成される。ホームページでコンフィギュレータへアクセスすると、先にトリムグレードの選択項目が表示されることも多い。
現在のクルマ選びでは、スタイリングや標準装備が優先されるといっていい。動力性能などは一定水準あれば大丈夫、と考える人が多いのだろう。
数年前、筆者は同僚とこのようなテーマで議論を交わしたことがある。その時は、運転にこだわりを持つドライバーが好むような、優れた操縦性や乗り心地を備えるクルマは、多くのユーザーへも自信を与えるという結論に帰着した。真っ当だと思う。
優れた操縦性を備えることの重要性
ある人が選んだ理由は、インテリアの上質さかもしれない。ワイヤレスで対応するアップル・カープレイと、有能なアダプティブ・クルーズコントロールへ惹かれた、ということもあり得る。
だが、しなやかな乗り心地や扱いやすいブレーキ、素直なステアリングを備えるという事実は、普段使いの印象へ大きく影響を及ぼす。数年後、次も同じメーカーのクルマにしようと考えさせる理由になる。特に意識しなくても、自然と感じ取れるものだ。
一般的なユーザーが気に留めていなくても、走り味は極めて重要。筆者はそう考える。自身のクルマ選びでは、最優先の項目だといっていい。クラスレスでタイムレスなBMW 3シリーズは、まさにその理想的な存在だ。
普段使いされるクルマが、優れた操縦性を備えることの大切さを、3シリーズは飾ることなく体現してきた。1975年からの約半世紀に、7代目へ進化を重ねながら。
現行の3シリーズは、モデル中期のフェイスリフトを2022年に受けている。スタイリングが僅かにリフレッシュされ、インフォテインメント・システムがアップデートされ、大きなタッチモニター・パネルを獲得した。しかし、基本は変わっていない。
最近のニューモデルは、SUVやクロスオーバーが中心。欧州車の定番といえた、ファミリー・ハッチバックはモデル終了が相次いでいる。しかし、3シリーズは根強い支持を保っている。
市街地で最も才能が輝くBMW 3シリーズ
2019年に発売されたサルーンのG20型とステーションワゴンのG21型は、これまで90万台が生産された。初代から通算で1710万台を数えるが、歴代でも最多を記録している。SUV全盛期の現在において、揺るがない魅力を備えるからに違いない。
その成功の鍵といえるのが、先述の内容といえるだろう。BMWは、運転を愛するドライバーのブランドだという評価を、実際のクルマ作りで堅持し続けてきた。3シリーズは、ファミリーカーの理想的な1台でもあり続けてきた。
G21型の3シリーズ・ツーリングを運転すると、舗装の剥がれた穴を避け、時間に追われて走るアマゾンの配送バンを交わす、市街地で最も才能が輝くとわかる。広く続く大地に伸びる、緩やかに曲線を描く郊外の道でも、同様に光るのだが。
ドライブモードをコンフォートにし、いつものラジオ局を選び、快適なドライビングポジションでステアリングホイールを握る。日常や仕事のアレコレを頭の片隅で考えつつ、3シリーズは直感的に扱える。
普段の道でも充足感を得られる。サーキットを走るように、というのは大げさかもしれないが。
シャシーはしなやかでレスポンシブ。機敏でありながら安心感もある。今回の試乗車は2.0L 4気筒ディーゼルターボを搭載した320dだったが、車内は静か。求めた瞬間に、求めただけのパワーを放出してくれる。
理想をいえばM340i xドライブ
筆者が暮らしのなかで毎日乗りたいと思えるクルマの筆頭は、BMW 3シリーズだ。キドニーグリルはもう少し上品でいいし、エアコンには実際に押せるハードスイッチが残されていてほしかった。だが、気になる点といえばその程度。
新しいインフォテインメント・システムは扱いやすい。緩くカーブを描いたタッチモニターは表示が美しく、筐体のデザインも好ましい。ロータリーダイヤルが備わり、インターフェイスも完成度が高い。モダンでロジカルだ。
3シリーズ・ツーリング以上に幅広い能力を備え、確かな輝きを放つSUVは存在するだろうか。ファミリー・ハッチバックでも同様だと思う。
そんな現行の3シリーズで、予算を気にせずベストの1台を選ぶなら、M340i xドライブになる。だたし、いくつかのオプションを盛り込むと英国価格は6万6000ポンド(約1062万円)に達してしまう。Mモデルではないのに、簡単に手の届く金額ではない。
現実を見た場合、320i Mスポーツ・ツーリングへ落ち着く。試乗車のインテリアは、ラグジュアリーなタコラ・レッドのレザーで仕立てられ、ブラック・サファイアメタリックのボディとのコーディネートもバッチリだった。
パワーシートとキーレスエントリーなどが装備される、コンフォートプラス・パッケージと、オーディオがアップグレードされるテクノロジー・パッケージ、パノラミック・ガラスルーフを選んで、5万370ポンド(約811万円)。最高のクルマの出来上がりだ。
BMW 3シリーズ M340i xドライブ・ツーリング(英国仕様)のスペック
英国価格:5万8925ポンド(約948万円)
全長:4709mm
全幅:1827mm
全高:1440mm
最高速度:249km/h(リミッター)
0-100km/h加速:4.4秒
燃費:12.4km/L
CO2排出量:182g/km
車両重量:1725kg
パワートレイン:直列6気筒2998ccターボチャージャー
使用燃料:ガソリン
最高出力:374ps/5500-6500rpm
最大トルク:50.9kg-m/1900-5000rpm
ギアボックス:8速オートマティック
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