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YARTヤマハ、タイヤやマシンの確認で十分な手応え「雪が降っても問題がないように準備をしている」と監督/鈴鹿8耐テスト

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YARTヤマハ、タイヤやマシンの確認で十分な手応え「雪が降っても問題がないように準備をしている」と監督/鈴鹿8耐テスト

 7月5~6日、三重県・鈴鹿サーキットで2023年の鈴鹿8時間耐久ロードレースに向けた鈴鹿サーキット主催 合同テスト 1回目が行われた。FIM世界耐久選手権(EWC)フル参戦のYART YAMAHA OFFICIAL TEAM EWCは様々なテスト項目をこなして上位につけており、レースウイークで最後の調整をするという。

 オーストリアを拠点とするYARTヤマハは、2009年のEWCチャンピオンチームだ。今季は第1戦ル・マン24時間で2位、第2戦スパ24時間では2020年のエストリル12時間以来、24時間レースでは2009年のル・マン以来の優勝を飾り、118ポイントのランキング首位で鈴鹿8耐を迎えることとなる。

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 しかし、昨年王者のF.C.C. TSR Honda Franceも優勝を含む2連続の表彰台を獲得しており、YARTヤマハと1ポイント差の117ポイントで現在ランキング2位。YARTヤマハは最終戦ボルドール24時間に向けて、特殊な鈴鹿8耐でできるだけ上位でフィニッシュしてランキング首位を死守したいところだ。

 鈴鹿8耐テストでは、ニッコロ・カネパ、マービン・フリッツ、カレル・ハニカのレギュラー陣3人で、2台のヤマハYZF-R1を走らせた。また、1台のマシンは本戦でも使用される、ヤマハ純正オイルYAMALUBE RS4GPのボトルカラーに合わせた鈴鹿8耐専用グラフィックだった。

 初日は1年ぶりの鈴鹿に慣れるところからスタート。ヨーロッパ戦と仕様が異なるハイグリップな鈴鹿サーキット仕様のブリヂストンタイヤの確認とセレクトも行ったという。

 昨年のデータを参考にしながら電子制御の改善やポジション調整などの最適化にフォーカスしてラップを重ねた。午後に雨のコンディションとなると、ウエットでの電子制御やグリップフィーリングの確認なども行ってデータを収集していた。

 ドライで気温も上がった2日目は、鈴鹿8耐の決勝レースを想定したテストを実施。タイヤや異なる仕様の車両に乗り変えながらチェックして、ロングランでは2分08秒台、最終的にはセッション5で2分06秒813に入れて、チームのベストタイムを更新した。赤旗により予定通りのテストが進まなかったこともあったが、十分な手応えとともに、テストを終えることとなったようだ。

 8月のレースウイーク直前に行われる最後のテストでは、フロントのフィーリング、サスペンションのセッティングをさらに進め、燃費やタイヤの消耗具合を確認したいという。

 マンディ・カインツ監督は、2023年のEWC全4戦中3回の表彰台を獲得することを目標としているが、全戦で表彰台に上ることも可能だろう。

■マンディ・カインツ監督
「今回の二日間で、日本の暑いコンディションに合わせて、改めて細かくセッティングを行った。特に想定外のことはなく、マービンに幾度かスリップがあったくらいだ。激しい雨も降ったが、耐久チームなので雪が降っても問題がないように準備をしており、全体的にプラン通りで行うことができた」

「予選の想定をしたわけではないが、いいタイムが出たことはよい兆候。でも正直、あまり決勝には関係はないことと受け止めている。またテストを通じ、ファクトリーチームがいるこの鈴鹿8耐でも、これまでと変わらない立場にいることを確認できた。確実にトップ5には入っていると思う。ウイークはいつも通り、決勝に向けて準備をしていくだけだが、今回もYARTとヤマハがうまくリレーションできているし、レースに向けた準備はほぼ整っているといってよいだろう」

■カレル・ハニカ
「今回は、各セッションで5~10周のショートスティントを行い、いろんなタイヤと制御についての理解を深めることができた。さらにウエットでスムーズに走ることを練習できたし、ウエットでのグリップがいいことも確認できた。たくさんの情報を集めることができたが、ウイークでやるべきことも残っている」

「燃費やタイヤが消耗を迎えるポイントへなどだ。もっとたくさん走ることができればそれも確認できたのだが、初日がウエットとなったことでできなかった。そのため、ウイークの前の事前テストで確認する必要があると思う。その他の課題としては、フロントのフィーリング」

「また鈴鹿は欧州のサーキットに比べてとてもグリップがあるため、逆にバイクやタイヤの100%のポテンシャルを引きだすことができていないので、サスセッティングなどの必要性を感じている。それでもかなりの完成度にあることは間違いない」

■ニッコロ・カネパ
「よかったのは、初日に乗った時から昨年のレースペースで走ることができたことだ。ライダーのフィーリングも、バイクのベースセッティングも良いということだと思う。でも、昨年は自分たちよりもライバルの方が速かったので、それに近づき、上回るためには小さい部分をいくつか改善したいと思っている」

「しかし、それがとても難しい。また大きな課題としてはフロントの安定性だ。1時間のスティントを安定して走るには、フロントからもっといいフィードバックが欲しいと思っている。ただ、テスト終了後にはフロントだけでなく、ライダー全員ですべての項目について分析した。1周でコンマ1秒遅れたとしたら8時間ではとても大きな遅れになる。勝つためには、すべてが大切だからだ」

■マービン・フリッツ
「今シーズンの2戦でYARTはとても速かったけど、ここも、初日の最初のセッションから、速いペースで走ることができた。ただ、レースに向けて準備していく中で、初日は半分が雨で今日も赤旗が多く、ロングランができず試したいことができなかったのはとても残念だ。でもうまくいかない時こそ学ぶことも多いし、レースまでに苦労することで本番はうまくいくものなので、今回もきっとそうなると思っている」

「これから3週間は自宅で過ごしながら準備して100%の状態で戻ってくる。そして、自分たちのチームは強く、チームメイトが速いことも知っているので、レースに向けては大きな自信を持っている」

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