10月20日、2024年MotoGP第17戦オーストラリアGP MotoGPクラスの決勝がフィリップ・アイランド・サーキットで行われた。レプソル・ホンダ・チームのルカ・マリーニは14位でポイントを獲得し、ジョアン・ミルは終盤に転倒を喫してリタイアで終える結果となった。
また、ヨハン・ザルコ(カストロール・ホンダLCR)はホンダ最上位の12位、中上貴晶(ホンダ・イデミツLCR)は18位でフィニッシュした。
中上貴晶、中盤以降はペースを安定させるも「序盤のパフォーマンス向上が必要」/第17戦オーストラリアGP 決勝
土曜日の予選Q1でQ2進出まであと一歩というところまで迫り、スプリントでもポイント獲得が目前に見えていたマリーニは、日曜日も好調さを維持し入賞を目標にしていた。13番手からスタートを切り、一時は12番手に浮上するも、スタート直後に外側に押し出されるアクシデントにより、16番手まで順位を落とす。
序盤はタイヤを温めることに集中しつつ、中盤以降にかけて少しずつ挽回して14番手まで順位を上げた。終盤は前を走るアレックス・リンス(モンスターエナジー・ヤマハMotoGPチーム)に迫るもわずかに届かず、最終的に14位でフィニッシュ。週末を通して比較的好調を維持しつつ、ポイント獲得に繋げる走りを披露した。
また、ミルはスタートからマシンのフィーリングに苦戦していたようだが、オープニングラップは17番手を維持していた。その後、アレックス・マルケス(グレシーニ・レーシングMotoGP)に先行を許し18番手に後退すると、以降はアレイシ・エスパルガロ(アプリリア・レーシング)との競り合いを展開。
中上の追撃を受けながらも、終盤にかけて前との差を縮めており、残り2周の4コーナーでエスパルガロをオーバーテイクしようとした際に転倒を喫してしまう。入賞圏外の位置ではあったものの、完走まであと少しというところで無念のリタイアとなってしまった。
ザルコは、2023年第16戦オーストラリアGPでMotoGPクラス初優勝を挙げたサーキットということもあり、メーカーは違えど自信をもって臨んでいた。初日からトップ5に入る好走ぶりを披露するも、スプリントは転倒を喫してしまったが、バイクのフィーリングが良いことから決勝に向けては期待もあったという。
決勝では抜群のスタートでトップ10圏内も狙える11番手に浮上すると、中盤にかけて集団の中でバトルを展開。一時はジャック・ミラー(レッドブルKTMファクトリー・レーシング)に交わされてしまうも、ファビオ・クアルタラロ(モンスターエナジー・ヤマハMotoGPチーム)をパス。
終盤まで11番手を維持していたが、20周目でクアルタラロに先行を許す結果となり、最終的に12位でフィニッシュとなった。今大会は自分のパッケージを最大限に生かしたパフォーマンスと、チームも驚くほどという彼のタイヤのマネジメント力を発揮。これらがポイント獲得と好走に結びつけたと言えるだろう。
また、週末を通して苦戦を強いられた中上は、引き続きトラックの路面状況とフィーリングの欠如によりいくつかの困難に直面していたという。ただ決勝においては序盤こそ苦戦していたものの、中盤以降は安定したペースでコンスタントに周回。ポイント獲得には至らなかったが、18位で完走して残り3戦に向けてのデータを収集した。
中上にとってフル参戦ライダーとして戦えるのは、残り3戦と少なくなってきている。ホンダ勢は終盤にかけて少しずつ右肩上がりな結果に繋げてきてはいるものの、まだ大幅なマシンの改善が必要と言えるだろう。中上を含むホンダ勢が、残り3戦でどこまで復調の兆しを見せられるかに期待したい。
■ルカ・マリーニ(決勝:14位)
「今週末には全体的に満足しているし、とても嬉しいよ。レースは素晴らしく、ペースも信じられないほど良かった。この場所で、今日のような晴天の下で走るのは本当に楽しいね。スタートは少し混乱していて、押し出されたことでいくつか順位を落としてしまったんだ。タイヤの左側を温めるのにかなり苦労しなければならなくて、これが序盤に戦えなかった理由だよ」
「リヤタイヤが準備できたときには既に他のライダーとは少し距離があったけれど、かなり良いタイムで走れるようになった。毎レースごとに感触は良くなってきているし、次のレースに向けてすでにとてもモチベーションが高くなっている。シーズン全体の流れを見れば、今の自分たちの位置には満足すべきだと思っているよ」
■ジョアン・ミル(決勝:リタイア)
「今日はコントロールできない要因にレースを制限されてしまったんだ。このサーキットはすごく好きだから、自信を持って週末に挑んだのだけれど、感触は最後まで良くならなかった」
「レース終盤、中上が近づいてきていたから、エスパルガロを抜こうとしたのだけれど、リヤがかなり不安定で転倒してしまったんだ。体は大丈夫だけどね。次のレースに向けて、これまで通りベストを尽くし、未来に向けて努力を続けるしかないね」
■ヨハン・ザルコ(決勝:12位)
「満足しているし、ポジティブなレースだったよ。もちろんトップ10に入りたかったけれど、ライバルたちがそれを簡単には許してくれなかったから、できる限りプッシュした」
「いずれにしても、今週末はまた別のサーキットで確かな前進を遂げることができたんだ。速くて安定したペースを保てたのはポジティブな成果だね」
■中上貴晶(決勝:18位)
「レース序盤は難しく、思ったように速く走れませんでした。しかし、周回を重ねるごとに状況を理解し、安定したペースを維持できました。全体的に、レース出だしでのパフォーマンスを改善する必要があります」
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