電動フォーミュラシリーズのフォーミュラE。シリーズCEOであるジェフ・ドッズは、将来的な参画の可能性についてフェラーリと話し合いを行なったことを示唆した。
この可能性が浮上したのは、来月フェラーリが初の電気自動車(EV)用工場をオープンさせ、独自のバッテリーとEVを生産する準備を進めていることがキッカケだ。“e-ビルディング”と呼ばれるその新ファクトリーの工事には2022年から5億ユーロ(約850億円)が投じられており、その資金は再生可能エネルギーとインフラ整備にも使われる他、250人の新規雇用を生み出すとされている。
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フェラーリはこれまで、韓国の車載バッテリー大手SKオンからの供給を受け、SF90ストラダーレや296GTBを含むハイブリッド車に使用してきた。
この協力関係は今年初めに更新されたが、フェラーリは2025年末までに初の100%EVを生産するとしており、今後はバッテリー技術の開発においてより積極的な取り組みを行なうことになる。
この多額の投資から、フェラーリがフォーミュラEと接触する可能性が浮上。motorsport.comがドッズCEOに対して、フェラーリと話し合いを持ったかと尋ねると「おそらくね」と示唆した。
さらにドッズCEOは次のように続けた。
「彼らはイタリアに電動車のファクトリーを建設すると発表し、将来の電動化ラインについても話している。ハイブリッドではなく、純粋なEVと言及したのは初めてだ」
フェラーリはF1の代名詞的な存在だが、最近はスポーツカーレースにも注力。2023年シーズンから世界耐久選手権(WEC)最高峰クラスに参戦し、ル・マン24時間レースで1965年以来となる総合優勝を果たした。現代F1マシンもル・マン・ハイパーカー(LMH)も、電動技術が求められるハイブリッド車だ。
創設から2024年で10シーズン目を迎えたフォーミュラE。既に日産、ポルシェ、ジャガーがGen4マシンが導入される2026-27年シーズン以降も参戦すると表明しており、その中にフェラーリが加わることの魅力は大きいとドッズCEOは考えている。
「(フェラーリの参加は)チャンピオンシップを盛り上げると思う」とドッズCEOは語った。
「我々は非常にラッキーだ。というのも、ポルシェにはモータースポーツの歴史が脈々と流れていて、マセラティもそうだ。彼らはフェラーリがモータースポーツに留まった時期にやめてしまったがね」
「フェラーリがもたらしたモノは、モータースポーツの知名度以外に、ティフォシと呼ばれる熱狂的なファン層をもたらしたことだと思う。信じられないことだ」
「伝統的なモータースポーツファンに、我々のモータースポーツを観に来てもらうという意味では、フェラーリは素晴らしい働きをしてくれると思う」
「私はフェラーリに参加してもらいたい。そうすればチャンピオンシップが盛り上がる。急激な変化かゲームチェンジャー的なモノかは分からないが、彼らの領分であることは明らかだ」
フェラーリの広報担当は、同社がフォーミュラE参加に関心があるかどうかコメントを求められた際、次のように語っていた。
「現在、我々が集中しているのはF1と耐久レース、そして最近、これまでにない場所でレースを行なうと発表した水上(セーリング)だ」
フェラーリのベネデット・ヴィーニャCEOは先月、新しいEV用ファクトリーについて次のように説明した。
「私にとって、e-ビルディングは3つのことを象徴している」
「ひとつ目は、戦略的なパーツ、バッテリー、アクスル、そしてクルマ全体を社内で製造する可能性だ」
「ふたつ目は、EVだけでなくハイブリッド車もふくめ、全ての自動車をより持続可能な技術で製造する可能性だ。e-ビルディングで使用する機械の効率はより高くなる」
「3つ目が、我々が信じていること、新しい技術の必要性を示すことだ。それに向けて我々は準備万端でいなくてはならない」
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