F1の財政規則における”設備投資”枠の拡大は、各チームの競争条件を公平にするための試みとしてここ数ヵ月で浮上したものであり、どんな決定がされたとしても将来のグランプリレースに大きな影響を与える可能性がある。
ハンガリーGPの週末には、全チームに同じような出費の機会を与えるのではなく、ケースバイケースでチームの具体的な要求を検討し、それをFIAが承認するという新たな案が浮上した。
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この案は月曜日に開催されるF1財務諮問委員会(FAC)の会議で議論されることになっていた。
その後、金曜日にスパで開催されるF1委員会でチーム代表による最終的な投票が行なわれる予定だが、現在この件の可決に関しても5チームの単純過半数による賛成で十分なのか、8チームを超える賛同が必要なのかというガバナンスに関する議論も行なわれているようだ。
この件が重要なのは、これまで資金不足により新たな設備投資に必要な費用を捻出できずにいたチームが、インフラの面でライバルとの差を縮めることが難しくなっているからだ。
ウイリアムズやマクラーレン、アルファロメオ、アルファタウリ、アルピーヌといったチームはいずれも程度の差こそあれ、トップレベルでコンスタントに戦うために必要な設備への投資を可能にする特別手当を切望している。
風洞設備への投資については、すでに財政規則において特例免除が設けられており、アストンマーチンやマクラーレンがそれぞれのプロジェクトを進める上で役に立った。
しかし各チームはレッドブルやメルセデス、フェラーリといったビッグチームに対抗するため、シミュレータやテストベンチ、リグといった設備のアップグレードを望んでおり、そうした新たな投資を認めるよう働きかけてきた。
合意を目指す上で複雑なのは、既存のトップチームはライバルが強くなるのを手助けすることを当然警戒しているということだ。
一方、設備投資の免除を必要としているチームの中には、もしビッグチームが同じように追加の資金を得れば、彼らがそれをさらに良い機材に費やすだけで、現状は変わらないだろうという意見もある。
実際、彼らは空力開発に採用されているようなハンディキャップに近い制度を求めているようだ。つまり上位チームよりも、下位チームに多くの支出枠が与えられる形だ。
また別の意見としては、トップチームにはすでに必要なモノが揃っており、全員に同じ額の支出が許されたとしても、後れを取っているチームよりもメリットが少ないという主張もある。
そうした中で、インフラの増強が必要なチームだけを支援する方法を見つけることが、継続的な議論のテーマとなっているわけだ。
ウイリアムズのジェームス・ボウルズ代表は、解決策が見つかると確信している。
「いい話し合いが行なわれていると思う。そう言っておこう」
そうボウルズ代表はmotorsport.comに語った。
「しかし、妥協点や複雑さがどこにあるかということであり、誰にとっても機能するシステムを見つけようとしているのだ」
「というのも、当然のことながら、各チームがそれぞれ独自の要求を持っているからだ」
「我々(のファクトリー)は他のほとんどのチームと比べて驚くほど違う。レッドブルやメルセデス、フェラーリとも違うし、アルピーヌやマクラーレンとも違う。グリッド上のどの位置にいるのか見ればわかるよ」
「いずれにせよ、我々は悪い状況にあるわけではなく、誰もが話し合っている。前向きな話し合いができているので、私はまだ希望を持っている。金曜日にはすべてを決めなければならない」
ボウルズ代表によれば現在、実質的にはふたつの選択肢があり、最新のアイデアとしては特定のアップグレードプロジェクトに対する各チームのニーズを検討し、それに応じて”設備投資”手当を割り当てるというものだという。
「月曜日にはFACが開催され、そこでふたつのオプションを検討することになる。議論する上で非常に良い出発点になると思う」
「ひとつは、一律に設備投資額を引き上げようというものだ。それは必ずしも他チームが追いつくことを意味するわけではない」
「それでもメルセデス、レッドブル、フェラーリが使える金額は、我々が使える金額よりもかなり少ない。だから、ある程度のキャッチアップは可能だと思う」
「ふたつ目はFIAがリストを作成し、我々が『これが足りない、これは古い』と言えば、FIAがその項目にチェックを入れ、『ほら、X百万ドルだ』と言ってくれる仕組みだ」
この手法ならば、チームが希望するプロジェクトが何か特定できるため、透明性も保たれる。
「私はそれがいいと思う。より理解しやすいしね」
「どちらの選択肢にも長所と短所がある。しかしその性質上、誰にとってもうまくいくものを見つけようとしていることはすでにお気づきだろう。それは常に難しいことだ」
マクラーレンのアンドレア・ステラ代表は、「この規制の枠組みをどのように変えるかについては、いくつかの選択肢がある。全体的には、我々は支出を少し拡大することに賛成している」と語った。
アルピーヌのチーム代表であるオットマー・サフナウアーもまた、設備投資手当の導入を強く望んでいる。彼らはギヤボックスのダイノへの投資プロジェクトを計画しているのだ。
一方で、彼はアルピーヌよりも多くの支援を必要としているチームがいることも認めている。
「我々は他のライバルたちほど必要としていない」
「FIAが我々に何に投票するのかと聞いてきたとき、私は自分の望むものだけが欲しいのであって、それが出来ないからと言ってわがままを言うほど利己的ではないと答えた」
「今、いくつかのシナリオがテーブルの上にあり、会議で3つ目のシナリオがあるかもしれないと聞いているので、それを見て投票するつもりだ」
「公平な競争条件が必要なんだ。我々が持っているインフラとツールは、パフォーマンスを見つけるために本当に重要であり、我々は同じようなツールを持つ必要がある」
サフナウアーは最近、NFLはF1が競争条件を公平にするための興味深いテンプレートになると指摘した。
「カナダで、リバティとF1がNFLのコミッショナーであるロジャー・グッデルとの会談にチームを招待した。彼からのメッセージは、NFLが60年代半ばからNFLそのものをもっともっと高いレベルに引き上げることに集中しているということだった」
「そうすることで、NFLに所属するすべてのチームが、より高い財政レベルに到達する。それが彼の基本的なメッセージだった」
「NFLにはサラリーキャップがあり、ドラフトもある。実際、私たちの空力試験制限のコンセプトはそこから生まれたものであり、スライディング・スケール、つまりランキングが下がれば風洞での試験時間が増えるというものだ」
「ロジャーは我々にこう言ったんだ。『F1は今、アメリカでブレイクしている。世界中、特にアメリカにおいて、より高いレベルに到達するための次のステップを踏むことに集中するように』とね」
「そして、シリーズ全体でそうすることができれば、すべてのチームが恩恵を受けることになると彼は言った」
「1つのチームだけが常に勝ち続けるのではなくなり、より緊密なレース、より良いレースが生まれる。そして、ファンがそれをより楽しむようになれば、スポーツ全体の底上げにつながる。設備投資の均等化は、それを可能にするためのものだ」
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