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世界で最も奇抜なクルマ 48選 前編 「変わり者」のレッテルを貼られた名車・珍車

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世界で最も奇抜なクルマ 48選 前編 「変わり者」のレッテルを貼られた名車・珍車

偉大なる「はなつまみ者」への賛歌

ときおり、「最近のクルマはどれも同じに見える」という嘆きが聞こえてくる。

<span>【画像】大メーカーが作る奇抜な日本車【インサイト、ビークロスなど4台を写真で見る】 全107枚</span>

「最近の若者はなっとらん!」と同じように何十年も前から言われていることだが、決して正しいことではない。流行り廃りはもちろんあるが、どんなに大きなメーカーでも、わたし達を楽しませるため、たまには奇抜なものを出さずにはいられないのだ。

この記事では数百種類に及ぶモデルを紹介することもできたが、その中からなんとか48種類に絞り、前後編に分けてアルファベット順に紹介したい。

他者と違うことに挑戦する姿勢は尊いもので、まったく新しいジャンルを切り拓くこともあるが、非情なことに必ずしも成功するとは限らない。自動車業界における「変わり者」は偉大なる挑戦者であると同時に、一部の人々に愛されてやまない名車である。

アルファ・ロメオSZ

アルファ・ロメオには、美しいクルマを作るという長い伝統がある。しかし、1989年から1991年にかけて短期間だけ生産されたスポーツカー、SZは例外だった。角ばったセダンの75をベースにしたこのモデルは、独特の野獣のような外観を持ち、イタリア語で「怪物」を意味する「イル・モストロ」という愛称で呼ばれていた。

アルファはこのモデルの製造を中止したが、翌年にはコンバーチブルの「RZ」を発表している。

AMCペーサー

1970年代、米国のビッグ3(GM、クライスラー、フォード)と並ぶAMCが、ペーサーのようなクルマを開発するなんて、とてもではないが考えられなかった。当時としては異例なほど背が低く、ガラス面積が多いために視認性に優れていた。

しかし、重くて経済的ではなく、その外観も万人受けするものではなかった。人気がなかったため、1975年から1980年の間しか生産されなかった。

アストン マーティン・シグネット

後にも先にも、このようなアストン マーティンは存在しないだろう。トヨタ/サイオンのiQに派手なグリルを付け、スタイリングや装備を大幅にアップグレードしただけのモデル。ベースのiQよりもはるかに高価なシグネットは、フルサイズのアストンを買えるような人々のためのコンパクトカーという意味合いを持っていた。

しかし、販売目標には遠く及ばず、わずか2年で生産中止となった。生産台数が少なかったこともあり、中古車価格は新車時よりも高くなっている。

アウディA2

アルミボディのA2は、軽量で燃費が良いため、走るのは安くても買うのは非常に高価だった。2001年に十分なオプションを選んだ場合、現在のお金では約3万ポンド(約460万円)を費やすことになる。

また、アウディはA2のメンテナンスを難しくしていた。オイルをチェックしたり、ウォッシャーボトルを補充したりすることはできたが、それだけだった。スパークプラグの交換はディーラーの仕事である。

また、騒音が大きいことや、2分割された複雑なリアウィンドウからの視界が悪いことも問題であった。売れ行きは低調で、生産期間は2000年から2005年までしかなかった。しかし、海外ではモダンクラシックとして再評価されつつあある。

オースチン・ヒーレー・スプライト

初代スプライトは、英国では「フロッグアイ(カエルの目)」、米国では「バグアイ(虫の目)」と呼ばれている。ボンネットの上に非格納式のヘッドライトを出していたことから、このような愛称がつけられた。

スプライトがこのような姿をしていたのは、わずか3年間。1961年から1971年まで(ほとんど同じMGミゼットの場合は1979年まで)は、まったく異なるエレガントなデザインが採用された。しかし、多くのエンスージアストの心に残っているのは、この奇妙なフロッグアイなのである。

ベントレー・ベンテイガ

ベンテイガは、2010年代にSUV市場に新規参入したベントレーが投入した高級SUVである。2015年の発売時から十分に奇抜でユニークな存在であったが、その後、アストン マーティンDBX、ランボルギーニ・ウルス、マセラティ・レヴァンテ、ロールス・ロイス・カリナンなど、ライバルが数多く加わった。

その中でもベンテイガは、物議を醸すような外観から異彩を放っているが、2012年のジュネーブ・モーターショーで発表されたコンセプト「EXP 9 F」に比べれば、穏やかなものだ。

BMW i3

i3は、BMWが発売したクルマの中でも最も奇抜なデザインを持つクルマの1つと言ってもいい。2013年に発売されたi3のスタイリングは、今見ても非常に個性的である。奇妙なクルマと言われるゆえんは、見た目だけではない。その構造は複雑で、アルミニウムとカーボンファイバーが多用されているのだ。

i3には、完全EVと、レンジエクステンダー(発電機)として小型ガソリンエンジンを搭載したタイプがある。ほとんどの市販EVには、この2つのタイプのうちどちらか一方が設定されているが、両方を同時に検討することはできない。

BMW Z1

1989年から1991年にかけて発売されたZ1は、BMWのデザインを踏襲しつつも、異彩を放っていた。下方に開くドアが最大の特徴だが、高度な空力特性や、後のモデルにも採用されたマルチリンク式リアサスペンションなど、魅力的な要素も多かった。

さらに、プラスチック製のボディパネルは取り外しが可能だった。理論的には、異なる色のパネルを装着することで、近所の人に新しいZ1を買ったと思わせることができた。

ブガッティ・ロワイヤル

ブガッティは、ニッチなマーケティングを極限まで追求し、欧州の王族以外には手の届かない超高級車を作った。残念ながら、その生産のほとんどは、王族でさえ財政に目を光らせなければならなかった大恐慌の時代に行われた。

そのため、ロワイヤルは価格設定により当時から浮いた存在であり、現在も希少性の高さゆえに変わり者であり続けている。しかし、12.7Lのエンジン(市販車に搭載されたものとしては最大級)は当時としてはそれほど珍しくなかったようで、1950年代にはまだフランスの列車の動力として使用されていたという。

シボレーSSR

世紀の変わり目には、フィアット500やミニ、フォルクスワーゲン・ビートルなど、レトロなスタイルのクルマが流行した。その中でも特に異彩を放っていたのが、5.3L(後に6.0L)のV8エンジンを搭載し、リトラクタブル・ハードトップを備えたピックアップトラック、シボレーSSRである。

1940年代後半から1950年代半ばにかけてのシボレー・アドバンス・デザインやGMCニュー・デザイン・トラックへのオマージュと、現代性を融合させた特異なスタイリングである。SSRは、2003年から2006年まで生産され、2005年から2011年まで生産されたHHR(レトロなクロスオーバーで、パネルバンとしても使用可能)と時期が重なっていた。

クライスラー・クロスファイア

ダイムラーとクライスラーが9年間に渡って合併したことにより、クライスラー・クロスファイアという珍しい2人乗りのスポーツカーが誕生した。初代メルセデスSLKのプラットフォームをベースに、3.2Lのメルセデス製V6エンジンを搭載したクロスファイアは、スーパーチャージャーの有無にかかわらず、開発費は特に高くなかったはずだ。

クロスファイアは2003年に発売されたが、2007年にダイムラーがクライスラーブランドの大半をプライベート・エクイティ・ファンドのサーベラス社に売却したことによる大混乱の中で、生き残ることができなかった。

クライスラーPTクルーザー

今世紀に入ってからPTクルーザーがデビューしたとき、レトロスタイルのクルマは特に目新しいものではなかった。しかし、PTクルーザーはネオンをベースにダッジやプリムスとして販売していたため、過去の特定のモデルを指すものではなく、1930年代の米国車全般を意味するものであった。

ホットロッドの雰囲気もあったが、ネオンをベースにしているため、V8で後輪を駆動するポール・マーストン(Paul Marston)のPTブルーザー・ドラッグスターを除き、4気筒で前輪を駆動していた。

シトロエンC3プルリエル

プルリエルを全力で擁護しようとする人はいるが、その人たちでさえ、あれが奇妙なマシンであったことは認めざるを得ない。初代シトロエンC3をベースにしたこのクルマは、さまざまなボディスタイルをとることができる。特に、ルーフレールを外せば、ハッチバックからコンバーチブルにすることができた。

問題は、そのレールを置く場所がないので、家に置いて雨が降らないことを祈るしかないことだった。温暖な南欧諸国では、これは受け入れられた。しかし、北欧ではそうはいかない。

シトロエンC6

フランス人は良い大型車を作れないと言われている。ただし、たまにはできることもある。シトロエンC6は素晴らしかった。重いディーゼルエンジンではなく、ガソリンエンジンを搭載したモデルであれば非常に快適で、室内は驚くほど広く、乗り心地も驚異的だった。

しかし、C6には、この種のクルマを買う人の多くがこだわる「ドイツ製」という重要な要素が欠けていた。

シトロエンDS

DSは、未来的なボディ形状、セルフレベリング・サスペンション、高いリアインジケーター、現代のF1マシンとほぼ同じ数の油圧作動部品、そして後には指向性ヘッドランプを備えていた。その20年間に渡る生産は1975年に終了した。

DSを「変わり者」と表現するのは正しくもあり、不公平でもある。むしろ、複数の点で他のメーカーが追いつけなかったクルマと言った方がいいかもしれない。

フェラーリFF

フェラーリはこれまで、正確に「ワゴン車」と呼べるようなモデルを販売したことはないが、2011年から2016年にかけてのFFは、それに近いものがあった。しばしばシューティングブレークと呼ばれるFFは、驚くべき実用性(リアシートを倒すと800Lのラゲッジスペースが確保される)と、フロントに搭載された6.3L V12エンジンの咆哮、4輪駆動、320km/hを超える最高速度を兼ね備えていた。

それはとても良いことだが、エレガントさを求めるのであれば、他のモデルを選ぶことをお勧めする。

フィアット500ツインエア

2007年にデビューした500は、ここ10年ほどの間にレトロなクルマが多く登場したこともあり、特に異彩を放つ存在ではなくなっている。しかし、ツインエアは別物だ。875ccエンジン(フィアットが開発したマルチエア技術を使って、一から設計されたユニット)は、1980年代にシトロエンLNAが廃止されて以来、欧州の主流自動車に搭載された初めての2気筒エンジンだ。

何よりも、アイドリング時にまるでゴロゴロと喉を鳴らしているかのように聞こえることが、言葉にできないほどの可愛らしさを生んでいるのである。

フィアット・ムルティプラ

初代ムルティプラは、フィアット600を6人乗りにしたもので、とても奇抜なデザインであった。1998年に発表された新型のムルティプラも同様だったが、より社交的な座席配置(3人がけの2列シートで6人乗り)や、フロントエンドのクランプルゾーン(衝突時の衝撃吸収用スペース)など1950年代には全くなかった利点を備えている。

このフロントデザインには賛否両論があった。フィアットは最初の数年間こそ自身の主張を貫いたが、2004年には方針を撤回し、率直に言って記憶に残らないようなありふれたデザインに変更した。

英国フォード・コンサル・クラシック

それまで大胆なデザインのクルマを作るメーカーという認識がなかったフォードは、1961年にコンサル・クラシックを英国市場に導入して混乱を招いた。

米国のトレンドに強い影響を受けたコンサル・クラシックは、4灯式ヘッドライトと逆勾配のリアウィンドウを備えている。後者は1959年からアングリアに採用されていたものだが、コンサル・クラシックでははるかに突飛な印象を与えていた。

コンサル・カプリと呼ばれるクーペ仕様は、リアウィンドウがよりオーソドックスなものになっていたが、それでも奇抜であることに変わりはなかった。1964年のクリスマスまでに2台とも生産中止となった。

フォード・モデルT

モデルT(T型フォード)は、製造中止となってから45年間、世界で最も売れたクルマという記録を保持していた。その事実に目を奪われ、このクルマが非常に奇妙なものであったことを忘れてはいけない。

特に、非常に特殊な運転技術を必要とした。主要な操作系の見た目はすべて従来通りだが、思った通りに動くのはステアリングホイールだけ。クラッチペダルで2段ある前進ギア(ロー・ハイ)のうちの1つを選択し、ステアリングコラムのレバーでスロットルと点火タイミングを調整し、減速したいときは右側のブレーキペダルを踏む、といった具合だ。

しかし、1908年から1927年の間に1500万台以上が販売されたということは、人々が運転のコツをつかむことができたということだ。

フォード・サンダーバード

古典的なサンダーバードは、間違いなく1970年以前に生産されたものだ。フォードは1997年まで10世代にわたってサンダーバードの名を継承し、2002年に11代目を復活させた。レトロなスタイルを採用し、1957年以来の2シーターのコンバーチブルボディを持つ。

ビーチ・ボーイズ結成前には成功していたフォーマットも、スパイス・ガールズの活動休止後は成功しなくなった。2002年の発売時には人気を博したものの、その後の販売台数は激減し、2005年にはサンダーバードの歴史にピリオドを打った。

ホンダ・インサイト

今では当たり前になっているハイブリッド車だが、かつては奇抜な存在だった。1990年代の基準から見ても、初代ホンダ・インサイトは非常に特異な存在だった。コンパクトな2ドアのクーペで、後輪の半分がスカートで覆われている。ホンダがこのスタイリングを採用した理由の1つは、空力的な助けを必要としたからである。

少し前に発売されたトヨタのプリウスも異彩を放っていたが、インサイトほどの変わり種ではなかった。

ヒュンダイ・ヴェロスター

ヒュンダイ・クーペ/ティブロンは、魅力的ではあるが概ねありきたりなスポーツカーだった。それが3年の空白の後、間接的にヴェロスターに取って代わられたのだが、これはまったく「ありきたり」なものではなかった。初代ヴェロスターの最も有名な特徴は、助手席側に2枚、運転席側に1枚の計3枚のドアを持つ点だ。

ヒュンダイは2パターンのボディシェルを開発し、左ハンドル・右ハンドルのどちらの市場でも、歩道側にダブルドアがつくようにした。

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みんなのコメント

5件
  • ムルティプラ前期が磐石ですが、トヨタのオーパとかMATSUDAのランティスもなかなかの奇抜さだったような。
  • 「変わり者」のレッテルなんてお前らが勝手に貼ってるだけだろ。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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