山梨県南アルプス市の体験型複合施設「フモット南アルプス」芝生広で11月2日、「クラシックカーミーティング・イン山梨南アルプス」が行われ、約130台の旧車が集った。山梨旧車倶楽部(保坂昌志代表)の主催。
これまで富士川町の道の駅富士川で行われていたが災害時の拠点施設となり、芝生広場などに車両の展示が不可能となったため、フモットへ移管して第17回目の開催となった。
参加資格は1985年(昭和60年)までに生産されたオリジナルな国産車&外車。改造車は認められず、公認改造車両であっても基本形状を維持し、製造時の雰囲気を保っていることが条件。
この日は朝早くから内外の名車が続々と入場。芝生広場を中心としたオーバル状の会場に約130台が並んだ。これまでと比べキャパシティの関係で台数は減ったものの、より選別された感のある充実した展示内容となった。
マツダ『R360クーペ』やスズキ『フロンテ』、ホンダ『N360』といった排気量が360cc時代の軽自動車や、日産『セドリック』、『スカイライン』、トヨタ『カローラレビン』、『クラウン』、ダイハツ『コンパーノ』などの国産車、ジャガー『Eタイプ』、アルファロメオ『アルフェッタ』、BMW『2002』、ポルシェ『356』などの外国車が整然と並んだ。
シングルナンバーも多く見られ、トヨペット『コロナ』(1964年)もその1台。5年落ちで購入し、「新婚旅行で和歌山を一周、フェリーで伊良湖岬になどして山梨に帰って来た想い出のクルマなので、手放せなくなってしまった」と80過ぎのオーナーは照れ笑い。整備士だったお陰でメンテナンスは行き届き、8トラックのカセットも現役で昭和の演歌を奏でていた。
シトロエン『11CVレジェール』(1950年)は前輪駆動とモノコックボディーとを採用した乗用車の先駆け的存在。フランス車だがこの個体は英国で製造され、右ハンドルでリーガルレッドという赤のボディカラーが特徴。フェンダー以外は75年経った今も奇麗なオリジナル塗装のままという驚きのコンディション。静岡県富士市在住のオーナーは仙台や京都などへも自走しており、「時速80キロくらいなら安定していて乗り心地が良いんですよ」と意気盛んであった。
いすゞ『ベレット』1600GTR(1970年)で参加していたのは、7歳になるお孫さんとペアのオーナー。昔ベレットに乗っており、最後にまた乗りたくなって10年ほど前に購入したという。「キビキビ走って気持ちいいんです」。お孫さんも「おじいちゃんのクルマはかっこいい!」と、各イベントに2人で参加しているとか。「大きくなったらこのクルマを引き継いでくれるというので、それまでは頑張らないと」と嬉しそうなおじいちゃんだった。
この日は風が強かったものの快晴となり、会場からは雪化粧した富士山の姿も見られた。エリア内にある数々のショップや飲食店と、隣接するコストコからの流入などもあって終日賑わった。
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