自宅にいるからクルマも使う
text:Kenji Momota(桃田健史)
【画像】「月1回以上の空気圧点検」認知度、知らない=72.5% 同時に公開されたタイヤ/燃費のデータ【表】 全11枚
4月6日、タイヤに関する興味深いデータが公開された。
「全国のドライバー2000人(20~60代男女)に聞く、タイヤの空気圧点検実態調査」だ。タイヤメーカー各社でつくる日本自動車タイヤ協会がまとめた。
資料の頭には、こう書かれている。
「あなたはご存じですか? 月に1回以上の空気圧点検。月1回以上の空気圧点検、できている方は2割台……」
なぜこのタイミングで調査結果を発表したかといえば、4月8日は「タイヤの日」。同協会とタイヤ関連業界関係者が2000年に定めた。
4月は春の全国交通安全運動の実施月で、8日は輪(タイヤ)をイメージするからだという。
新型コロナウイルス感染拡大の先行きが見えず、事態は長期戦へ。そんな時、タイヤのことなど考える余裕はないかもしれない。
だが、よく考えてみると、こうした状況だからこそ、タイヤをしっかりとケアする必要がであると思う。
自宅でのテレワークが増え、また公共交通機関を使わなくなると、買い物などで乗用車を使う頻度が増える。
普段、平日は主婦が買い物で乗用車を使う家庭が多いと思うが、テレワークでご主人が買い物で使うケースも増える。
安全運転にタイヤの点検はかかせない。
では、タイヤの空気圧点検実態調査、どんな結果だったのか?
呆れる? 点検頻度が不足している理由
空気圧点検の頻度は足りていると回答が63.3%。このうち月1回以上点検は24.1%にとどまった。
設問「自身のタイヤの空気圧点検頻度が不足していると思う理由」では、次のような結果となった。
最も多かったのが、「自分でチェックする方法がわからない」(47.2%)だったのだ。
以下、
「面倒だから」(36.9%)
「あまり距離を走ることがないから」(25.6%)
「どこでチェックできるのかわからない」(12.9%)
「まだタイヤを替えて時間がたっていないから」(12.8%)
「時間的に余裕がなくなったから」(11.6%)
「自家用車を使う頻度が減ったから」(11.4%)
「まだ新しいクルマだから」(10.6%)
「フルサービスのガソリンスタンドが減少したから」(9.9%)
「国産車なので安全性に問題ないと思うから」(3.3%)
「エコカーなので安全性に問題ないと思うから」(0.8%)
と、つづいた。
年間走行距離別で、5000km未満、5000~1万km未満、1万km以上でみると、直近1年以内に行っていない人の割合は、それぞれ17.4%、13.4%、11.2%となった。
こうしたデータから、日本自動車タイヤ協会は「日常的にクルマに乗る人より週末などの限られたときだけクルマに乗る人の方が、タイヤの空気圧点検をまめに行っていないではないか」と推測している。
まさに、最近テレワークを始めた家庭に該当する話である。
こまめに空気圧点検しないと、どうなる?
タイヤ空気圧点検を怠れば空気圧が減っていく。
ユーザーのデメリットについて、ブリヂストンの公開データでは、以下の3点を代表例に挙げている。
・タイヤのたわみが大きくなり、タイヤの中の部材がはく離したり、切れたりする。
・タイヤの方の部分(ショルダー)に負担がかかり、両肩摩耗が発生する。
・燃費が悪くなる(タイヤの空気が抜けた自転車はペダルを漕ぐのが大変なことと同じ)
ここで自転車のタイヤを引き合いに出しているが、クルマの場合、エンジンやモーターが駆動力。
ドライバーはアクセルを踏むだけなので、自転車のように自分自身の直接タイヤの変化を感じることが少ないと思うかもしれない。
ところが、普段の運転の中でも、タイヤの空気圧が低い場合と適正に保った状態では、明らかに、乗り心地やハンドルを切った時のフィーリングが変わる。
昔からよく使われるフレーズだが、クルマが地面と設置しているのは、4つのタイヤそれぞれで、はがき1枚分。
スポーツカーや高級車でなくても、軽やミニバンでも、タイヤの空気圧はクルマ全体に大きな影響を及ぼす。
それなのに、前出の結果のように「自分でチェックする方法がわからない」人が多いのが現実なのだ。
そうした声を実際に現場で聞くことがある。
自分のクルマのタイヤ空気圧 答えられる?
筆者(桃田健史)は、日本自動車ジャーナリスト協会の一員として、各種の自動車関連イベントでインストラクターや説明員をする機会がある。
タイヤについての基礎的なレクチャーとして当然、空気圧点検に触れる。
その中で、「あなたのクルマの空気圧はいくつか知っていますか?」と聞くと、半数近い人は「運転者側のドアを開けた内側の表示を見る」と答える。
もしご存じなければ、実際にご自分のクルマのドアを開けて見ていただきたい。(一部に、給油口のふたの裏側)。
数値は、クルマによって前輪と後輪で同じ場合と、前輪後輪それぞれで違う場合がある。
数値は、kPa(キロパスカル)とkg/cm2の2種類。パスカルは国際単位系で、kg/cm2の約100倍を示す。
この他、輸入車ではbarやpsiなどの表記がある場合もある。
日本のガソリンスタンドに設置されている空気圧計の多くは、kPa表示が主体となっている。
ブリヂストンでは「タイヤはゴムが主体の製品であるため、風船がしぼむように、空気圧は自然に低下する。そのため、クルマでの空気圧表示より0~20kPa高めに入れることをお勧めする」としている。
テレワークを1つのきっかけに、タイヤの空気圧点検を定期的に行っていただきたい。
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