次世代EVクロスオーバー クラブマンの後継か?
ミニは、2024年末に発売予定の新型EVのコンセプトモデル「エースマン(Aceman)」を公開した。ハッチバックとカントリーマンの中間に位置する、新たなコンパクト電動クロスオーバーとなる予定だ。
【画像】新たな世代へ移行するミニブランド【エースマン・コンセプトを次期EVや現行モデルと写真で比較する】 全99枚
プラットフォームには、BMWと中国のパートナー企業である長城汽車が共同開発している「スポットライト」を採用。ミニの次世代EVモデルのベースとなるものだ。
ミニは今回公開したエースマンについて、純粋なコンセプトモデルだとしているが、2024年にショールームに並ぶ市販モデルからそれほど遠いものではない。
エースマンのパワートレインの詳細は不明だが、同じスポットライト・プラットフォームをベースとする次世代ハッチバックは、約40kWhのバッテリーを搭載したクーパー(最高出力184ps)と、50kWhのバッテリーを搭載したクーパーS(最高出力224ps)があり、航続距離は約400kmとなる予定。エースマンの市販モデルも、これとほぼ同様のものになると思われる。
情報筋によると、このコンセプトはカントリーマン(日本名:クロスオーバー)の後継車として開発されたものではないという。第3世代となる次期カントリーマンは、BMW X1の兄弟車として、広い室内空間を持つクルマとして生まれ変わる見込みだ。エースマンは、全長4050mm、全幅1990mm、全高1590mmと、カントリーマンより小柄。
そのため、エースマンは、2023年半ばに廃止されるミニ・クラブマンの間接的な後継車となる可能性がある。AUTOCARが入手した情報によると、クラブマンはこれから少なくとも1台の特別仕様車が用意された後、生産を終了するとのこと。
大きく変わったミニのデザイン
ミニのデザインチーフであるオリバー・ハイルマーはAUTOCARの取材に対し、エースマン・コンセプトは「多くのリサーチとフィードバックの結果」であると語っている。
ハイルマーは、「ハッチバックとカントリーマンのオーナーには非常に満足していただいていますが、彼らは全く異なるタイプの人々です」として、エースマンがミニを所有したことのない層をターゲットにすることをほのめかした。
「フロントとリアのオーバーハングが非常に短いという意味では、クラシックなミニと同じですが、サイドの高さが大きく異なります。サイドはもっと筋肉質なのです」
BMWはサイドのデザインについて、「このエッジの効いたデザインは、クロスオーバーモデル特有の堅牢さと多用途性の進歩的な解釈です」と述べている。
また、クロームのドアハンドルや、フロントフェンダーとフロントドアの間にあった三角形のパネルもなくなった。
フロントエンドのデザインは必要最低限にまで絞り込まれた。大きなクローム縁のヘッドライトは縮小され、ミニブランドの伝統的な「顔」はLEDのアウトラインで定義されるようになった。グリルは、ブランドのルーツを思い出させる非常にミニマルなものとしている。
「タフな雰囲気がありますが、決して大きくはありません。新型カントリーマンは、もっと広いトランクルームを持ちます」とハイルマー。
「このクルマのショルダーは、EVに必要な空力性能の結果です。テールゲートスポイラーやキャビン後部が細くなっているのも、ホイールデザインと同様、空力性能に基づいたものです」
コンセプトでは補強バーのないガラスルーフも備えているが、これはバッテリーをシャシーの構造部品として使用することで、市販モデルでも実現できるかもしれない。また、ルーフラックの形状は、ユニオンジャックを連想させるものになっている。
ユニオンジャックのモチーフは、ダッシュボードの装飾、フェンダーのモールディング、テールライトなど、至るところに見られる。ハイルマンによれば、このグラフィックは「世界中で人気がある」のだという。
シンプルで広々としたインテリア
エースマンのエクステリアは、従来のミニの基準から大きく逸脱しているが、インテリアもこれまでとはまったく異なるものとなっている。アレック・イシゴニス卿がデザインしたオリジナルモデルに、より哲学的に調和しているとハイルマーは説明する。
ダッシュボードは、円形の有機ELタッチスクリーンと、その下にある小さなトグルバーのみのミニマムなレイアウトが採用された。ハイルマーは、「ほとんど(市販仕様の)インテリアです」と語る。
「ユーザーインターフェイスは、(2023年の)3ドアと同じです。コントローラーはなく、ディスプレイはよりすっきりしています。ポップアップに対応したタッチスクリーンで、車内温度を変えるにはスワイプ操作を行います」
トグルバーには、オリジナルのミニと同じように5つのスイッチがある。1つはトランスミッションシフター、1つはドライブモードの切り替え、もう1つはパーキングブレーキといった具合だ。
エースマンはEV専用プラットフォームを採用しているため、車内は現行の5ドア・ハッチやクラブマンに比べてはるかに開放的で広々としている。特にダッシュボードのボリュームは大幅に削られ、ステアリングホイールも小径化している。
「ボンネットの下に従来のエンジンがないため、HVAC(暖房換気装置)を前部に押し出すことができ、特にフロントのキャビンスペースが広くなっています」とハイルマー。ダッシュボードはニット生地で覆われているが、これが最終的な市販モデルに採用されるかどうかはまだわからない。
インテリアに使用される素材はサステナビリティを重視したものとなっており、レザーの質感は現在のクルマに使われている本革とほとんど見分けがつかないほどだという。ハイルマーは、「レザーレット(人造皮革)は未来の素材です。品質が良く、お客様にも見分けがつかないでしょう」と語っている。
インテリアのボリュームを減らし、断捨離を行うことで、ドアポケットの使い勝手が良くなり、フロントシートの間もほぼブランクになった。センターコンソールの収納をなくし、アームレストはシートサイドに設置されている。
「バッグを置きたい、という要望が多かったので、フロントシートの間に置けるようにしました。また、アームレストがシートサイドにあることで、お客様にとってよりフレキシブルな使用が可能になりました」
一方、「クロームは(エコロジー的に)良くない」とし、内外装から徹底的に排除された。初代から現行モデルに至るまで、ミニの外観に大きな役割を果たしてきたクロームパーツの廃止は、おそらく次世代モデルに対する人々の見方に最も大きな影響を与えるだろう。
ハイルマンもそのことを認めている。「エースマンは、レトロでもキュートでもありませんし、デザイン的に大きく変わりました。ですが、このクルマはミニのルーツを守っているとも思います」
新鮮で大胆なコンセプトデザイン
英AUTOCAR編集部はミニのデザイン責任者、オリバー・ハイルマーにインタビューを行った。
――エースマン・コンセプトは、BMWが過去21年間定義してきたミニのブランドとはかなり異なるものだと思いますが、いかがでしょう?
「デザインの目標は、このコンセプトにエッジを効かせることであり、あまりかわいらしくしようとすることではありませんでした。一定の枠の中で、新鮮で大胆なものが求められたのです」
――エースマンが見せる、これからのミニ・ファミリーとは?
「ミニ・ファミリーの各メンバーは、それぞれ独自のキャラクターを持つことになるでしょう。ハッチバックは新しい(デザインの)ステップを踏み、カントリーマンは第3世代にリメイクされます。ミニというブランドの(デザインの)帯域を広げたいと思いました」
「このEVにはグリルがなく、目立つドアハンドルなど、伝統的なディテールもありません。(将来のミニ・ファミリーには)新しいアイコン的な要素が加わり、既存のデザイン要素は異なる扱いを受けることになるでしょう。クラシックなミニの外観を超えて広げていきたいのです」
――ミニの伝統でもあるカスタマイズについてはどうでしょうか?
「将来のミニ・ファミリーでは、カスタマイズやスペックの複雑さは減り、ヘッドランプや運転支援システム、車載機能の追加、アクセサリーなど、さまざまなキュレーションやトリムパッケージに重点が置かれるようになります」
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みんなのコメント
ミニじゃねえだろ。