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エリクソン激怒。遺恨の接触バトル多発の週末はマッコーネルとラーソンが勝利/Nitrocross第4-5戦

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エリクソン激怒。遺恨の接触バトル多発の週末はマッコーネルとラーソンが勝利/Nitrocross第4-5戦

 アメリカ発の新生シリーズとして、今季6月よりオクラホマ州で開幕を迎えたNitroRX改め『Nitrocross(ナイトロクロス)』が、8月中旬のユタ州ソルトレイクシティ以来となる第4-5戦を開催。おなじみアリゾナ州フェニックスのワイルドホースパスで実施された11月10~11日のダブルヘッダーでは、初日から接触アクシデント多発の末に、複数回の接触により表彰台を逃したケビン・エリクソン(オルスバーグMSE)がライバルたちの運転基準を批判する遺恨試合に。

 この第4戦ではトップチェッカーのシリーズ創設者兼初代王者トラビス・パストラーナ(バーモント・スポーツカー)がペナルティ裁定で沈み、代わってドレイヤー&レインボールド・レーシング・ウィズ・JCレーステクニーク(DRR JC)のフレイザー・マッコーネルが勝利。続く土曜の第5戦は、その前日最終ラップで味わった失望を埋め合わせるべく、王者ロビン・ラーソン(DRR JC)が優勝を飾っている。

2024年よりサポートクラス“NEXT”に専用設計の新たなモデル『FC2ネクスト・エボ』を導入/ナイトロクロス

 最高峰クラス“グループE”にフル電動ワンメイクFCVの『FC1-X』を採用し、鳴り物入りでスタートを切ったナイトロクロスだが、その競技規則は最高出力1080PS(800kW)、0-100km/h加速約1.4秒という専用モデルを操り、各4グループでプラクティスヒート最速となったドライバーが“トップクオリファイアー”のセッションに進出。ここで敗退した残る3名は予選グループに振り分けられ、バトルヒートを経てファイナル進出を目指す、というフォーマットが採用される。

 そんな勝ち上がり方式のイベントには、元GRCグローバル・ラリークロス経験者で『Xゲームズ』ではメダル16個獲得のブライアン・ディーガン(DRR JC)の初参戦で話題を集めたが、迎えた初日から激しい展開となったヒートでは惜しくも決勝進出はならず。8台が出走のファイナルでは、ともに前年度勝者のパストラーナとラーソンが最前列から熾烈な勝負を繰り広げる。

 オープニングラップで首位を奪われたラーソンは直後にジョーカーラップを消化すると、ここでパストラーナは最終6ラップ目を待つ定席どおりの戦略でなく、続く2周目に自身も義務消化を終えてラーソンを追う。迎えた最終ラップは上位5台が1.5秒圏内でラーソン、エリクソン、パストラーナと続くオーダーのなか、ターン2以降でドラマが発生する。

 前周回でわずかにタイヤのエア漏れを喫していた先頭ラーソンに対し、背後のエリクソンが並びかけると、その内側にパストラーナがダイブ。外側2台を弾き飛ばすかのように首位を奪取していく。さらに続くターン3では、後方から接近してきたアンドレアス・バッケルド(DRR JC)がエリクソンと接触し、オルスバーグMSEの車両はバンク最上段まで飛ばされてしまう。

■激しい首位争いは『危険な接触行為』による順位降格で決着

 この混沌を利用したマッコーネルがパストラーナに次ぐ2番手に浮上し、その背後にバッケルドの順でチェッカーが振られたが、スチュワードは首位パストラーナ、3位バッケルドの双方に『危険な接触行為』による順位降格ペナルティを課し、それぞれ2ポジションダウンの結果に。

 これで敗者復活の予選ヒートまで、車両トラブルでわずか3周しか走行できないでいたマッコーネルが開幕以来の勝利を手にし、一方で最終ラップのマルチアクシデントにより、エリクソンの連続表彰台記録は途絶えることとなった。

 そのエリクソンは、セミファイナル2でもバッケルドに接触されてパストラーナに勝利を譲っていただけに、決勝後は周囲のドライバーたちの技量を疑問視する言葉を並べた。

「たとえパンクがあってもロビン(ラーソン)はリードしていて、彼がペースを決定づけている」と、ここまで全ラウンドでトップ3に入り、ポイントリーダーを守っていたエリクソン。

「僕から見れば、トラビス(パストラーナ)は熱くなり過ぎてオーバーシュートした愚か者で、どこをどう考えてもペナルティだ。そしてバッケルドがやったことは、ペナルティよりも100倍悪い」と怒り心頭のエリクソン。

「バッケルドのブレーキがどれだけ遅れているかは一目瞭然だろう? 彼のやっていることはコーナーの管理と言うには程遠い。ああ、程遠いね。彼がヨーロッパのトップドライバーやここのドライバーたちから尊敬されていないのには理由があるんだ、確実にね」

 一方のバッケルドは、接触が前輪だったがために「ステアリングが僕の手から弾かれ、結局ふたりともアウト側まで登ってしまった」と弁明した。

「申し訳ないが、僕は他のみんなと同じように勝ちたいだけだ。そして彼らはとても優れているから、それには多くの時間が掛かる。こういう場合、電動パワーステアリングでは何もできない。ホイール・トゥ・ホイールで衝撃が入ると、カチッと音がする。そこから舵角を保持することはできなかったんだ」

 明けた第5戦はポール発進のパストラーナを打ちやり、前日のパンクと接触で勝機を逸していたラーソンが完勝。残り2周でジョーカーを切った前日勝者のマッコーネルが2位に続き、ポディウム最後のスポットには、ファイナルラップのジョーカーで表彰台争いに躍り出たエリクソンが“怒りのドライビング”で3位を奪い、これで5戦中4度目の登壇を果たしている。

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