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グループBマシンへ触発 MGモーター MG4 EX4コンセプトへ同乗 435psに不自然な沈黙

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グループBマシンへ触発 MGモーター MG4 EX4コンセプトへ同乗 435psに不自然な沈黙

グループBラリーマシンのメトロをイメージ

英国で最も有名なモータースポーツ・イベント、2023年のグッドウッド・フェスティバルで、ラリーマシンに影響を受けたMGへ同乗する機会が巡ってくるとは。正直、去年の今頃は予想もしていなかった。

【画像】グループBマシンへ触発 MG4 EX4コンセプト ベース車と競合BEV メトロ 6R4とRMLの復刻版フェラーリも 全140枚

筆者の目の前に停まっているのは、MGモーター MG4 EX4コンセプト。1980年代の世界ラリー選手権で暴れ回ったグループBマシンを想起させる、アグレッシブな容姿が強烈なインパクトを与える。

このプロトタイプを制作したのは、フェラーリ250 SWBの見事な復刻版を手掛ける、技術力に長けたRML社。2005年からは中国企業の傘下にあるMGモーターが、歴史に刻まれた自社のモータースポーツでの栄光を振り返るべく、生み出されている。

その象徴として選ばれたのが、1984年のMGメトロ 6R4と呼ばれるグループBラリーマシン。確かに40年ほど前のオリジナルとイメージが重なる、ドラマチックな容姿が与えられている。

フロントスプリッターが、除雪車のように突き出ている。フェンダーラインは大きく膨らんでいる。リアスポイラーはボディ後端からさほど飛び出ていないが、三角の翼端板は間違いなくやる気に満ちている。

ベースは量産モデルのMG4 Xパワー

ステアリングホイールを握るのは、英国ツーリングカー選手権で優勝経験を持つ、レーシングドライバーのダン・ロウボトム氏。レーシングヘルメットの正しい被り方すら知らない筆者は、助手席にライトグリーンのハーネスで縛り付けられる。

ヘルメット越しに、BMW M3やBMW 320d ツーリングカーの印象を、ロウボトムが気兼ねなく話してくる。家族を大切にする、落ち着いた男性のようだ。

このMG4 EX4コンセプトはツインモーターのバッテリーEVで、435psの最高出力を発揮し、0-100km/h加速を3.8秒でこなす。メルセデスAMG A 45より出だしは鋭い。見た目の好き嫌いはわかれるかもしれないが、それに見合った動力性能は備えている。

ベースとなっているのは、最近MGモーターが発表した、量産モデルのMG4 Xパワー。ちなみに、最高出力は変わらない。

2人を乗せたMG4 EX4コンセプトは、MG4 Xパワーに続いてグッドウッドへコースイン。目前でスタートしたMG4 Xパワーは、5秒後には姿が見えなくなった。

すぐに、われわれがスタートする番が来る。ロウボトムがアクセルペダルを踏み込む。僅かなラグの後に、30km/h、60km/h、90km/hと速度が急上昇していく。カウントが追いつかないペースで。

音響体験の欠如はバッテリーEVの課題

最初のコーナーで軽くブレーキング。アクセルペダルでバランスを整えながら、ストレート目掛けて加速していく。次のコーナーが接近しても、同様に彼はMG4 EX4コンセプトを操る。

今度はブレーキを強めにかけ、テールを僅かに流す。アクセルとブレーキで姿勢を整えながら、タイトなグッドウッドのラインを縫っていく。大勢の観客が待ち構えるメインストレートへ突っ込んでいく。

スティントが終盤に差しかかった頃、筆者はこの同乗体験に欠けているものへ気がついた。遅ればせながら。内燃エンジンのモデルなら必ず一緒といえる、凄まじいノイズがない。

回頭性はゴーカートのようにシャープ。しかし、その強烈な体験と相容れないように車内は静か。不自然にすら感じられる沈黙を、会話で埋めようとしている自分がいた。実際に体験するまで実感は湧きにくいと思うが、今までにない時間だった。

ヒョンデ・アイオニック5 Nやアバルト500eも、同様に静かだ。開発者はそれに気づき、少々誇張気味の人工的なエンジン音を再生する機能を与えている。好ましいと感じるかどうかは別として。

音響体験の欠如は、バッテリーEVのドライビング体験の課題としてまだ残されている。現在の技術や装置では、本物のエンジンが放つサウンドの刺激には届かない。

それでも、駆動用モーターが生む速さは圧倒される領域にあった。筆者の世界観を変えるほど。

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みんなのコメント

1件
  • メトロ6R4をオマージュするのなら、もうひと回り小さいベースモデルが欲しい。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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