9月13日に世界初公開され、跳ね馬75年の歴史で初の4ドア4シーターとなる『Ferrari Purosangue(フェラーリ・プロサングエ)』がついに登場。象徴たる6.5リッターの自然吸気V12エンジンを搭載し、その最高出力は725馬力とクラスを超越したパフォーマンスを誇る。またF1由来の8速DCTをトランスアクスルとするなど、フェラーリ自身が「独自の道をゆく」と宣言する革新的4WDモデルに仕立てられている。
イタリア語で「サラブレッド」を意味するPurosangue(プロサングエ)の名称を冠したブランニューモデルは、いわゆるクロスオーバーやSUVとは異なるレイアウトにより「革新的なプロポーションと理想的な前後重量配分を実現した」とし、フェラーリとしては決して“SUV”と呼称しないモデルとなる。
フェラーリ、最新限定モデル『812コンペティツィオーネ』『812コンペティツィオーネA』発表
その根幹たるパワーユニットには、フロントミッド(前後車軸間)に自然吸気のV型12気筒を搭載。コードネーム『F140IA』と称するこのエンジンは、フラッグシップ『812コンペティツィオーネ』から派生したユニットとなり、65°のシリンダーバンク角を持つ排気量6.5リッターのドライサンプ、そして高圧インジェクターを採用する直噴式に。
吸排気システムとタイミング系は完全に再設計された一方で、シリンダーヘッドはその『812』譲りの派生版とし、最大トルクの80%をわずか2100rpmから発揮し、6250rpmで716Nmの最大トルクに達するフレキシビリティも備わる。
同じく最高出力725cv(725PS)を発生する7750rpm、そして8250rpmのレッドゾーンまでNAらしいリニアさと性能曲線を持つエンジンは、スロットルに合わせて典型的なフェラーリサウンドを生み出すべく、等長エキゾーストマニフォールドや新プレナムと最適化された吸気ダクト、そしてマネッティーノによるセッティングが可能な2個の可変サイレンサーなどを採用し、紛れもないV12の音を奏でる。
そのエンジンに組み合わさる8速オイルバス式デュアルクラッチ・トランスミッションは、ドライサンプの採用とクラッチアッセンブリーの大幅な小型化によりレイアウトを最適化。搭載位置低下分と同じく車両重心も15mm低下させると同時に「跳ね馬のカスタマーやエンスージアストが慣れ親しんだ、卓越した水準のダイナミクス」を実現すべく、前後の最適な重量配分のためのトランスアクスル・レイアウトを採用した。
■後部ドアをリヤヒンジとし、車体を可能な限りコンパクトに
加えて、パワー・トランスファー・ユニット(PTU)をエンジン前方に組み合わせ、ユニークな4×4トランスミッションを構築。これによって前後重量配分は49:51と、マラネロのエンジニアが「フロントミッドのスポーツカーに最適」と認める重量配分を実現している。
エクステリア……というよりエアロダイナミクスを突き詰めたボディは、上面やフロア、リアディフューザーの効率を可能な限り高めることを重点に開発され、新たなソリューションのひとつとして、フロントバンパーとホイールアーチトリムの相乗効果で、ホイールハウスを空力的に密閉するエアカーテンを作り出し、乱流の発生によるドラッグを抑え込む。
また、旗艦モデル同様のビークルダイナミクス制御システムも、最新バージョンにアップデートしたうえで搭載し、独立4輪操舵や6ウェイ・シャシー・ダイナミック・センサー(6w-CDS)を活用するABS“evo”のほか、新たにフェラーリ・アクティブ・サスペンション・システムを採用した。
これによりコーナリング時のロール制御や、高周波のバンプを超える際にタイヤの接地面をコントロールすることで、フェラーリと名乗るにふさわしいパフォーマンスとハンドリングレスポンスを達成している。
注目のボディシェルは後部ドアをリヤヒンジとすることで乗降性を確保するとともに、車体を可能な限りコンパクト化。その一方で、キャビンはゆったりしたヒーター付き電動シートを各席に備え、大人4名が快適に過ごせる空間が構築された。
そしてラゲッジエリアは「フェラーリ史上もっとも広い」容積を備えつつ、高強度のアルミニウム合金製シャシーに対しカーボンファイバー製ルーフを標準仕様とし、性能値でも0-100km/h加速で3.3秒と、妥協なき4ドア4シーターとなっている。
公式サイト:https://www.ferrari.com/ja-JP/auto/ferrari-purosangue
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