キャストホイール仕様が新たに登場!
空冷648ccの空冷ツインエンジンをハリスフレームに搭載し、セパレートハンドル&バックステップを装備するコンチネンタルGT650は、カフェレーサースタイルとして日本でも人気の1台。これまでは英国クラシックバイクを思わせるスタイリングのみだったが、都会にもマッチするモダンなキャストホイール仕様が登場。日本に導入されたばかりの1台を試乗してきた。
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クラシカルなカフェレーサースタイルがモダンに進化
「綺麗なバイクですね」。朝方、市街地の片隅に停めてコンチネンタルGT650を眺めていると通勤途中の方から声をかけていただいた。早朝の横浜の街並みにコンチネンタルGT650が溶け込む。
新しく発表されたコンチネンタルGT650は4機種。これまで同様のスポークホイールを履くスタンダード/スペシャル/カスタムの3機種とキャストホイールを履くダークである。これまでも展開してきたスポーク仕様はクラシックカフェレーサースタイルをイメージさせるが、新たに登場したダークは、とてもモダンだ。
全車、空冷648ccエンジンをハリスフレームに搭載し、セパレートハンドル&バックステップでライディングポジションを構成することに変わりはないが、ダークはエンジンやマフラーをブラックアウト。現代的な装いのタンクの各カラーの存在感をより際立たせている。
今回は市街地からワインディングまでを走行。様々な場所に置くと一瞬で風景に馴染むのが良い。
また、このモデルから各部のユーティリティを大幅に向上。左ハンドルのクラッチレバーの下側にはUSBポートを、レバーにはアジャスターも装備している。またヘッドライトはLEDとなり、スイッチ類はアルミ鋳造として質感を向上させた。
―― タンク以外を独特の質感となる塗装でブラックアウト。高級感と新しさを感じさせてくれる。
―― 市街地に佇むコンチネンタルGT650。左右どちらから見ても絵になるバイクだ。
―― クラッチレバーの下側にはUSBソケットを装備。左右のレバーは無段階で遠近の調整が可能になった。
スペックからは読み取れないエンジンの存在感に興奮!
跨って少し低めのセパレートハンドルに手を伸ばし、バックステップに足を乗せると、気持ちが引きしまる。ポジションはほどよい前傾で、長距離も苦にならない。ポジションや車格は648ccという排気量のわりに大柄だが、それが安定感に貢献。2日間で700kmほど走ったが、お尻が痛くなることもなく、全身に心地よい疲労感だけが残った。
648ccの空冷エンジンは47psを発揮。その数値は現代のバイクからすると特筆すべきものではない。しかし、気持ちよさと速さをしっかりと両立。スロットルを開けた瞬間に270度クランクの不等間隔爆発の鼓動が感じられ、後輪からグリップやトラクションを明確にライダーに伝えてくる。これがバイクを操っている感覚を倍増させ、「もっと走りたい」気持ちにさせてくれる。
市街地では2000~4000rpmを常用。トコトコと小気味良いエンジンは、とても穏やかだ。スピード&タコの2眼メーターもその奥に流れる景色も安心感に溢れ、どこか懐かしさすら感じさせてくれる。
ワインディングに向かう高速道路の合流で、少しだけスロットルを大きめに捻ると、648ccの空冷ツインは伸びやかに、そして爽快に加速していく。「なんて気持ちの良いエンジンなんだ」。それを改めて実感する。
―― どこにも角がない丸みを帯びたエンジン。今回借りたダークは、エンジン全体をブラックアウト。その他のモデルのエンジンはシルバー仕上げとなる。
―― ダークの特徴となるキャストホイール。これが、スポーティーでモダンな印象を強める。
―― 早朝の横浜をツーリング。速度域に関係なく気持ちの良いエンジンは、どんな時もスロットルを開ける楽しさを教えてくれる。
ほどよいスポーツ感と思いきや、コーナリングはかなり本格的!
ワインディングに到着すると、コンチネンタルGT650はスポーツバイクに変身する。今やフルカウルのスーパースポーツはとても本格的。しかし、そのスペックに現実味はないし、フルカウルはちょっと…、そんな気持ちのライダーも多いだろう。でもどこかでスポーツマインドを忘れたくないライダーが多いのも事実。散々スーパースポーツを経験してきた僕も、そんな気持ちの1人である。
そんなニーズに応えてくれるのがコンチネンタルGT650だ。ワインディングではどんなコーナーも軽やかに駆け抜けていく。今回のモデルから採用された新しいタイヤとリセッティングされたリヤサスペンションのおかげか、乗り心地はしなやか。各部が熟成されているのが伝わってくる。コーナーの立ち上がりで少し回転を上げると、後輪が元気よく路面を蹴り出し、力強く加速。47psとは思えない加速に酔いしれる。
今、こうした気持ちよさを感じさせてくれるバイクは本当に稀有で、バイクが好きが揃うイギリスやインドの開発陣の顔が思い浮かぶ。「上手いなぁ」と何度も思う。味付けや調律がどこまでも絶妙で、関心するしかない。そして、それをこの価格で展開していることにも注目してほしいと思う。バイク好きがバイク好きのために作ったバイク、それがコンチネンタルGT650だ。
―― このモデルから新しい銘柄のタイヤを採用。ブレデシュタインはオランダのタイヤメーカーで、現在はインドのアポロタイヤ社が所有。今回のタイヤはフロントがバイアスでリヤがラジアル。生産はインドだ。リヤサスペンションはリセッティングされた。
少し腰をズラしもっと積極的に乗っても、ハリスフレームはきちんと応え、その時のレスポンスはまさにスポーツバイクのそれだ。バンク角はそこそこだが、その振る舞いは見事。ここに僕がレースでもコンチネンタルGT650を愛用する理由がある。
コストダウンが際立つ近年のバイクづくりだが、ロイヤルエンフィールドはシャーシとエンジンにどこまでもコストをかけた設計。だから「もう少しこうしたい!」という要望はカスタムで簡単に叶う。足まわりやポジションなどに手を入れると、その恩恵はとても大きく、だからこそ自分好みの1台を作ることも可能。そんなベースマシンとしてもオススメしたい。
―― ワインディングでのコーナリングが本当に気持ちが良い。
この日、ロイヤルエンフィールド東京ショールームにダークを返却し、そのままスポーク仕様のスタンダードを駆り出して、夜通し350kmほど走ってみた。するとスタンダードの方が乗り味がしなやかなことに気が付く。やはりキャストホイールの方がホイール剛性が高いのだろう。スポーク仕様はそのルックスの通り、乗り味が昔ながらで優しかった。
近年流行りのネオクラシックスタイルを趣味として楽しむなら、スタイルにもファッションにもこだわりたいもの。コンチネンタルGT650がそれを満たしてくれる。特に今回からのモデルは、ホイールにキャストとスポーク仕様を用意し、その選択肢を拡大。豊富なカラーバリエーションを思い浮かべながら、自身のライフスタイルを投影するのも楽しい。
ロイヤルエンフィールド東京ショールームでは、キャスト仕様もスポーク仕様も試乗可能。スタイルで選んでも良いし、乗り味で選んでも良いと思う。
―― ライダーの操作をしっかりとバイクが感じ取り、それをハンドリングに反映する動きはスポーツバイクそのもの。良いエンジン、良いシャーシの組み合わせがそれを実現する。
―― スイッチボックスはアルミ鋳造製。グリップは今回のモデルから樽型に。700kmほど走ったが僕は振動なども気にならなかった。
―― ヘッドライトはLED、メーターはアナログの2眼タイプ。ディテールのすべてに安心感がある。
コンチネンタルGT650のラインナップを見てみよう
―― 【コンチネンタルGT650スペシャル(ミスタークリーン)/102万5200円】スポークホイールにメッキタンクを採用する人気モデル。
―― 【コンチネンタルGT650スタンダード(ロッカーレッド)/97万200円】スポークホイールにアルミ地肌のエンジンカバー/メッキマフラーを採用するスタンダード。
―― 【コンチネンタルGT650スタンダード(ブリティッシュレーシンググリーン)/97万200円】スポークホイールにアルミ地肌のエンジンカバー/メッキマフラーを採用するスタンダード。
―― 【コンチネンタルGT650ダーク(アペックスグレー)/101万7500円】新たにラインナップに加わったダーク。キャストホイールとチューブレスホイールを採用し、エンジンとマフラーはブラックアウト。
―― 【コンチネンタルGT650ダーク(スリップストリームブルー)/101万7500円】新たにラインナップに加わったダーク。キャストホイールとチューブレスホイールを採用し、エンジンとマフラーはブラックアウト。フェンダーは白。
―― 【コンチネンタルGT650カスタム(デューデラックス)/99万円(受注発注カラー)】スポークホイールにアルミ地肌のエンジンカバー/メッキマフラーを採用し、2トーンカラーを採用するカスタム。通常在庫はなく、受注発注カラーとなる。
主要諸元■全長2119 全幅780 全高1067 軸距1398 シート高820(各mm) 車重212kg(装備) ■空冷4ストローク並列2気筒SOHC4バルブ 648cc 47ps/7150pmm 5.33kg-m/5150rpm 変速機6段 燃料タンク容量12.5L ■ブレーキF=φ320mmシングルディスク+2ポットキャリパー R=φ240mmディスク+1ポットキャリパー タイヤサイズF=100/90-18 56H(ダークは100/90-18 56H TL) R=130/70-18(ダークは130/70R18 63V TL)
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