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ジェネシスG70 シューティングブレーク 2.0Tへ試乗 足を引っ張るパワートレイン

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ジェネシスG70 シューティングブレーク 2.0Tへ試乗 足を引っ張るパワートレイン

マイルドの付くハイブリッドすら用意なし

韓国ヒュンダイが仕掛ける上級ブランド、ジェネシス。北米などでは数年前から展開されていたが、2021年末に英国上陸を果たした。

【画像】欧州上陸 韓国ジェネシス G70のサルーンとシューティングブレーク 競合車種も 全141枚

ここ数か月の間に販売されたジェネシスは127台。目新しいデザインで、ロンドンの通行人の視線を集めていることだろう。フロントを飾るエンブレムは、目を細めればアストン マーティンのものにも見えなくはない。

サルーンのG70や、SUVのGV70といったモデルはグローバル展開されるが、G70のシューティングブレークは欧州専用設計。ジェネシスの意気込みが詰まった、欧州市場での姿勢を最も明確に体現するべきモデルといえる。

ところがこのシューティングブレークには、純EVやPHEVはおろか、マイルドの付くハイブリッドすら用意されていない。すでに英国の公道を走り始めているものの、パワートレインの選択には疑問が残る。

英国でも、純EVの普及が急速に進んでいる。ポールスターやテスラをはじめとする、純EV専門の上級ブランドも確実な成功を掴んでいる。そんなタイミングなのだ。

ディーゼルターボ・エンジンへ欧州市場の注目が集まっていた時期に、V6ガソリンエンジンだけで上陸してきた日産のインフィニティを筆者は思い出してしまった。果たして今回、市場はどう判断するのだろうか。

そんなエンジンのラインナップは、196psか244psを発揮する2.0L 4気筒ターボガソリンと、199psを発揮する2.2L 4気筒ターボディーゼル。今回は英国市場でのトップグレードとなる、244psのガソリンターボへ試乗してみたい。

ラグジュアリーさを漂わせるデザイン

国仕様の場合、G70は後輪駆動のみで四輪駆動は選べない。トランスミッションは8速オートマティックだ。仕様はラグジュアリーラインで、最上級のトリムグレードとなる。

このラグジュアリーという言葉を最も良く表しているのが、インテリア。オプションのナッパレザーが奢られ、見た目だけでなく触れた時の印象も明らかに上質だ。ちなみに、2470ポンド(約38万円)の追加となる。

プレミアムブランドに対峙したい、ジェネシスのポジショニングにも合致している。個性的で快適な車内だと思う。ドイツ御三家とは異なるインテリアに仕立てられている。

そんな印象は、ボディの見た目にも表れている。フロントグリルやディティールは、どこかでの既視感もなくはないが、全体のプロポーションや面構成などは、このクラスに新風を与えている。

欧州車的でもあり、前回の試乗レポートではサーブやアルファ・ロメオ、ジャガーといったブランドのモデルにも通じる雰囲気があると触れられていたが、筆者も否定はしない。

ドライビング体験にもジェネシスなりの個性が備わっている。シャシーは英国の一般道にもしっかり合わせてチューニングを受けており、乗り心地は特に評価できる点だ。

路面状態にタイヤとサスペンションがどう処理しているのか、正確にドライバーへ伝えてくれる。BMWにも似た質感といえるだろう。

見た目の印象を鈍らせる8速ATと燃費

G70 シューティングブレークは姿勢制御も好印象で、軽快な回頭性を叶えている。ただし、ステアリングフィールは今ひとつ。切り始めはクイックで手応えが良いのだが、45度ほどステアリングホイールを回すと、突然重さが増すようだった。

積極的なドライバーが求める、正確な感触までは得られにくい。残念に感じるほどではないものの、ここでのBMWとの比較は難しいだろう。

そして例のパワートレインも、244psに8速ATという内容からイメージするほど、強い印象を与えてくれるものではなかった。もっと、ドライバーとの相互関係が築けるものであって良い。

特にそう思わせていたのが、トランスミッション。244psと35.8kg-mを意欲的に展開するのではなく、穏やかな走りのために性格付けされているようだ。実際、右足の力を緩めれば、このクラスのベスト・サルーンと同等の洗練性と静寂性に浸れる。

そして、もう1つ気になるのが燃費。カタログ値でも10.5km/L前後で、ハイパフォーマンスなBMW M3 コンペティションと大きく違わないほど。今回の試乗では10.0km/Lを超えることはなく、ひと世代前のクルマのように思えてしまった。

電動化技術の導入まで推奨しにくい

欧州専用設計となる、ジェネシスG70 シューティングブレーク。疑問が拭えない試乗となった。欧州向けとしながら、開発時にパワートレインにまで考えが回らなかったとは思えないのだが。

ヒュンダイ・グループには純EVやPHEVなども存在するのに、なぜマイルド・ハイブリッドすら付かない、内燃エンジンのみの設定なのだろうか。欧州での成功を、自ら制限しているように感じてしまう。

ボディのスタイリングも、インテリアの仕立ても、充分に魅力的に映る。ドライビング体験も悪くない。だが電動化技術がもたらされるまで、欧州市場での推奨はしにくいといわざるを得ないだろう。

ジェネシスG70 シューティングブレーク 2.0T ラグジュアリーライン(英国仕様)のスペック

欧州価格:4万700ユーロ(約630万円)
全長:4685mm
全幅:1850mm
全高:1400mm
最高速度:239km/h
0-100km/h加速:6.9秒
燃費:10.4-10.7km/L
CO2排出量:212-217g/km
車両重量:1810kg
パワートレイン:直列4気筒1998ccターボチャージャー
使用燃料:ガソリン
最高出力:244ps/6200rpm
最大トルク:35.8kg-m/1400-4000rpm
ギアボックス:8速オートマティック

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みんなのコメント

9件
  • 足を引っ張るパワートレイイン !
    高評価、べた褒めだねー
    ホルホルしそう
    流石だわ
  • 電動車出すと燃える事がバレるので出せません
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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