モータースポーツの話題を振り返る
2023年のモータースポーツ界隈はこれまでになくアクション満載で、1年があっという間に過ぎてしまった。
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ブラジルからブランズハッチまで、F1、世界ラリー選手権、そしてツーリングカー選手権の挑戦者たちが、多くのサプライズを交えながら、今年をトップで締めくくるために戦った。
というわけで、前置きはこれくらいにして、さっそく2023年のモータースポーツ・カレンダーを振り返っていこう。
フォーミュラ1
F1ワールドチャンピオン:マックス・フェルスタッペン(レッドブル・レーシング) – 尊大で短気、しかし誰にも止められない
マックス・フェルスタッペンとレッドブル・レーシングの圧倒的な強さを見れば、昨シーズンのF1も退屈に思えるかもしれないが、そう決めつけるのは良くない。
オランダ人ドライバーが容赦なくシーズン10連勝という新記録を樹立する一方で、F1の誇大広告を裏付けるのに十分な戦いが各レースで展開された。ラスベガスGPの華やかさに勝るものはないだろう。
フェルスタッペンがあまりにあっさりと3年連続の世界チャンピオンに輝いたように、その後方を行くドライバーたちの予測不可能な揺れから最高の物語が生まれた。フェルスタッペンの後方では、しばしば予想が無駄になることがあった。
序盤はセルジオ・ペレスがチームメイトに肉薄し、いや、上回って2勝を挙げた。しかし、このメキシコ人ドライバーによる挑戦は幻に終わり、その後、ホンダエンジン搭載のRB19(史上最高のF1マシンの1つに数えられる)をドライブしながら凡庸なスパイラルに陥った。
フェルスタッペンとのパートナーシップは報われない仕事だが、それでもペレスは、そのシートにふさわしくないことを証明してしまった。レッドブルの後方を走るアストン マーティンは、42歳にして開幕から8戦で6回の表彰台を獲得した常勝ドライバーのフェルナンド・アロンソの活躍により、期待以上のスタートを切った。
しかし、アロンソとランス・ストロール(父親がチームを所有しているためF1にとどまっているのは間違いない)が中団に後退したため、チームは晩夏に低迷。メルセデスAMGもフェラーリもレッドブルに対抗する鍵を見つけることができなかった。しかし、エイドリアン・ニューウェイ率いる精鋭エンジニアらが来季の準備に目を向ける中、両チームとも重要な瞬間を迎えている。
カルロス・サインツJr.はシンガポールで見事な勝利を収め、レッドブルの連続優勝に終止符を打った。一方、ルイス・ハミルトンは引退説を払拭し、チームが力を取り戻しさえすれば8度目の世界タイトルを獲得できることを示した。
38歳のハミルトンは、カタールのターン1での接触に責任があるとはいえ、チームメイトのジョージ・ラッセルを総合的に上回った。しかし、今シーズンで最も驚き、印象的だったのはマクラーレンだ。テクニカルディレクターのジェームス・キーがザウバー・アルファ・ロメオに移籍したことで、そのツケが回ってきたのだ。
しかし、新チーム代表のアンドレア・ステラの堅実な指揮の下、マクラーレンはオーストリアGPで導入された大幅な空力アップグレードによって、シーズン半ばにラザロのような復活劇を見せた。
英国GPでフェルスタッペンをリードしたランド・ノリスと優秀なルーキー、オスカー・ピアストリは、単なる一発屋ではなかった。ノリスは終始「Aリスト」としての実力を発揮し、ピアストリはカタールのスプリントレースで勝利を収めた。マクラーレンはアストン マーティンを抜き去り、4位に返り咲いた。
世界ラリー選手権
世界チャンピオン:カッレ・ロバンペラ(トヨタ・ガズー・レーシングWRT) – WRCは彼の意のまま。
2023年、カッレ・ロバンペラは調子をつかむのに時間がかかった。前シーズンはわずか22歳で6勝を挙げ、WRC最年少チャンピオンに輝いた。
しかし今回は、トヨタのチームメイトで8度のチャンピオンに輝いたセバスチャン・オジェの影に隠れてしまった。38歳のオジェは、ラリーにはパートタイムでしか参加しないと話していたのだが。
それでも、オジェはセバスチャン・ローブの9度目のタイトル獲得に抵抗していたため、ロバンペラが自分のリズムをつかむのは時間の問題だと感じられた。シリーズ第5戦ポルトガルGPで今季初優勝を飾ったように。その後2勝を挙げただけだが、トップの座を譲ることはなかった。
ロバンペラの2年連続タイトル獲得に大きく貢献したのは、すべてのステージで灼熱のごとき速さを発揮することよりも、一貫性を保つことの必要性を理解した彼の成熟度だった。
ロバンペラが1戦を残してタイトルを決めたことを受け、トヨタチームの代表、ヤリ=マッティ・ラトバラは偉大なユハ・カンクネンを引き合いに出し、彼の勝利を称えた。
エルフィン・エヴァンスは、ロバンペラを視界にとらえる唯一のドライバーとして浮上し、ティエリー・ヌービルはヒョンデの一流ドライバーであり続けた。オィット・タナクはMスポーツ・フォードのドライバーとしてスウェーデンで勝利をつかんだが、マシンの信頼性に苛まれた。
しかし、2023年のWRCには暗い影が重くのしかかっていた。アイルランド出身のクレイグ・ブリーンがクロアチアでのテスト中に不慮の事故で亡くなり、結束の固いラリー界に大きな衝撃を与えたのだ。モータースポーツの安全性がかつてないほど高まったとはいえ、最悪の事態はまだ起きているし、これからも起こりうる。彼の死は、そのことをはっきりと認識させた。
英国ツーリングカー選手権
スタードライバー:アシュリー・サットン – まだ30歳手前。ジェイソン・プラトンの97勝記録も決して安泰ではない。
30選12勝、20回の表彰台。これは、BTCCの支配に限りなく近いものであり、同シリーズの代表であるアラン・ゴウが望むところでもあった。
NAPAレーシングのフォード・フォーカスSTを駆り、史上最多となる4度目の栄冠を手にしたアッシュ(愛称)の名人芸は、英国最高峰のモーターレース・シリーズを陳腐化させるものでは決してない。
ハイブリッド時代2年目のBTCCは、間違いなく世界のどのシリーズよりも、最高のコストパフォーマンスを実現した。
チャンピオンのトム・イングラムは、サットンを最終戦のブランズハッチまで追い詰めたが、王座を明け渡すことになった。ジェイク・ヒルは勝利の笑みを浮かべながらBMWの攻勢をリードし、コリン・ターキントンを退けた。
また、ジョシュ・クック、ダン・カミッシュ、ダン・ロウボトムといった面々は、深く勇気づけられる強さを発揮した。この10年は、BTCCの新たな王者を追いかけることになるだろう。
インディカー
チャンピオン:アレックス・パロウ(チップ・ガナッシ・レーシング) – インディカーでの偉業への道を歩むが、コロコロ変わる契約が汚点となった。
彼のキャリア管理はちょっとした事故のようなものだが、アレックス・パロウが米国のシングルシーターレースの指標的存在であることに疑いの余地はない。スペイン人のパロウは、3年ぶり2度目のインディカー王座獲得に向けて5勝を挙げた。
2年連続で将来の契約をめぐる醜い綱引きに悩まされたにもかかわらず、偉業を成し遂げた。前シーズン、パロウはチップ・ガナッシ・レーシングを離れてマクラーレンに移籍しようとしたが、結局グリッド上でチームと不穏な提携関係を続けることになった。
そして今回、F1を見据えたマクラーレン移籍に合意したパロウだが、またもや翻意し、現状維持を選択した。将来のインディカーの展望を考えれば賢明だが、契約交渉人としての評判を考えればそうではない。
世界耐久選手権
世界チャンピオン:セバスチャン・ブエミ、ブレンドン・ハートレー、平川亮 – トヨタ・ガズー・レーシング
スタードライバー:アレッサンドロ・ピエール・グイディ – フェラーリのル・マン優勝を支え、AFコルセのGT卒業生への信頼を獲得。
ル・マン24時間を制するか、それとも世界チャンピオンを獲得するか?トヨタにとっても、WECのどのメーカーにとっても、その答えは簡単で明白だ。
世界最大の耐久レースであるル・マン24時間レースの100回記念大会は、2023年のモータースポーツの目玉となった。よく練られたハイパーカー規定のおかげで、各メーカーがル・マンに戻ってきたのだ。
スリリングな時代だ。フェラーリ対トヨタのバトルは、24時間レースのほぼ全行程で繰り広げられ、誇大広告を裏打ちするものだった。
政治がフェラーリに優位性を手渡したようにも見えたが、レースを規定するバランス・オブ・パフォーマンス(BoP)にはどのチームも振り回された。
フェラーリは50年間遠ざかっていたル・マンにフルファクトリーで復帰し、1965年以来10回目の優勝を飾った。この勝利は、間違いなく新型499Pとジェームス・カラドをはじめとするドライバーが苦労して勝ち取ったものである。
しかし、BoP問題が影を落とし、ル・マン後のさらなる調整でWECの残りのシーズン、赤いマシンの本領は封じられた。チームは声を上げることができないが、ハイパーカーを取り巻く期待を損ないかねないか心配である。
ペンスキーが運営するポルシェの新型963は、WECでは脇役に甘んじ、ジョーは先鋭的な9×8からパフォーマンスを引き出すのに苦労し続けた。キャデラックは本国から離れて果敢に戦い、両者を圧倒した。ジム・グリッケンハウスは、自力で資金調達する気骨のあるプライベーターとして最高かつ真のスピリットを発揮した後、胸を張って退場し、大手メーカーに道を譲った。
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