ルサイル・インターナショナル・サーキットを舞台に開催されているF1第23戦カタールGP。11月30日(土)に行なわれた予選セッションでは、レッドブルのマックス・フェルスタッペンがポールポジションを獲得した。RBの角田裕毅は14番手だった。
F1スプリントを終えて実施された決勝グリッドを決める予選セッションは、現地21時からのスタート。気温19度、路面温度22度というコンディションだった。
■角田はギリギリ通過|Q1
トップ15入りを決める18分間のQ1。ピット出口のシグナルがグリーンに変わりセッションが開始されると、ミディアムタイヤを履くメルセデスのジョージ・ラッセルからコースイン。1周のみを走行し、レースでのデグラデーション(性能劣化)低減を狙った“皮むき”を行なった。
ラッセルはその後ユーズドのソフトタイヤに交換。今後に向けた温存策か、上位チームでは同様のタイヤ選択を行なうドライバーも多かった。
そんな中行なわれたQ1最初のアタックでは、隊列の後方で計測を行なったラッセルが1分21秒519でトップに立った。
F1スプリントではソフトタイヤに顕著なデグラデーションの傾向が見られたが、この予選では複数回のアタックでタイムを改善するドライバーも見られた。
Q1後半になると、前半ユーズドを使っていたドライバーも含め各車が新品タイヤに履き替えて再びコース上へ。路面の改善も相まってか、軒並みタイムが改善されていった。そんな中ラッセルは、1分21秒335まで自身のトップタイムを引き上げた。
最終アタックではフェラーリのシャルル・ルクレールが1分21秒278で一時首位に立つも、前戦ラスベガスGPを制して勢いに乗るラッセルが、新品タイヤでのアタック2回目で1分21秒241をマークしてQ1トップ通過を果たした。フェルスタッペンは5番手通過だった。
角田は最終アタックで1分22秒364を記録して、15番手でギリギリ通過。16番手となったウイリアムズのアレクサンダー・アルボンとの差は0.026秒の差だった。なお、角田のチームメイトであるリアム・ローソンは17番手でQ1敗退となった。
ウイリアムズは2台揃ってQ1で姿を消した。アルピーヌはピエール・ガスリーが10番手でQ2に駒を進めた一方で、エステバン・オコンが20番手とチーム内で明暗が分かれた。また予選を得意とするハースのニコ・ヒュルケンベルグも、18番手でここで姿を消した。
■角田はここでノックアウト|Q2
トップ10入りを決める15分間のQ2。ここでも序盤は、上位チームのドライバーの多くがユーズドタイヤでアタックを実施した。
マクラーレンのオスカー・ピアストリは新品タイヤを履いたが、ラッセルはここでもそれを上回る1分21秒161で最初のアタックを終えた。しかしフェルスタッペンはさらにそのラッセルを超える1分21秒085をマークしてトップに立った。フェルスタッペンもユーズドでのアタックだった。
新品タイヤを使用する中団チームには、タイミングをずらして最初の計測を実施するドライバーもいた。そんな中、ウォーミングアップに2周をかけたガスリーが6番手に食い込んだ。
Q2の残り時間が7分を切ると、最初にユーズドを履いたドライバーも新品タイヤに切り替えていった。ここでフェルスタッペンは1分21秒049までタイムを引き上げ、一時ラッセルに奪われたトップの座を奪い返したが、その後ノリスが1分20秒983をマークしてふたりを上回った。
ノリスはQ2を通過するに十分なタイムを記録できたと考えピットイン。チームメイトのピアストリも早々と戻り、ガレージで結果を待った。
最終アタックではフェルスタッペンが1分20秒687をマークしてQ2トップ通過。ノリスは最終的に2番手だった。Q1好調のラッセルはルクレールを挟んで4番手だ。
一方で、ガスリーがトップ10に0.012秒届かずQ2敗退。キック・ザウバーの2台と角田、アストンマーティンのランス・ストロールが共に姿を消した。14番手の角田は10番手まで0.346秒及ばなかった。
■熾烈なポール争いを制したのはフェルスタッペン|Q3
ポールポジションを決める12分間のQ3。レッドブルとマクラーレン、フェラーリ、メルセデスの4チームが2台でQ3に進み、残る2枠をハースのケビン・マグヌッセンとアストンマーティンのフェルナンド・アロンソが掴んだ。
Q3最初の計測では、多くのドライバーが新品タイヤを履き、レッドブルのセルジオ・ペレスとマグヌッセン、アロンソがユーズドタイヤを使用した。
ここでルクレールは1分20秒885をマークしたが、ラッセルが1分20秒575を記録して首位を奪った。そこからタイミングを遅らせてアタックを実施したフェルスタッペンは0.045秒遅れの2番手につけた。
ラッセルやルクレールなどは新品タイヤを追加投入して最終アタックに臨んだ一方、フェルスタッペンはタイヤを交換せず、ピットに戻らぬまま走行を継続。この選択が効いたか、最終的に1分20秒520を叩き出した。これを上回るドライバーはおらず、フェルスタッペンが6月のオーストリアGP以来今季9回目のポールポジションを獲得した。
ラッセルは最終アタックに向かう前のウォームアップラップでフェルスタッペンに詰まったことも関係したか、自己ベストタイムを更新できず2番手止まりとなった。
マクラーレン勢は2列目を独占。その後ろにはメルセデスのルイス・ハミルトンを挟む形でフェラーリ勢も続いた。アロンソはペレスを上回る8番手につけ、マグヌッセンが10番手というトップ10になった。
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