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EV版 次期型フィアット500テスト車 ホンダe/ミニに照準 アバルト版も検討

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EV版 次期型フィアット500テスト車 ホンダe/ミニに照準 アバルト版も検討

もくじ

ー 新型EVのために約850億円を投資
ー 電気自動車版アバルトも構想中
ー ワゴン型の「ジャルディニエラ」も登場
ー 500e競合、ミニ・エレクトリック/ホンダe
ー ディーゼル廃止に向けて電動化を推進

【画像】既に走行中 500eとライバル 全80枚

新型EVのために約850億円を投資

次期型フィアット500の完全電気自動車バージョン「500e」のテスト車両がカリフォルニアで目撃された。

なお次期型フィアット500は2020年のジュネーブ・モーターショーで発表される予定だ。

カモフラージュで覆われたこのテスト車両が姿を現したのは、フィアットが電気自動車のシティカーと、イタリア・ミラフィオリ工場に設けるその生産ラインに、7億ユーロ(約850億円)を投資すると発表してから、わずか1週間後のことだった。フィアットはこの工場で8万台の新型500eを生産する計画を立てている。

新型500eは、既存のガソリン・エンジンを搭載する500と併売されることになる。500はスタイリングと技術面のアップデートを受ける予定だ。

電気自動車版アバルトも構想中

フィアットのオリビエ・フランソワ社長によると、完全新設計となる500eには、EV専用プラットフォームを採用するという。同じプラットフォームは、次期型パンダになると噂されているチェントヴェンティ・コンセプトの市販化モデルにも使われる可能性が高い。新しい500eは、フィアットが欧州で小型の電動シティカーに特化したブランドに変わるための鍵となる製品だ。

「このクルマは紛れもなく、皆さんがよく知っている500以外の何物でもありません。しかしまったく新しいクルマになります」とフランソワは述べた。「その中身は根本的に違います。しかし、その大きさとプロポーションから、すぐに500だと認識されるでしょう」

「しかし、最も大事なことは、この500から、われわれの電動化に向けた道が始まるということです。価格設定がその理由です。現行の500のエントリー・グレードと同じ価格で、電気自動車版の500を販売することができないことは明らかです。しかし、現在のフィアット500のお客様は、半数以上がエントリー・レベルのクルマを買わないだろうということも明らかです。実際、かれらにとって2万4000ユーロ(約290万円)という価格は、今日ではごく普通の金額です」

「われわれのクルマと競合する他社のEVを見れば、3万2000ユーロ(約390万円)前後の価格が付けられています。2万4000ユーロと3万2000ユーロの間は、それほど開きがあるわけではありません。特に政府からの補助金を計算に入れれば、実質的な負担額の差はさらに縮まります」

電気自動車版の500が、オリジナルと同じように後輪駆動になるかどうかについては、フランソワは明らかにしなかった。しかし、そんなアイディアも受け入れたいと語った。また、彼は電気自動車版アバルトも興味深いと述べた。

ワゴン型の「ジャルディニエラ」も登場

500eに採用されるEV専用プラットフォームは、FCAグループで開発したものだ。フランソワは、このプラットフォームを提携を結んだ他社と共有することも、個人的には考えていると述べた。例えば、過去にも500のプラットフォームは、先代フォード・カーと共有していたことがある。しかし、そのような決定はグループ・レベルで行う必要があることを彼は強調した。

フランソワはまた、500のラインアップが拡大し、ワゴン型の500ジャルディニエラが加わることも認めた。しかし、それが来年のジュネーブ・モーターショーで公開されるという発表は今のところない。

500eの発売より先に、今年後半にはマイルドハイブリッドの500が発売になる予定だ。

フィアットの狙いは、シティカー・セグメントにおける同ブランドの優勢を強める(現在500とパンダを合わせると市場の3分の1を占める)と同時に、これらのモデルが排ガス規制に適合するための技術を開発していくことだ。

1960年代の小型ワゴンをオリジナルとする500ジャルディニエラは、クラスで最もスペース効率に優れ、「見間違えようのないデザイン」になるとフィアットは言う。こちらも電気自動車バージョンとマイルドハイブリッドが設定される見込みだ。

500e競合、ミニ・エレクトリック/ホンダe

次期型500の新しいプラットフォームは、マイルドハイブリッド・システムにも対応できる。このシステムには12Vのベルト駆動スターター・ジェネレーターが使われるが、現時点では500に搭載される電動ドライブトレインの詳細は不明だ。現行ユニットよりも排出ガスを減らしたガソリン・エンジンも、500とパンダに導入される。

これらの電気自動車の開発は、「将来に向けて利益を上げられる電気自動車を作る必要があるためと、CO2の目標値を達成することができず罰金を支払う可能性のプレッシャーを確実になくすための両方によるもの」であるとフランソワは認めた。

都市向けのクルマとしてアピールする500eは、車内にバッテリーを搭載するスペースが限られるため、航続距離400kmをうたう日産リーフのようなEVよりも、1度の充電で走れる距離は短くなるだろう。

500eのライバルとなるのは、最近増えつつある小型EVだ。ミニは2019年11月に初の量産EVとなるミニ・エレクトリックの生産を開始する予定であり、ホンダも同時期にホンダeの生産を始める。

ディーゼル廃止に向けて電動化を推進

500eはFCAが開発している4種類の電動パワートレインの1つだ。この「シティカー」パワートレインの上には、「メインストリーム」パワートレインがあり、こちらはまず、ジープ・グランド・コマンダーに採用される。さらに高性能モデル向けの「パフォーマンス」は2020年に登場するマセラティ・アルフィエリに使われ、「プレミアム」EVパワートレインは2022年に次期型マセラティ・クワトロポルテに採用される。

FCAが電動化を推進しているのは、2022年までにディーゼルを廃止するという目標のためでもある。今から3年後には、FCAに属する各ブランドのカタログからディーゼルのオプションが消え、代わりに多くのマイルドハイブリッドやプラグインハイブリッドが用意されるはずだ。同社のプラグインハイブリッドはまず、ジープ・グランド・チェロキーに搭載され、2020年に発売となる予定だ。

プントやティーポなど、いくつかのフィアット車が廃止されることで余裕が生まれる生産能力は、アルファ・ロメオやマセラティの増産に向けられる。これら高価格モデルによる収益が、電動化に必要なコストを支えることになるわけだ。イタリアにあるいくつかの工場ではプラグインハイブリッドの生産も行う。そこで作られるモデルには、グローバルに販売されるジープの車種もいくつか含まれる。

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