6月2日、WRC世界ラリー選手権第6戦『ラリー・イタリア・サルディニア』の競技最終日となるデイ3がイタリアのサルディニア島にて行われ、TOYOTA GAZOO Racingワールドラリーチーム(TGR-WRT)からは3台のトヨタGRヤリス・ラリー1が出走した。
総合首位でデイ3を迎えたセバスチャン・オジエ/ヴァンサン・ランデ組(17号車)は、最後のスペシャルステージ(SS)までポジションをキープ。しかしSS16でスローパンクチャーが発生してペースダウンを喫し、0.2秒差の総合2位でラリーを終えた。
タナクが0.2秒差で逆転。ヒョンデ復帰後初勝利、日曜最速はヌービルに/WRCイタリア最終日
デイ2まで苦戦していた様子のエルフィン・エバンス/スコット・マーティン組(33号車)は、最終日に好調を取り戻して総合4位でフィニッシュし、ドライバーズランキング2位をキープした。そして、トランスミッションのトラブルでデイリタイアとなっていた勝田貴元/アーロン・ジョンストン組(18号車)は、最終日に再出走しパワーステージで5番手、スーパーサンデーを2位で終えて総合35位で完走し、選手権ポイントを獲得している。
ラリー・イタリア サルディニアの最終日は、サービスパークの北西エリアが戦いの舞台となり、2本のステージを各2回走行。その合計距離は39.30kmで週末で最短の一日となった。最終日も天候に恵まれ、海に近いエリアにて目の細かな砂状のグラベル(未舗装路)ステージでの争いが繰り広げられた。
首位で最終日をスタートしたオジエは、総合2番手のオット・タナク(ヒョンデi20 Nラリー1)に17.1秒差をつけていたことから、確実性を重視した走りで3本のステージを走行。6.2秒のリードを保った状態で最終のパワーステージを迎えた。
通常であれば問題なくリードを守り切れるタイム差であったが、オジエはステージ終盤の荒れた路面でタイヤから空気が抜け始めてしまいペースダウン。2番手タイムを刻んだタナクから6.4秒差の6番手タイムを記録し、結果的に0.2秒差で逆転を許してしまったため、総合2位でラリーを終えた。
0.2秒差でのフィニッシュは、WRCの最終結果における最小タイム差であり、偶然にも2011年にオジエが、現チーム代表のヤリ-マティ・ラトバラをヨルダン・ラリーの最終ステージで逆転し、破った時のタイム差と並ぶものとなった。
ラトバラ代表は、「このようなかたちで勝利を逃し、もちろん非常に残念だ」とオジエの悲劇を振り返る。
「サルディニアの最終ステージは、過去にも非常にドラマチックなことがあった。残念ながら、ここで劇的な結末を経験するのは初めてではなく、2019年に当時我々の一員だったオット(・タナク)が、トップを走っていたにも関わらず、今回と同じステージで勝利を失ったことを思い出したよ」
「このラリーはいつも我々に優しくないのだが、セブ(セバスチャン・オジエ)との相性は良かったため、今回はふたたび一緒に勝利を獲得することができると考えていた」
「ただ、唯一ポジティブに思える点は、我々チームにとってポイントへの影響があまり大きくなかったことだろう。このような出来事を受け入れるのは難しいし、自分たちは負けることが大嫌いだが、闘志を失うことは絶対になく、次のポーランドでまた優勝争いに挑むつもりだよ」
2024年シーズン第7戦目となる『ラリー・ポーランド』は、6月27日(木)から6月30日(日)にかけて開催される予定だ。
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みんなのコメント
まあ、勝ったのがタナックで良かった。好きなドライバーだし、ヒョンデでトラブルが起きるのは大抵タナックの車両に起きる場合が多かったので、運が無いなと思ってた。今回は運がタナックに向いてたね。