岡山国際サーキットで開幕を迎えた2024年のスーパーGT。GT500クラスでは今シーズン、4人のドライバーが同クラスデビューを果たし、初の予選アタックに臨んだ。この2024年から“タイム合算方式”の予選フォーマットが採用され、今までとは違う要素があるとはいえ、GT300の予選とはひと味違うGT500予選の感想は、まさに“4者4様”だった。
■三宅淳詞「スーパーフォーミュラでの経験も活かしながら」
「初のGT500予選でしたけど、このフォーマット(タイム合算方式)はテストを含めて3回目なので、ユーズドタイヤでのアタックも含めて、そんなに違和感なく落ち着いてできたかなと思います」
幻のポールが見えた2台の速さ。23号車MOTULのクインタレッリと8号車ARTA松下信治が振り返る予選
そう語るのは、3号車Niterra MOTUL Zの三宅淳詞。今回はユーズドタイヤでのアタックとなるQ2を担当し、同セッションでは5番手となる1分18秒301をマーク。高星明誠のQ1タイムと合わせて2分36秒434となり、14日(日)の決勝は7番グリッドからスタートする。
GT300クラスではタイムアタックの経験は何度もある三宅。ただ、GT500クラスはよりシビアに感じたという。「1周でしっかりとまとめてタイムを出すというところは(GT300と)一緒ですけど、GT500はABS(アンチロック・ブレーキ・システム)もトラクションコントロール(TC)もないので、そこはGT300とは違うプレッシャーというか不安があるのかなと思います。GT300の時はちょっと行き過ぎてもABSが助けてくれます」
「だけど、そのあたりに関してはフォーミュラカーも同じ(ABSとTC非搭載)なので、そんなに違和感なくアタックはできているのかなと思います」と、今季参戦中のスーパーフォーミュラでの経験も活かしながら、アタックをこなしていた。
何よりGT500ルーキーの三宅にとって、心強い存在となっているのが相方であり先輩の高星だ。
「公式テストの時もそうでしたけど、高星さんがしっかりとクルマをアジャストしてくれるので、それで僕はいつも調子が良いなと思います。クルマのアジャストに関してもいつも的確なコメントですし、『タイヤの温め方がこうだよ』『Q1はこうだったから、Q2はこうした方が良いよ』と的確なアドバイスもくださるので、うまくアタックできています」と、かなり頼りにしているという様子だった。
明日は初めての決勝レースとなるが「どちらかというと決勝の方が不安ですね」と三宅。
「GT500の場合は(GT300を)抜いていくという作業がありますから、そういうところでタイムロスしたり、無理やり行って(他車と)当たってしまうとレースが台無しになってしまいます。僕自身、初めてのGT500決勝なので、上位を目指しつつも、まずは完走することを意識して、変な凡ミスはしたくないなと思います」と気を引き締めていた。
■大草りき「『こんなにいけるんだ!』という感じ」
苦笑いしながら「緊張しました」と開口一番に話すのは64号車Modulo CIVIC TYPE R-GTの大草りき。彼は新品タイヤでのアタックとなるQ1を担当し1分18秒495を記録。13番手でQ2担当の伊沢拓也につないだ。
「緊張はしましたけど、公式練習の調子から比べたら何とかまとめられたかなと思います」と大草。「(タイムアタックの)自分の手応えとしてはぼちぼちだったかなと。ただ、僕のふたつ上のクルマまでは僅差だったので、もうちょっとどこかで(タイムを)引き出せたんじゃないのかなと思います」と悔しさもみせていた。
GT300ではポールポジションを獲得したこともあり、ダンロップタイヤの経験も豊富な大草だが、GT500の予選アタックはやはり違うとのこと。「GT500はグリップが高い分、伸び代みたいなものはけっこうあるので、そこは乗っていて楽しいです。知らない領域に入るじゃないですけど『こんなにいけるんだ!』という感じなので、乗っていて気持ちいいです」と語っていた。
同時にわずかなタイミングのズレでも結果に左右するのがGT500の難しいところ。「今回の予選に関しても、(アタックが)もう1周速くても良かったかなと思いますけど、そのあたりがまだ経験不足かなと思います」と大草。
「その時は必死だったので考える余裕はなかったですけど、後から思えば色々と選択肢はあったのかなと思います」と、自身のなかで課題も見つかった様子だった。
日曜の決勝に関しては「初めてのGT500決勝なので、変なミスをしないように頑張っていきたいなと思います」と意気込みを披露していた。
■佐藤蓮「ワンミスで跳ねて飛んでいっちゃう」
16号車ARTA MUGEN CIVIC TYPE R-GTからGT500デビューを果たした佐藤蓮。Q1を担当したが、1分18秒421で11番手となり、上位に食い込むことができなかった。その後のQ2で大津弘樹が4番手タイムを記録し、総合順位では8番手を獲得。上位入賞も狙える位置からスタートとなる。
佐藤に初GT500予選について聞くと「難しかったです!」と開口一番。GT500のシビアさを痛感した1日となったようだ。
「精度をすごく高めないと、ワンミスで跳ねて飛んでいっちゃうような感じがあるので、なかなか難しさはありました。ブレーキングの踏み方が少し違うだけで、同じところ踏んでもすごく止まったり、逆にロックしてしまうことがあるので、そこは難しさなのかなと思います」
またタイムが思うように上がらなかったことに関しては、朝からマシンのセットアップが決まり切っていないところも響いた様だ。
「午前中があまり調子が良くなくて、セットを大幅に変更しての予選だったんですが、クルマのバランスもかなり改善していて、手応えはありました。あとは自分自身、午前中の走行で完熟しきれなかったところもあって、(アタックでは)行ききれなかった部分もありました」
「そこからQ2に向けて自分のコメントからアジャストしてくれて、大津選手がタイムを稼いでくれたので、明日は8番手とポイント圏内からのスタートになります。自分のドライビングで見直す部分はありますけど、悪くはないポジションなのかなと思います」
少なからず反省点があった佐藤の初GT500予選だったものの「とにかく周りの人から『クルマだけはしっかりと持ち帰ってくれ!』と言われていましたし、ちゃんとタイムをまとめるということを目標にしていたので、開幕戦の予選としてはまずまずかなと思います」と、安堵の表情をみせていた。
そして決勝に関しては「予選とは違って決勝は混走になるので、その中で順位を上げていくということになると、経験とか技術も必要になります。そこは今夜しっかりレースオンボード映像で勉強して寝たいと思います」と気合充分の様子だった。
■名取鉄平「チャンスは1周しかない」
24号車リアライズコーポレーション ADVAN Zの名取鉄平はQ1を担当。「アタック自体もけっこう良かったと思います。自分的にはスッキリしたというか、やり切りました」と笑顔を見せていたが、ライバルの先行を許すこととなり、1分18秒484で12番手タイムだった。
「個人的には、今の自分たちが出せる最大限のポテンシャルは発揮できたのかなと思いますけど、全体的に見るとタイヤメーカーが3社いるなかで、BS勢がトップ11を占めている状況で、そこに比べると足りない部分はあるなと思っています。それでも、同じヨコハマタイヤ勢としては19号車と比べても速いので、そこは良かったと思います」と名取。
「今回はタイヤも含めて色々なチャレンジをしているので、今回の内容が富士とか鈴鹿に向けて活きてくるのかなと思います。今回は結果を出すというよりも次に繋げるという意識の方が大きかったので、そういう面では良いものが収穫できたのかなと思いますが、リザルト的にはまだまだだなと思いました」と内容面では納得できる部分はありつつも、悔しさを滲ませていた。
また名取は、GT500のタイヤはピークが1周しかないというところが、GT300と比べても難しい部分だと考えているようだ。
「GT300は全体的に2周アタックができる感じなんですけど、GT500はタイヤのグリップレベルが高い分、落ち幅も大きいです。やっぱりチャンスは1周しかないですね。その1周をミスったら終わりですし、それこそロックアップさせてしまったら、このフォーマットを考えるとその後にかなり影響が出てしまうので、そういう意味でもミスが許されない状況下での予選でした。そこは昨年とは違ったところでした」
決勝についても「まだまだ分からない部分はたくさんありますけど、まずはポイントを獲って次に繋げられたらなと思います。優勝が遠かったとしても、自分たちができる最大限の仕事をしたいなと思います」と冷静に現状を把握している名取。どういった走りをみせるのか、目が離せない。
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