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”挑戦”の気持ちは変わらない。中嶋一貴&小林可夢偉、WECスーパーシーズンを終えた心境語る

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”挑戦”の気持ちは変わらない。中嶋一貴&小林可夢偉、WECスーパーシーズンを終えた心境語る

 2019年ル・マン24時間レースにて、2年連続のワンツーフィニッシュを果たしたTOYOTA GAZOO Racing。トヨタ自動車の東京本社にてシーズン報告会が開かれ、ル・マン連覇とドライバーズタイトル獲得を果たしたトヨタ8号車TS050 HYBRIDの中嶋一貴、2位となった7号車の小林可夢偉が登壇した。

 2018/19年シーズンのFIA世界耐久選手権(WEC)は、ウインターシリーズへの移行期間として、"スーパーシーズン”として争われた。トヨタは、EoT(技術均衡値)による性能調整を受けながらも、プライベーター勢を相手に強さを発揮。トヨタがチームタイトルを獲得し、ドライバーズタイトルは、8号車の中嶋一貴/セバスチャン・ブエミ/フェルナンド・アロンソが獲得している。

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 スーパーシーズンと今年のル・マン24時間レースについて訊かれた中嶋は、「スーパーシーズンという1年半の長いシーズンをしっかりと戦いきることができて、目標としていたチャンピオン獲得を達成できて良かったなと思っています」と語った。

「今年のレース(ル・マン)に関しては、色々と複雑な結果ではあったんですけれど、ワンツーフィニッシュでしっかり戦いきることができました。それも数年前のことを考えれば大きな進歩だと思いますし、来年以降もより良い形でやっていければいいなと思っています」

 一方、トヨタ7号車に乗る小林は、お互いに敬意を持ちながらも、トヨタ8号車と切磋琢磨できたことを誇りに思うと話した。

「ル・マンでは目標であるワンツーフィニッシュを2回獲れました。チームとしてもチャンピオンを獲れたということは、チームのみんなが頑張ったのと同時に、ドライバーがミス無くやりきれたことが結果につながったかなと思います」

「ただ勝負事なので、その中でも『負けた、悔しい』や『勝った、嬉しい』っていう部分は白黒つけなきゃいけないところだと思います。僕たちは悔しい結果に終わったんですけども、僕たちが誇りに思わなきゃいけないのは、1年半を通して良いライバルであり、お互いをリスペクトしながらシーズンを戦えたことです。このスポーツをやっていて、心から良かったと思う瞬間でした」

 今年のル・マン24時間レースは、残り1時間のところまでリードしていたトヨタ7号車がタイヤのパンクにセンサートラブルが重なり後退。代わってトップに浮上したトヨタ8号車がル・マン連覇を達成した。

 フィニッシュ後のインタビューで涙を見せていた中嶋は、「展開的に7号車が勝つべきレースだったと思うので……自分自身もル・マンで何度も悔しい思いをしてます。説明が難しいんですけど、感極まってしまいました」と当時の心境を振り返った。

 まさかの形で優勝を逃す形となった7号車。だが、小林はトヨタのル・マン初制覇を目前にしながら中嶋のドライブするマシンがストップした2016年を例に挙げ、ル・マンの難しさを受け入れるしかないと語った。

「僕たちも2016年を覚えているので、正直なところ『僕たちは”まだ(残り)1時間”だな』という気持ちはありました。最後まで気を抜いてはいけないというル・マンの難しさをすぐ近くで見て理解していました」

「だから偶然かもしれないけど、ル・マンはまだ僕たちに勝たせてくれないんだなと、素直に受け入れるしかないんだと思います」

 来季シーズンのWECは、成績に応じた性能調整が導入されると見られており、トヨタにとってはこれまで以上に厳しい戦いになるだろう。また、2020/21年シーズンからは”ハイパーカー”規定が導入され、すでにアストンマーチンの参入も発表されているなど、新たな時代を迎えることになる。

 中嶋は、挑戦者という気持ちを変えずに、これからもWECを戦っていきたいと意気込んだ。

「どれだけ実績を積み上げても、挑戦者の気持ちは変わらないと思います。まだまだチーム内で改善できるところもあります。例え、来年100%で24時間を戦えたとしても、それを継続していくことが僕たちに課せられた課題です。チャレンジャーという気持ちを忘れずにやっていきたいと思います」

 小林は、この1年半が自身にとっても良い経験になったと噛み締め、今後もたゆまぬ努力を続けていくと誓った。

「今年起こったことは、必然だったのかなと。ハイパーカー規定になって他のメーカーが来てくれて、僕たちがチャレンジをしないと勝てない時が来ると思うんですよね。その時にひとつひとつの経験が活かされると思います」

「チームメイト同士のバトルの方がつらいですし、それだけ精神的に追い込んでいました。スーパーシーズンはレース人生にとってもいろんな挑戦をした1年半でした。勝負をする上で良い経験をさせてもらったなと思うので、ライバルが来た時にこの難しかった1年半をしっかりと活かせるように準備していきたいです」

「これからレースを続けていく上でやり続けていくことが大事だなと感じたので、常に努力をして『自分をどう強くしていくか』を考えていきたいなと思います」

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