メルセデスF1のボスであるトト・ウォルフは、ルイス・ハミルトンとの延長契約について「締結したに等しい」という主張を繰り返した。一方ハミルトンは、2021年に導入されるF1の新レギュレーションの方向性を理解した上で契約期間を決めたいと述べている。
4度の世界チャンピオンであるハミルトンとメルセデスとの間で続いている交渉には、長い時間が費やされている。100ページを超す契約書の、無数にある細目を議論して詰める必要があるためだ。
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ドイツのSport Bild誌によれば、2019年から2021年までの3年契約が締結されると、ハミルトンは年間約6000万ドル(約64億3000万円)という空前の額を手にすることになるという。
ウォルフは「新たな契約は締結したに等しい」と述べて、さらに以下のように続けた。
「双方の考え方は完全に一致している。だが、100ページを超える契約書には、条文ごとに整理すべき多くの点があるのだ。まずそれらの作業をすべて終わらせなければならない」
報道が事実であれば、2021年終了時点で、ハミルトンは新たな契約によって約1億8400万ドル(約197億2100万円)という驚異的な額を稼いでいることになる。だが、元F1ドライバーのゲルハルト・ベルガーはこれをまったく正当な報酬だと考えているようだ。
「もしもルイスを失ったら、メルセデスはフェラーリとレッドブルに続く3番手チームにしかなれなくなるだろう」と、かつてフェラーリやマクラーレンで走った経験を持つベルガーは主張している。
「ハミルトンは現役ドライバーのなかで最速のドライバーだ。彼は状況を変える力を持っている。だからメルセデスは何としてでも彼を確保するべきなのだ」
近いうちにメルセデスとハミルトンの契約延長が正式に発表されるとみられているなか、レッドブルのモータースポーツコンサルタント、ヘルムート・マルコは、双方に緊張状態をもたらそうとしてか、自身の見解として、ハミルトンはある理由があって契約書へのサインを遅らせているのだと主張した。
マルコはSport Bild誌に対して、「トトは(セバスチャン・)ベッテルとマックス(・フェルスタッペン)の獲得を試みたが、いずれにも断られた」と語った。
「当然、このことはルイスの耳に入った。だから彼は自分の値段を吊り上げたのだ」
一方、今週、ハミルトン本人は、契約を正式に結ぶ前に2021年以降のF1新規則の概要を確認したいと示唆した。F1オーナーのリバティ・メディアは、6日、バーレーンにおいてチーム側に新パワーユニット規則などを含めた将来のプランについて説明する予定となっている。
「F1は興味深い時期を迎えようとしている。それが(契約期間の)長さなどを決める上で影響を及ぼすかもしれないし、及ぼさないかもしれない」とハミルトンが語ったとロイターが報じた。
「次の契約は、僕のキャリアにおいて最も重要なものになると思う。いつまでF1で走るのか、その期間についての決断がますます大事になってきている。僕はキャリアの後半にいるわけだからね」
「F1に何が起こるのか、興味深い。今、僕はF1の世界にいるので、どういう状況になるのかを知りたいと思っている。まだ正式にサインをしたわけではないから、(プランの発表は)とてもいいタイミングで行われるといえるだろう」
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