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同士討ちの原因を調査/「リスペクトがない」/ブレーキの不安は解消 etc.【スパ24時間 決勝後Topics】

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同士討ちの原因を調査/「リスペクトがない」/ブレーキの不安は解消 etc.【スパ24時間 決勝後Topics】

 6月29日(木)から7月2日(日)までの4日間にわたってベルギーのスパ・フランコルシャン・サーキットで開催された『クラウドストライク・スパ24時間レース』が幕を閉じた。トタルエナジーズに代わる新しいタイトルスポンサーが付いた2023年大会では、既報のとおりローヴェ・レーシングの98号車BMW M4 GT3が総合優勝を果たした。

 ここではファナテック・GTワールドチャレンジ・ヨーロッパ(GTWCヨーロッパ)とIGTCインターコンチネンタルGTチャレンジの“シーズンハイライト”として行われた今戦の決勝後トピックスをお届けする。

“替え玉”不正が映像で発覚。運転時間違反の回避行為に罰金314万円が科せられる/スパ24時間

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***ローヴェ・レーシングはBMWにとって25回目の総合優勝を飾った。BMWはマニュファクチャラー別勝利数ランキングで首位につけており、同2位ポルシェの8勝を大きく引き離している。

***モータースポーツ・コンペテンス・グループが運営し、ローヴェ・モーターオイルが支援するローヴェ・レーシングは、今回の優勝でチームとして3勝目をマーク。ヴァイタフォン・レーシングと並び、このイベントのGTレース時代にもっとも成功を収めたチームとなった。

***ニック・イェロリーとマルコ・ウィットマンがスパ初優勝を果たし、フィリップ・エングは2016年と2018年の優勝に続き3度目の勝利の美酒を味わった。このオーストリア人ドライバーは、Z4、M6、M4という3つの異なるモデルのBMW GT3マシンでスパ24時間を制したことになる。

***エングはまた、ハンス・ハイヤー、ロベルト・ラバーリア、ミハエル・バルテルスらに続いて、同レースで3勝を挙げた8人目のドライバーとなった。

***レースはBMWが制したが、5つの異なるクラスでもっとも優れた総合成績を収めたメーカーに贈られる“クープ・デュ・ロワ”はアウディスポーツはが獲得した。アウディチームは、ブロンズカップを除くすべてのカテゴリーで表彰台を獲得している。

***アウディスポーツのカスタマーレース責任者であるクリス・ラインケは、次のように述べた。「このファーストクラスのチームリザルトに対して、私たちのカスタマーに感謝したい。2014年、2015年、2016年に続く4度目の受賞は、各クラスで異なる採点時間での個人成績が良かったからに他ならない」

***BMW MモータースポーツとチームWRT、ローヴェ・レーシングは、12時間目にケメルストレートで発生したシャルル・ウィーツとニール・バーハーゲンの事故について、さらなる調査を行うと発表した。

***このアクシデントは、フルコースイエロー(FCY)に備えて減速を開始したウィーツの32号車BMW M4 GT3の後部に、ローヴェのドライバーであるバーハーゲン駆る998号車BMW M4 GT3が追突したことが原因であった。ローヴェチームの声明によると、バーハーゲンはイエローピリオドの正確な開始時間について異なる情報を受け取っていたという。

***WRTのチーム代表であるヴァンサン・ボッセは、優勝候補の一角を占めていた32号車が「レース指示の混乱によって引き起こされたアクシデントによってレースから除外された」と述べた。彼は「このレベルの競争では受け入れがたいことであり、分析しなければならないことだ」と付け加えた。

■「レースペースがなかった」フェラーリ296 GT3

***レースを2位で終えたアコーディスASPチームのジュール・グーノンは、レース中のさまざまな場面で接触があったにもかかわらず、レースコントロールからペナルティを受けなかった一部のドライバーたちの“リスペクトの欠如”を非難した。

***88号車メルセデスAMG GT3をドライブしたグーノンはSportscar365に対して次のように語った。「レース終盤、総合表彰台を争っているときに、5周遅れの別のクラスのクルマが(コーナーで)ドアを閉めてきて接触した。彼らが何を期待していたのかわからなかった。レースディレクターがなぜこのような(行為に対して)厳しい態度をとらなかったのか理解できない」

***ASPの姉妹車87号車はチームWRTの30号車BMW M4 GT3と接触し、残り8時間半でリタイアとなった。マキシミリアン・ゲーツはスピンからリカバリーしたが、接触によってラジエーターにダメージを受けていた。アコーディスASPチームは、ブロンズカップにエントリーしていたもう一台のメルセデスAMG GT3もエンジントラブルによってリタイアを喫している。

***アウディのステアリングを握ったニッキー・ティームは「とても楽しかった」と3位争いを振り返った。「正直なところ、ここに来てすべてのアウディを打ち負かせたのは良かったよ」とシェラー・スポーツPHXのドライバー。「準備なしでもとても楽しめたよ。アウディで最後に走ったのは10年近く前だった。そのとき(フェニックス・レーシングから参戦したとき)も3位だったね」

***アテンプト・レーシンが運営するアウディスポーツ・トレゾア・オレンジ1のエントリーは、レース後半にトラックリミット違反による30秒のペナルティを受けた。その結果、優勝争いに加わっていた40号車アウディR8 LMSエボIIは優勝車から93秒遅れの7位に終わった。

***AFコルセの71号車フェラーリ296 GT3は1周遅れの11位で初めてのスパ24時間を終えた。予選2番手を記録していた姉妹車の51号車は、燃料ポンプのトラブルでリタイアとなっている。

**AFコルセのチームマネージャーを務めるベルナルド・セラは、「予選のパフォーマンスはかなり良かったが、レース中のペースがなかったのはは明らかだ」と振り返った。

■BoP設定チームを称賛

***ティム・ハイネマンは、ブロンズカップ・クラスで優勝した20号車ポルシェ911 GT3 R(フーバー・モータースポーツ)を駆り、今大会のファステストラップとなる2分17秒087を記録した。このタイムはGT3レースでの新ラップレコードとなっている。

***オプティマム・モータースポーツは、2度のドラマから立ち直り、ゴールドカップでクラス優勝を果たした。ひとつはFCYの直前にピットイン。もうひとつはトラックリミット違反での30秒ペナルティだった。

***トム・ギャンブル、デーン・マクドナルド、サム・デ・ハーンとともにゴールドカップを制したチャーリー・ファグは、オプティマムが「リードラップに戻ろうと夜通し努力し続けた」とSportscar365に語った。イギリス人ドライバーは、「(5号車マクラーレン720S GT3エボの)ペースは素晴らしく、戦略的にもうまくいった」と述べた。

***マッドパンダ・モータースポーツのエセキエル・コンパンク代表によると、90号車メルセデスAMG GT3はグラベルトラップの石がクルマのラジエーターに穴を開け、水漏れを引き起こしたため約30分を失ったという。

***GRTグラッサー・レーシング・チームは、クレメンス・シュミッド/ベンジャミン・ヒテス/グレン・バン・ベルロのトリオでシルバーカップを制し、スパ24時間レースでクラス初優勝を飾った。

***グラッサーの快挙とは対照的に、アイアン・リンクスとK-PAXレーシングの2台はトラブルに見舞われたため、今大会でのランボルギーニ車による初めてのスパ24時間総合優勝の夢は絶たれた。チーム代表のアンドレア・ピッチーニによれば、アイアン・リンクスはブレーキキャリパーの問題に悩まされたいい、スタートから6時間後にリタイアとなった。

***ランボルギーニ・チームは、ブレーキパッドとディスクを交換せずに6時間のポール・リカール1000kmを走りきることができなかったマシンが複数あったため、スパ24時間を前にブレーキサプライヤーを変更した。K-PAXチーム代表のダレン・ロウは、スパではブレーキの摩耗がかなり改善されたと報告。「(無交換で)走りきることができたかもしれない。ブレーキはたくさん残っていたし、その問題は解決した」と語った。

***アイアン・リンクスは出場した3台全車がリタイアという厳しい結果に終わったが、ピッチーニはBoP(バランス・オブ・パフォーマンス=性能調整)を高く評価している。「今回のBoPは本当によくできていた」と彼はSportscar365に語った。「すべてのクルマがそこにいたのだから、SROとクロード(・スルモン/SROテクニカルディレクター)には、彼らがいい仕事をしたと言わなければならない」

***開幕戦モンツァ、前戦ポール・リカールに続く今季3戦目となったスパは、GTWCヨーロッパ・エンデュランスカップでは、予選と決勝の間にBoP調整が行われない初めてのラウンドとなった。

■2022年を上回る観客動員を記録

***IGTCのマニュファクチャラーズ・ランキングはBMWが100ポイントで首位に立ち、ディフェンディング・チャンピオンのメルセデスAMGが91ポイントで2位、ポルシェが57ポイントで3位となっている。

***来季2024年にニュルブルクリンク24時間がシリーズに加わることがアナウンスされたIGTCは、次戦インディアナポリス8時間で30回目のレースが行われる。7年前に創設された同シリーズは、2016年にバサーストでスタートし現在までに29レースが開催されている。

***土曜日のフォーミュラ・リージョナル・ヨーロッパ選手権のレース中、ディラーノ・ファン・ト・ホフが事故死したことを受け、スパ24時間のスタート前に1分間の黙祷が捧げられた。これに関連して、今大会で予定されていたスタート前のセレモニーイベントはすべて中止された。

***SROモータースポーツ・グループは土曜日に声明を発表し、18歳の若さで旅立ったオランダ人ドライバーの遺族に哀悼の意を捧げている。「クラウドストライク・スパ24時間レース関係者一同は、フォーミュラ・リージョナル・ヨーロッパ・バイ・アルピーヌのドライバー、ディラーノ・ファン・ト・ホフが今朝のレース中の事故で命を落としたというニュースに打ちのめされています。彼の家族、友人、MPモータースポーツに深い哀悼の意を表します」

***SROが発表した4日間(6月29日~7月2日)の観客動員数は8万3677人。これは7月下旬に開催された昨年の7万3000人を上回るものだった。

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