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【シボレー カマロ】エンジンだけで欲しくなる! これぞアメリカンマッスル!

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【シボレー カマロ】エンジンだけで欲しくなる! これぞアメリカンマッスル!

新車試乗レポート [2023.03.22 UP]


【シボレー カマロ】エンジンだけで欲しくなる! これぞアメリカンマッスル!
文●工藤貴宏 写真●澤田和久、内藤敬仁

シボレー カマロを試乗インプレ!アメ車のイメージ覆す走りの進化とは

 振る舞いは豪快で暴力的。まるで猛獣のよう。

 シボレー・カマロの刺激は、乗る前の予想を大幅に超えるものだった。カマロと言えばアメリカのスポーツクーペで、初代登場が1967年というからもう半世紀以上の歴史を持つモデル。排気量が3.8Lから7.0Lというエンジンを積んだ初代から始まり、どの世代も比較的手ごろなプライスのスポーツクーペだということは知っている。だけれど、個人的には「スポーツカー」とか「激しいクルマ」という印象はあまりなかったのが正直なところだ。


力強さを主張したデザインはアメリカが大好きなマッスルカーそのもの

カマロ クーペSS
 おそらくそれは、はじめて運転したカマロが4代目(1993年~2002年)のV6モデルであり、それに強い刺激を感じられなかったからだと思う。当時のカマロは車体もサスペンションも緩く、キビキビと動く90年代後半の国産や欧州のスポーツカーにくらべると乗り味も雰囲気もなんとも牧歌的な雰囲気だった。正直に告白すると、そのカマロにはまるで魅力を感じなかったのだ。

 カマロはそんな4代目が生産を終えた後、7年のブランクを置いて5代目へつながった。おそらく、多くのアメリカ人の多くも4代目カマロには惹かれなかったのだろう。販売を中断していた7年のブランクは、低迷しつつあったカマロのブランドを起動修正することに費やされたに違いない。そして、復活した5代目は、映画「トランスフォーマー」の活躍でも認知度を高めることとなり、北米において人気モデルとなった。カマロは蘇ったのだ。

 人気を取り戻した大きな理由は、デザイン。4代目のデザインは流麗で未来を感じさせるものではあったが、アメリカ人がカマロに求めているのはそこではなかった。求めているのは、5代目がそうであると同時に、初代や2代目もそうだった力強く野性味あふれる雰囲気なのだ。5代目のデザインは「原点回帰」であり、だからこそ人気を博したのだ。なんだかんだと言っても、見た目なのだ。

 最新となる6代目も、雰囲気はそんな5代目の延長線上だ。スマートさよりも力強さを優先したデザインで、それはアメリカ人男性が求めるマッチョさと見事に合致している。リヤフェンダーやCピラーの処理を見ると先代との車体設計的な関連を感じさせるが、車体サイズは全長が55mm、全幅で15mmマイナスと小さくなり、ホイールベースも45mm短くなっているので車体自体は別モノ。実際のところ、5代目ではライバルのフォード「マスタング」に比べて洗練されているとは言い難かったハンドリングをはじめとする乗り味も、6代目では大きく進化を果たしている。


日本仕様は2種類のクーペとコンバーチモデルを用意

カマロ クーペSS
 そんな現行世代のカマロで、日本に正規導入されている仕様は3タイプ。「クーペ LT RS」「コンバーチブル」そして「クーペSS」だ。

 「クーペ LT RS」の注目すべきポイントは、カマロ初となる4気筒エンジンを搭載しているってこと。排気量はわずか2000ccだ。といっても単なる非力なエンジンなんてことはなく、ターボの助けを借りることで275psのハイパワーと400Nmのトルクを生み出すのでパフォーマンスは十分。日本で所有することを考えると、毎年の自動車税が安く済むのは購入のハードルを大きく下げてくれる、強いメリットである。

 「コンバーチブル」は同じエンジンを搭載しつつ、ルーフを電動開閉式としたタイプ。「クルマはやっぱりオープンカー!」という人のための仕様だ。日本でオープンカーというと縁遠い乗り物と感じる人もいるかもしれないが、その解放感と移動の楽しさは一度味わうと病みつきになることはお伝えしておこう。


エンジンだけで「買い!」と思える6.2L V8エンジン

カマロ クーペSS
 いっぽうで今回試乗したのは、日本向けとしてはシリーズ最高峰となる「クーペSS」。その魅力は、とにもかくにも心臓だ。V8自然吸気エンジンの排気量はなんと泣く子も黙る6168cc。伝統的なOHVと聞けば「古いエンジン」と思いうかもしれないが、直噴で可変バルブタイミング機構までついた今どきのエンジンだから安心していい。ちなみにエンジン搭載位置を下げられると同時に、極限状態でもオイル供給が可能なドライサンプを採用している本格スポーツユニットだ。同じ排気量で最新のコルベットに積む「LT2」エンジンにくらべるとひと世代前の設計だが、「先代コルベットに積んでいた」といえばその実力がイメージできるだろう。最高出力は453ps。最大トルクは617Nmだ。

 大排気量すぎて自動車税額(11万1000円)を考えたら冷静な判断力で決断するのは難しいけれど、正直なところ「クーペSS」は、このエンジンだけで買いだ。

 漲る躍動感は、アクセルを踏むまでもなく、クルマが動き始める前から周囲に強く放たれる。太く響く排気音に、時おり加わる不整脈の効果もあってアイドリングしているだけで野性味を主張してくるのだ。いや、主張しすぎていて、暴れ馬をなだめるかのごとく「どうどうどう」となでながら声を掛けたくなるほどだ。

 走らないうちからそんな調子だからして、ひとたびアクセル踏み込めば、まさに猛獣。エンジン回転と同時に怒涛のパワーが解き放たれてクルマをワープさせるのに加え、排気音が獣の雄叫びのように響き渡って気分が上がる。高回転で炸裂するパワーも相まって、ドライバーは全周囲から強い刺激に包まれることとなる。


カマロ クーペSS
 さらに走行モードをサーキット走行に最適化した「トラック」にいれると、本能が目を覚ます。「気軽に触るとケガするよ」とでも言うかのように、手加減なしでただただ暴力的なクルマになる。その力強さの主張と言ったら、国産車では真似のできない領域だ。

 ハンドリングは軽快とはいかないが、安心感と安定感がしっかり備わっている。ここ10年ほどでGMのシャシー能力は大きく向上しているが、その影響がカマロにもしっかりでている。欧州のスポーツカーと比べてもそん色ないレベルである。

 驚いたのは、想像以上にずっと快適性も高いことだ。たしかに刺激は強いけれど、それはアクセルを踏み込んでからの話。アクセルを踏み込まない日常シーンでいえば、乗り心地もよく同乗者も快適に乗れる。こんな野性味あふれる高性能スポーツカーでも、心地よさがしっかりと備わっていることに驚いた。長距離のクルマ移動が多いアメリカのクルマだなと実感する美点だ。

 V8エンジンと言えば、欧州車では滑らかさや振動の少なさを求めてのプレミアムな色合いが濃い。しかし、カマロのV8はぜんぜんそんな大人の味付けではなく、野蛮なまでに荒々しい。牙を持ったエネルギッシュなスポーツカーであること、それがアメリカンマッスルカーならではの魅力である。


まとめ
 アメリカの燃費規制は現時点ではまだ欧州や日本よりも緩く、だからハイブリッド化とならずガソリンをたれ流せるカマロV8のようなモデルが続けられているのだ。しかし、そんな状況もいつまで続くかはわからない。

 つまり、こんなカマロが買えなくなる日がいつ訪れるかはわからない状況だ。だからこそ、今、乗れるうちに買っておく価値があるのではないだろうか。


シボレー カマロ公式HP

https://www.chevroletjapan.com/camaro

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みんなのコメント

4件
  • やっぱり大排気量V8は良いよね。

    以前、クライスラーのV8 HEMIを所有してましたが、街乗りはそれなりだけど、高速巡行はトルクが太いからアイドリング αなので、燃費は意外と良い。

    記事にもある通り自動車税と、オイルやプラグ等消耗品の量も多いので、ランニングコストがネック。

    絶滅寸前、乗れるのは今が最後かも。
    買える人は是非乗って欲しい。
  • いらね
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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