もくじ
ーはじめに
なぜSUVが世界で人気なのか 「売れるから」以外の「事情」とは?
ー意匠と技術
★★★★★★★★☆☆
ー内装
★★★★★★★★★☆
ー走り
★★★★★☆☆☆☆☆
ー使い勝手
★★★★★★★★★☆
ー乗り味
★★★★★★★★★☆
ー購入と維持
★★★★★★★☆☆☆
ースペック
ー結論
★★★★★★★☆☆☆
はじめに
ランドローバーでは「ミドサイズ」と呼ぶが、それはコンパクトなイヴォークと十分に大きいレンジローバー・スポーツとの間に存在する、明らかな空白を埋めるモデルであることを意味する。
ヴェラールのキャラクターを、一方でわれわれは以前に「低脂肪レンジローバー」と表現した。
われわれのたとえは、単にヴェラールのサイズを指したものではない。レンジローバーのフルサイズモデルとは異なり、この第4のラインナップはゲイドンのSUVに対するアプローチが全面的に踏襲されたものではないのだ。
というのも、ベースそのものがほかとは異なるのである。
アルミを多用したそのプラットフォームは、ジャガーがXEやXFで用いているもの。つまりF-PACEと近いわけだが、それより£10,000(142万円)ほど高価だ。
ベースモデルでも当然ながら四輪駆動で、ランドローバー独自のテレイン・レスポンス・システムも標準装備。だが、エンジンは4気筒。サスペンションはコイルスプリング式で、車高はレンジローバーとしては低い状態のままだ。
それでも、イヴォーク以上に頑強なメカニズムだが、ヴェラールの方がモダンで、ずっと高価なクロスオーバーっぽい。オフロード能力第一というランドローバーの常道からすれば、正反対といわれそうなクルマだ。
ヴェラールの背景にある、ゲイドンの通例を離れたフィロソフィを探るのも、今回のロードテストの目的である。初めに行っておくと、その真実を知ることは不可能に近い。
ヴェラールは、わりあい経済的なインジニウム・エンジンを積み、エントリーレベルの価格はレンジ・スポーツより£15,000(213万円)ほど低いクルマ、ということになる。
それ以上の要素を考えなければ、これらの事実は2011年のイヴォークがそうだったように、あらたな購入者の熱狂を巻き起こすに違いない。その注目度が、実際に目的に適う価値があるのかを知ることが、もうひとつの目的だ。
▶ 意匠と技術 ▶ 内装 ▶ 走り ▶ 使い勝手 ▶ 乗り味 ▶ 購入と維持 ▶ スペック ▶ 結論
▶ はじめに ▶ 内装 ▶ 走り ▶ 使い勝手 ▶ 乗り味 ▶ 購入と維持 ▶ スペック ▶ 結論
意匠と技術 ★★★★★★★★☆☆
試乗車はHSEグレードだが、これは多くの購入者にとって、モーターショーの展示車輛に近いものを欲した場合に追加装備を検討すべき必要性が最も少ない仕様といえる。
ホイールは、数年前なら途方もなく大きく見えたであろう21インチだが、コンセプトカーを思わせるヴェラールのルックスにはぴったりだ。
自動車メーカーは、アイデンティティやデザイン言語について語りたがるが、ヴェラールはレンジローバーがラインナップをさらにどれほどダイナミックにするのかという点で、究極の、そして最も成功した表現だといえる。
現時点では、もはや頂点を極めたようにさえ思える。今後登場するレンジローバーの各モデルは、あらたなガイドラインの導入が必要になってくるだろう。
ボディの下を検分すると、これはレンジローバーのラインナップをまったくもってロジカルに拡張したものだとわかる。イヴォークよりはごついが、スポーツや真正レンジほどではない。
簡単に紹介すると、大部分がアルミニウムのモノコックはジャガーF-PACEと基本を共有し、エンジンはフロントに縦置き。ZF製8段ATを介して、もちろん四輪を駆動する。
このドライブトレインもジャガーと共通で、後輪駆動をベースに、ギアボックスに必要な時のみ前輪へパワーを配分するクラッチが据えつけられている。
「レンジローバー」を名乗るだけあって、そこにはライトなオフローダーに必要な水準を大きく上回るものがある。
ローレンジは備わらないが、地上高やアプローチとデパーチャーのアングル、渡河深度はかなりのもので、とりわけオプションのエアサスペンション装着車はそれが際立つ。どれもレンジローバーの上位モデルには敵わないが、同じクラスであればこれに勝るものはない。
逆に、上位モデルにはないのが、ジャガー・ランドローバー(JLR)自慢の「インジニウム」直4ディーゼル。
240ps/51.0kg-mというスペックは、2.0ℓとしては大したものだ。しかし、2089kgという車輛重量には十分ではないことは、すぐにわかるだろう。
▶ はじめに ▶ 内装 ▶ 走り ▶ 使い勝手 ▶ 乗り味 ▶ 購入と維持 ▶ スペック ▶ 結論
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内装 ★★★★★★★★★☆
外観を見て、ヴェラールをコンセプトカーのようだと思うかもしれないが、それは内装も同じだ。
先述したように、これはレンジローバーのほかモデルから自然に、そしてロジカルに発展したものだが、その結果として生まれたインテリアは、英国車の工場から送り出されるそれとしては最も衝撃的な部類のものとなった。
試乗車に装備されていたアイテムのうち、HSEグレードでオプションとなるのは£930(13万円)のヘッドアップディスプレイと、£2,225(32万円)の後席エンターテインメントくらい。それらは、装着しなくても何ら問題ないギミックだ。
それ以外に取りつけられた多数のディスプレイを見れば、割高に感じることはないだろう。計器盤はフルデジタルで、センターコンソールにはタッチパネルが2面。解像度も機能性も、JLRのほかモデルより格段の進歩を遂げている。
ただし、気になる点もある。
外観を見て、ヴェラールをコンセプトカーのようだと思うかもしれないが、それは内装も同じだ。
先述したように、これはレンジローバーのほかモデルから自然に、そしてロジカルに発展したものだが、その結果として生まれたインテリアは、英国車の工場から送り出されるそれとしては最も衝撃的な部類のものとなった。
試乗車に装備されていたアイテムのうち、HSEグレードでオプションとなるのは£930(13万円)のヘッドアップディスプレイと、£2,225(32万円)の後席エンターテインメントくらい。それらは、装着しなくても何ら問題ないギミックだ。
それ以外に取りつけられた多数のディスプレイを見れば、割高に感じることはないだろう。計器盤はフルデジタルで、センターコンソールにはタッチパネルが2面。解像度も機能性も、JLRのほかモデルより格段の進歩を遂げている。
ただし、気になる点もある。
また、小物入れなどの収納スペースが多く、たいていの対バル車より荷室も広い。その分、後席のレッグスペースはクラス最高とはいかないが、前後に成人が座るのに十分なレベル。よほど脚が長くなければ、これ以上の余裕が欲しいとは思わないのではないだろうか。
▶ はじめに ▶ 意匠と技術 ▶ 走り ▶ 使い勝手 ▶ 乗り味 ▶ 購入と維持 ▶ スペック ▶ 結論
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走り ★★★★★☆☆☆☆☆
£64,000(911万円)の値札を掲げるレンジローバー・ブランドのモデルに、4気筒ディーゼルは居場所を見出せるのか。それを探ることは、上位モデルより安価で経済的なレンジローバーに、注目を集めるなりの価値があるのかという、冒頭の問いへの答えを求めることでもある。
ランドローバーの名誉のために言えば、この類のエンジンを積みながら価格が£50,000(712万円)を超える高級SUVは、ヴェラールが最初ではない。
そして将来的には、高級車における搭載比率が上がっていくことが予想される。しかし現時点で、このエンジンが、ヴェラールを差別化するうえで真に貢献できているのだろうか。
その答えを口にするのは気が重い。インジニウム・ディーゼルの高出力版は、どうにか及第点を与えられるのだが、そうでない仕様はまったくもって力不足なのだ。
240ps版のキャビンは、F-PACEのそれより静かで、振動も少ない。むろん、これは4気筒ディーゼルで、本質的にはスムースさも静粛性も6気筒ディーゼルに敵わない。
しかし、概ね洗練性は高く、冷間時や高回転時にはやや音が大きいが、乗員の会話を妨げるほどではない。
残念なのは、パフォーマンスの絶対的なレベル。同価格帯のライバル車と比べれば、明らかにプアなのだ。
様々な走行モードやトランスミッションのセッティングを試したが、0-97km/hはいつもの往復平均値で9.3秒がいいところ。これは、ランドローバーの公称値に対して2.5秒ものビハインドである。
さらに、2年前に計測したアウディQ7の3.0 TDIにも大きな差をつけられている。今どきの新型車で、重要な性能の数値がここまで公式データに届かないのは、かなりのレアケースだ。
高級SUVの購買層が、このヴェラールにずば抜けた速さを求めてはいないであろうことは当然ながら予測できるが、エンジンとトランスミッションがやや活発さに欠け、レスポンスが遅いことに、たとえドライビングに集中していなくても気づかされるのは、果たして許容できるだろうか。
キックダウンするようなときもパワートレインはスムースだが、予期した以上に動き出しまでのタイムラグがあるのだ。また、4気筒ディーゼルにしては回るエンジンだが、追い越しや牽引、ライトなオフロード走行などで期待される、力強くたたきつけるようなトルク感とは無縁だ。
燃費については、このヴェラールD240の大きな強みだ。実走での計測では17.1km/ℓをマークしたが、2トンもあるSUVとしては馬鹿にできない数字といえる。
ただし、これにはそれなりに落ち着いた走りをすることが必要だ。もっとも、ヴェラールのエンジンとギアボックスは、元気よく走るよりおとなしく運転した時の方がいい感触を得られる。
テストコース
比較的不活発な方向転換のレスポンスと大きめのロールは、何十年にもわたるレンジローバーの走りの典型的な特徴だが、それはヴェラールでも、ハードに走ると現れる。
ゲイドンはそれなしにクルマを作ることもできただろうが、それではおそらくレンジローバーらしくないものになっただろう。
それでもヴェラールは、ボディの動きをより大型のモデルより抑えており、素晴らしくバランスの取れたシャシーは、コーナーでずっと頼れるものとなっている。
それにより、ドライバーズカーらしさは増し、実際より車高は低く、車重は軽く、レンジ・スポーツより自由度の高いSUVに感じられる。
ダイナミックモードでは、さらに正確さや安定性が高まり、高速走行でも十分以上なレベルとなる。
グリップ限界に差し掛かると、勢いよくコーナーに入ってもトルク・ベクタリング・システムがラインをしっかりキープし、マッド&スノー仕様のタイヤでもドライ路面を驚くほど捉えてくれる。
エンジンはT6へ駆け上がるのに苦戦し、思ったより低いギアへ落とす必要がある。
ヴェラールの旋回性はよく、T2へのターンインも決めやすいが、コーナー中盤では優れたバランスを見せる。
エアサスペンションはT1でのトランスミッションの振動をうまく吸収し、グリップとスタビリティを維持する。
発進加速
テストトラック条件:多湿路面/気温19℃
0-402m発進加速:17.1秒(到達速度:134.1km/h)
0-1000m発進加速:31.2秒(到達速度:171.4km/h)
ボルボXC90 D5(2015)
テストトラック条件:ウエット路面/気温13℃
0-402m発進加速:16.3秒(到達速度:137.4km/h)
0-1000m発進加速:30.0秒(到達速度:174.6km/h)
制動距離
テスト条件:多湿路面/気温19℃
97-0km/h制動時間:3.82秒
ボルボXC90 D5(2015)
テスト条件:ウエット路面/気温13℃
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使い勝手 ★★★★★★★★★☆
ヴェラールにはJLRの最新マルチメディアシステムが装備される。それは、もはやライバルに見劣りしないものだ。そのキーとなるのは直観性である。独特な部分もあるが、慣れてしまえばメルセデス・ベンツ並みに使いやすい。
2面あるディスプレイのうち、下の方は位置が低すぎるようにも思えるが、少なくとも使用頻度は高くなく、エアコンやシートヒーターの温度調節、走行モードの変更などはふたつの実体ダイヤルでも操作できるので、不自由はない。
しかし白眉は、タッチパネルであるにもかかわらず、ステアリングホイールのスイッチでも操作できること。
たとえば、左側の円形パネルの縁をゆっくり指でなぞると、オーディオの音量調整ができるが、その中央部を押すとパネルのグラフィックが変わり、計器盤に表示された各機能をスクロールできるようになる。
手はステアリングホイールから、視線は路上から外さずに、運転しながらすべてが操作できるのだ。
視界
ほぼ全方位ともエクセレント。ただし、アルミシャシーはBピラーが太いもので、ジャンクションで周囲の確認をする際には妨げとなる。
燈火類
SEグレード以上では、アダプティブマトリックスLEDヘッドライトが装備される。今回のテストでは、それを試す機会はなかった。
ステアリングとペダル
ペダルは大きく、配置は良好で、左側には適切なサイズのフットレストが設置される。ステアリング位置の調整は電動式で、前後/上下とも調整幅は非常に広い。
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乗り味 ★★★★★★★★★☆
試乗車の重量は、ハンドリングや運動性にかなりの影響を与えているが、目端が利くドライバーであれば、そのことはこのクルマのレゾン・デートルにかかわるのだとたやすく納得できるはずだ。
レンジローバーがオンロードでの走りを引き上げたければ、間違いなくほとんどのオーナーが必要としないであろう重いオフローダー用のハードウェアを捨てればいいのだから。
これがオフローダーと呼ぶにふさわしいかは別にして、1841kgからと謳うこのヴェラールが、ほぼフル装備状態の試乗車では2トン以上あると知ったなら、そうすればよかったのにと思うかもしれない。
パフォーマンスの低さはともかく、運転に安心感があるのはありがたい。ヴェラールは、その乗り心地もハンドリングも、まさにモダンなレンジローバーそのもの。
軽快で、クッションが効き、静かで、しかしどうにか路面を感じ取れ、ボディの動きのコントロールは常に一定して控えめだ。
標準装備のマッド&スノー・オフロード・タイヤでさえ、正確で機敏なステアリングと、強力でバランスの取れたグリップレベルを見せる。ひと口に言えば、乗り心地もハンドリングも非常に良い。
ただし、今回の試乗車はエアスプリング仕様なので、金属スプリング仕様も同様であるかは、改めてテストしなければ判断できないところだ。
オプションのアダプティブサスペンションは、うれしいことに運動性能の幅を広げてくれる。
コンフォートモードでは、市街地での速度域においては大きな入力もうまく処理し、そのフィールは実にラグジュアリー。A級道路やそれより路面の悪いB級道路では、オートモードにしておけば快適性とボディコントロールのベストなコンビネーションを見せる。
ダイナミックモードで荒れた舗装を走ると、上屋がゆすられたり、ボディに振動が出たりすることもあるが、ハンドリングのレスポンスやボディコントロールが明らかに改善されるのもこのモード。
車体の重量をうまく抑え、快い切れ味を感じさせ、ペースを上げた時に恩恵を受けられる。エアサスペンション仕様では、ノイジーさやうつろさは見いだせない。
▶ はじめに ▶ 意匠と技術 ▶ 内装 ▶ 走り ▶ 使い勝手 ▶ 購入と維持 ▶ スペック ▶ 結論
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購入と維持 ★★★★★★★☆☆☆
ヴェラールが比較的高価なクルマであることは、驚くに値しないだろう。
いわゆるレンジローバーが、英国の場合£76,000(1082万円)、スポーツが£60,000(854万円)、イヴォークが£30,000(427万円)ほどからという価格設定に組み込まれるものとして、£44,000(626万円)からというのはゲイドン的にみて完璧な値付けだといえる。
それは、支払い時にツイードを着た肩をすくめてみせるような典型的なレンジローバーのオーナーにとっても同じことだ。
ヴェラールは、あらたな購買層を他社との競争から自陣へ取り込む第4の柱でもあるのだが、それにはちょっとばかり苦戦しそう。
今回のHSEグレードの価格は£64,160(913万円)からで、これはアウディQ7の3.0 TDIを積むSラインより£7,755(110万円)、メルセデスベンツGLE350dのAMGラインより£5,740(82万円)高い設定だ。
ポルシェ・カイエンSディーゼルなら8気筒を積み、パフォーマンスも少なくとも倍ほど強力で、インテリアの質感やブランドバリューも損なうことはないが、£1,335(19万円)の追い金で手に入る。
ただしランドローバーは、このビジネスの成功を手堅いと感じていることだろう。高額な設定のイヴォークも、プライスがセールスを大きく妨げることはなかった。
ひとびとが最もコンパクトなレンジローバーに£55,000(783万円)支払えるのであれば、ミドサイズのモデルに£70,000(996万円)用意してくれると期待するのも、あながち夢物語ではないだろう、というわけだ。
したがって、このクルマがお得かどうかという質問の答えは怪しいものとなってくる。ベースグレードでは、ナビゲーションシステムや電動テールゲートは装備されない。
しかしながら、180ps版の2.0ℓディーゼルユニットならば、CO2排出量は142g/kmと、ハイブリッドシステムを持たない重量級SUVとしては高効率だ。
価値の推移
ヴェラールの高価格は、残価予測の強みで相殺される。アウディQ7のそれよりいくらかのマージンがありそうだ。
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スペックで学ぶ レンジローバー・ヴェラール
レイアウト
アルミ主体のプラットフォームは、ジャガーのF-PACEと共用する、XEやXFとの関連性が高いもの。エンジンはフロント縦置きで四輪を駆動するが、より上位のモデルとは異なり、適切なセンターデフやリヤのロッキングデフ、ローレンジなどは用意されない。
4気筒モデルでは、アダプティブダンパーとコイルスプリングが標準装備で、車高調整式エア・サスペンションはオプション。
エンジン
駆動方式:フロント縦置き四輪駆動
形式:直列4気筒1999cc
ブロック/ヘッド:アルミニウム
ボア×ストローク:φ83.0×92.4mm
圧縮比:15.5:1
バルブ配置:4バルブDOHC
最高出力:240ps/4000rpm
最大トルク:51.0kg-m/1500rpm
許容回転数:4800rpm
馬力荷重比:131ps/トン
トルク荷重比:27.7kg-m/トン
エンジン比出力:121ps/ℓ
シャシー/ボディ
構造:アルミニウム/スチール/マグネシウムモノコック
車両重量:1841kg/2089kg(実測)
抗力係数:-
ホイール:(前)8.0Jx21/(後)8.0Jx21
タイヤ:(前)265/45 R21/(後)265/45 R21
コンチネンタル・コンチ・クロス・コンタクトLX Sport M+S
スペアタイヤ:フルサイズ(オプション)
変速機
形式:8速オートマティック
ギア比/1000rpm時車速〈km/h〉
(1)4.71/5.9(2)3.14/8.9(3)2.11/13.3
(4)1.67/16.8(5)1.29/21.7(6)1.00/28.0
(7)0.84/33.3(8)0.67/41.8
最終減速比:3.23
燃料消費率
AUTOCAR実測値:消費率
総平均:5.6km/ℓ
ツーリング:17.1km/ℓ
動力性能計測時:5.6km/ℓ
メーカー公表値:消費率
市街地:13.9km/ℓ
郊外:19.6km/ℓ
混合:17.6km/ℓ
燃料タンク容量:60ℓ
現実的な航続距離:713km
CO2排出量:154g/km
サスペンション
前:ダブルウィッシュボーン/エアスプリング/スタビライザー
後:マルチリンク/エアスプリング/スタビライザー
ステアリング
形式:ラック&ピニオン(電動アシスト)
ロック・トゥ・ロック:2.6回転
最小回転直径:11.6m
ブレーキ
前:φ325mm通気冷却式ディスク
後:φ325mm通気冷却式ディスク
静粛性
アイドリング:-
3速最高回転時:-
3速48km/h走行時:-
3速80km/h走行時:-
3速113km/h走行時:-
安全装備
ABS/EBD/HBA/ETC/DSC/HDC/RSC/CBC
Euro N CAP:-
乗員保護性能:成人-%/子供-%
歩行者保護性能:-%
安全補助装置性能:-%
発進加速
実測車速mph(km/h)秒
30(48) 3.1
40(64) 4.8
50(80) 6.8
60(97) 9.3
70(113) 12.1
80(129) 15.9
90(145) 20.4
100(161) 27.4
110(177) –
120(193) –
130(209) –
140(225) –
150(241) –
160(257) –
170(274) –
180(290) –
中間加速〈秒〉
中間加速mph(km/h)2速3速4速5速6速7速8速
20-40(32-64) 2.9 3.6 – – – – –
30-50(48-80) – 3.7 4.2 5.5 – – – 40-60(64-97) – 4.3 4.8 5.5 7.7 10.6 22.1
50-70(80-113) – – 5.4 6.3 7.6 10.1 15.7
60-80(97-129) – – – 7.3 8.3 10.9 13.7/td>
70-90(113-145) – – – 8.4 9.6 12.2 –
80-100(129-161) – – – 11.4 14.6 – –
90-110(145-177) – – – – – – –
100-120(161-193) – – – – – – –
110-130(177-209) – – – – – – –
120-140(193-225) – – – – – – –
130-150(209-241) – – – – – – –
140-160(193-257) – – – – – – –
150-170(241-274) – – – – – – –
各ギアの最高速
1速 47km/h 4800rpm
2速 69km/h 4800rpm
3速 103km/h 4800rpm
4速 129km/h 4800pm
5速 167km/h 4800rpm
6速 216km/h 4800rpm
7速 217km/h 4053rpm
8速 217km/h 3232rpm
▶ はじめに ▶ 意匠と技術 ▶ 内装 ▶ 走り ▶ 乗り味 ▶ 購入と維持 ▶ 結論
▶ はじめに ▶ 意匠と技術 ▶ 内装 ▶ 走り ▶ 乗り味 ▶ 購入と維持 ▶ スペック
結論 ★★★★★★★☆☆☆
「スタイリッシュかつ先進的で、完成されている。ただし、よりよいパワートレインが必要だ」
スタイリッシュかつ先進的で、完成されている。ただし、よりよいパワートレインが必要だ。
レンジローバー・ヴェラールを深く知ることは、希望と失望の双方を引き起こしたが、このテストはやりがいのあるものだった。
批評家たちはおそらく、外見だけのレンジローバーだとけなすだろうが、それはちょっとばかり皮肉っぽい見方だ。少なくとも、今回のロードテストでは、そうした批判が正しくはないことを明らかにした。
仕上げやフィールはラグジュアリーで、技術的な洗練性と完成された乗り心地やハンドリングはプレミアムブランドのミディアム級SUVに求められる優秀さに達している。
プロポーションも、ライバルたちに太刀打ちできるものだ。それらは、高い値付けもなんとか正当化できるといったところだが、このクルマのやり方が気に入ったならば、十分に納得できるだろう。
しかし、やはり納得しかねる部分もある。ベースグレードでさえ割高な価格が、その5割増しにもなるHSEグレードを選ぶくらいなら、より上位のエンジンを選んだ方がいい。
D240のエンジンとトランスミッションは、公称値と実際のパフォーマンスのレベルに開きがありすぎる。これは、われわれが納得する高級SUVのくくりに入れられるものではない。
担当テスターのアドバイス
ニック・カケット個人的には、二段重ねのタッチパネルは好きだ。しかし、プレイステーションやウインドウズで育った世代でさえ、負担に感じることもあるだろう。
マット・ソーンダース下側のタッチパネルについてはいろいろと指摘したが、ボタンだらけのコントロールパネルほど煩わしいものではないと思う。情報を見るより操作パネルとしての役割が主となるのだから、低い位置にあっても問題はない。
オプション追加のアドバイス
SやSEといった下位グレードと比べると、HSEの装備の充実ぶりは申し分ない。
それでも、試乗車を見ると£5,630(80万円)相当ものオプションを追加する余地があるとわかるが、その中で選ぶ価値がありそうなのは、£1,140(16万円)のエアサスペンションと、£350(5万円)のフルサイズスペアタイヤくらいのものだ。
改善してほしいポイント
・キャビンの反射を抑えてほしい
・加速性能を高めてほしい
・価格を下げてほしい
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