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自然吸気5.5L V8を新開発 シボレー・コルベット Z06へ試乗 680psの豪快な加速力

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自然吸気5.5L V8を新開発 シボレー・コルベット Z06へ試乗 680psの豪快な加速力

自然吸気の5.5L V8エンジンを新開発

先代のC7型シボレー・コルベット Z06に搭載されていたのは、スーパーチャージャーで過給された、プッシュロッドのスモールブロックV8エンジンだった。しかしミドシップ化された現行のC8型には、違う心臓をシボレーは与えている。

【画像】新型V8搭載 シボレー・コルベット Z06 サーキット・フォーカスなモデルは他にも 全129枚

サーキットに焦点が向けられた最新のコルベット Z06へ搭載されるのは、新開発の5.5L V型8気筒自然吸気ユニット。フラットプレーン・クランクとツインカム・ヘッドを与え、680psもの最高出力を絞り出す。

このご時世に、大排気量の内燃エンジンを新しく開発している。しかも、自然吸気なのだ。現在のシボレーは挑戦を好むらしい。

ほかにも通常のコルベットから多くの変更が加えられているが、Z06の性格を決定づけているのが、このV8エンジン。アイドリング時からレーシングカーのように騒々しく、8500rpmまで鋭く吹け上がる。フェラーリのようなサウンドも響かせる。

自然吸気ということで、低回転域のトルクは若干細い。だが、扱いにくいと感じることはない。トランスミッションは通常のC8型コルベットと同じ、8速デュアルクラッチ・オートマティック。ドライブモードに応じて、変速マナーが変化する。

一層ハードコアなZ07パッケージも

4000rpmを超えた辺りからパワーが高まり、モニター式のメーターパネルに描かれるレブカウンターの針がレッドゾーンへ触れるまで、その勢いは増す一方。コルベットはスーパーカーなのだと、訴えかける凄みがある。

シボレーによれば、0-97km/h加速を2.9秒でこなすという。実際の豪快な加速力を味わうと、好条件時の数字ではないように思えるほど。

コルベット Z06には2種類のボディが用意される。1つは、取外し可能な大きなルーフパネルを備えたタルガ・スタイルのクーペで、他方はリトラクタブル・ハードトップを備えた45kg重いコンバーチブルだ。ボディのねじり剛性は変わらないという。

コンバーチブルの場合はガラス製のエンジンカバーではなく、ボディと同色のデッキパネルで覆われる。外からV8ユニットの勇姿を眺めることはできない。

一層ハードコアな、Z07パッケージも用意される。Z06は通常のコルベット比で30%スプリングレートが高いが、さらにサスペンションは引き締められる。カーボンセラミック・ブレーキとミシュラン・パイロットスポーツ・カップ2も装備される。

オプションとして、最大で330kgのダウンフォースを得られるエアロパッケージも選べる。大きくそびえるリアウイングが特徴だろう。1本5kg軽量なカーボンファイバー製ホイールも、追加費用で選択できる。

硬すぎない乗り心地 クイックなステアリング

実際に運転してみると、コルベット Z06は確かに乗り心地が硬いものの、硬すぎない。試乗コースはミシガン州の一般道だったが、開発時にも走り込まれた区間だという。過去に、カモフラージュされたプロトタイプが目撃された場所でもある。

穏やかなツアー・モードなら、公道での利用にまったく不満は感じない。スポーツ・モードでも、我慢を強いられる乗り心地ではなかった。

ステアリングのレシオはクックで、タイトなカーブや交差点以外では、手首をひねれば済む。ステアリングホイールがほぼ四角といえるカタチで、リムの上下が滑りやすいカーボン製だから丁度いい。

操作に対する反応はダイレクト。サーキットで走らせることは叶わなかったが、高負荷時を想定されたステアリング・チューニングだと感じた。

公道では、太いタイヤの限界を超えることはほぼ不可能。試乗車はマイルドなパイロットスポーツ4Sを履いていたが、乾燥したアメリカのアスファルトでは甚大なグリップ力を発揮していた。

コルベット Z06の場合、車重の61%がリアアクスルに掛かっている。コーナリング中にアクセルペダルを緩めると、積極的にラインが内側へ絞られていく挙動から、それを実感する。

そもそも、一般道ではアンダーステアへ持ち込むこと自体が難しい。過敏だったり、気難しい様子もない。限界領域が非常に高く、あるポイントを過ぎると突然手に負えなくなるのでは、とも思った。

日常的な速度でも堪能できるV8サウンド

C8型コルベットの車内は、スポーツカーの基準としては広々。サーキット・フォーカスの特別仕様としては例外的に、Z06は音振面での妥協も小さい。

ドライブモードによって、アダプティブダンパーやエンジンのマッピング、エグゾーストノート、ステアリングフィールなどが変化するが、Z06ではブレーキペダルの感触も変えられる。ペダルの重さと踏み応えを、ドライバーが選べるのだ。

ここまで速いコルベットに、硬いブレーキペダルを求めるドライバーは少ないと思うけれど。最高速度は313km/hとなっている。

V8エンジンが放つサウンドは、日常的な速度域でも堪能できる。欧州の厳しい騒音規制はクリアできないだろう。最もうるさいモードでは、サイレンサーをバイパスしているように聞こえるほど。

コルベット Z06の北米価格は10万9295ドル(約1606万円)からと、能力を考えればバーゲンプライスといっていい。Z07パッケージなどを追加したコンバーチブルでも、15万ドル(約2205万円)は超えない。

北米なら、ベーシックなポルシェ911より若干高い程度で済む。同時に人気も高く、市場調整と呼ばれる大幅なプレミアムをディーラーが上乗せすることは確実だ。

最後に、英国人にとっては残念なことを1つ。シボレーは、欧州市場へコルベット Z06を導入する計画を立てていないのだ。

シボレー・コルベット Z06(北米仕様)のスペック

英国価格:10万9295ドル(約1606万円)
全長:4630mm(標準コルベット)
全幅:1933mm(標準コルベット)
全高:1235mm(標準コルベット)
最高速度:313km/h
0-100km/h加速:2.9秒
燃費:−
CO2排出量:−
車両重量:1561kg
パワートレイン:V型8気筒5463cc自然吸気
使用燃料:ガソリン
最高出力:680ps/8400rpm
最大トルク:63.4kg-m/6300rpm
ギアボックス:8速デュアルクラッチ・オートマティック

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みんなのコメント

12件
  • 凄いね。
    この厳しい規制でもここまでのパフォーマンス。
    車重も軽いし公道走らすには怖いぐらいのスペック。
  • 円高の頃はこういうのが激安でしたね。
    米国って元々車が安く買えるからいい。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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