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【試乗】新型Eクラスは「伝統とデジタルの架け橋」がテーマ! オーストリアで乗ったら「MB.OS」の賢さに感激!!

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【試乗】新型Eクラスは「伝統とデジタルの架け橋」がテーマ! オーストリアで乗ったら「MB.OS」の賢さに感激!!

 この記事をまとめると

■モータージャーナリストの清水和夫さんが新型メルセデス・ベンツEクラスに試乗

セダン&ステーションワゴンのよさはこのクルマを見ればわかる! ミディアムクラスのベンチマーク「メルセデス・ベンツEクラス」の魅力とは

■インフォテイメントがより高機能になったMB.OSを初搭載している

■まるでスターウォーズに出てくる宇宙船のようなデジタル化されたコクピットには驚きを隠せない

 MB.0S初搭載でインフォテイメント機能が大幅向上

 新型Eクラスの国際試乗会に参加するため、なが~いフライト(14時間)を満喫しながら、オーストリアのウイーンまで飛んだ。

 オープンニングのプレゼン資料に書かれている「伝統とデジタルの架け橋」というメッセージが印象的だったが、そう、今回の新型はパワートレインは現行CクラスやSクラスと変わらないが、MB.OS(メルセデス・オペレーション・システム)が初めて搭載され、インフォテイメントがより高機能となっている。たとえば、カーナビや音声認識がクラウドと繋がるとき、そのスピードが非常に高まり、走行中の使い勝手が増している。

■モデルラインアップと新技術

 今回試乗したモデルはガソリン2リッターのE 200とディーゼルのE 220 d、さらにPHEVのE 300 e(日本ではE 350 e)4MATICの3モデルだが、いずれもセダンタイプだった。試乗はできなかったが、Eクラスのステーションワゴンも展示され、将来はクロスオーバーSUVのオールテレインもラインアップされそうだ。

 技術的なトピックは冒頭に述べたように、MB.OSに尽きる。GPU設計に特化した半導体メーカーで知られるNVIDIAとコラボして開発したMB.OSが初めて搭載され、将来はソフトウェアのアップデートで機能がどんどん進化する。このMB.OSの基本構造はADAS(運転支援)、パワートレイン、ボディコントロール、インフォテイメントの4つのブロックに分類されるが、今回はインフォテイメントの領域のみが実装されている。

 走りに影響するところでは、SとCクラスで採用されているFRプラットフォーム「MRA-2」がEクラスにも採用されたことで、操縦安定性や乗り心地が大幅に進化しているし、パワートレインはISG(インテグレーテッド・スターター・ジェネレーター)が搭載された。

 従来のEクラスは一世代前のBSG(ベルト・スターター・ジェネレーター)なので、より洗練されたパワートレインだ。もちろんISGには48Vのサブ電源が備わる。

 全面が液晶化されたインパネによる圧倒的未来感

■コクピットは宇宙船のようだ

 MB.OSを搭載したことで、見えるところで変わったのが、デジタルコクピットだ。まるでスターウォーズに出てくる宇宙船のようなデジタル化されたコクピットは、その日の気分で模様替えできる。まるでTVのチャンネルを変えるような感覚だ。音声認識は日本語訛の英語でもよく反応し、カーナビの目的地検索はおどろほど速い。とにかく「Mercedes.OS」のポテンシャルは素晴らしいが、2025年頃に発表される次期型BEVからフルにMB.OSが搭載されるらしい。

 試乗したモデルはいずれもセダンだが、メルセデスはセダンこそが、高級車の原点だと考えている。なかでもEクラスはミドルクラスとして70年の歴史があり、Sクラスよりも長い。中継地点に用意された戦後のミドルクラスのモデルはW170。このモデルは旧式ディーゼルだ。

 当時のガソリンエンジンに機械式直噴が使われたことから、そのドイツ語の頭文字「E」が使われたので、この時代のメルセデスがEクラスの1代目となる。今回は初代から数えて11代目とのこと。

 このストーリーからもメルセデスにとってEクラスがどれほど重要なのか理解できる。

■安全・快適がメルセデスのコア・バリュー

 欧州では2035年にエンジン車禁止という方針が最近になって撤回されたことで、エンジンの進化は止まらない。今回の新型Eクラスでも、ガソリンターボ、ディーゼルターボ、プラグインハイブリッドとエンジンの品揃えは豊富だ。

 E 200はベースモデルであるが、前後エア・サスペンションのおかげで乗り心地は素晴らしいく、軽快に快適に走ることができた。48VとISGのおかげで、気づかないうちにエンジンが停止し、アクセルペダルを踏み込むと自然にエンジンは息を吹き返す。クルマが止まるとエンジンは停止するが、走りだしはモーターでタイヤを駆動し、エンジンはあとから自然に始動する。

 個人的にはE 220 dのディーゼルが気になる。オーストリアに来る前に、現行E 220 dで東京と京都(丹後市)を無給油で往復した。総走行距離1260kmで消費した燃料は62リットルで、燃費は20km/L。ほとんど高速走行だが、ACCは120km/h区間も含めてADASも使いやすい。にもかかわらず、フルモデルチェンジするメルセデスはいいクルマを作るという製品への執念が人一倍強いと思った。

 新型E 220 dは旧型と同じエンジンだが、ADASが進化していた。欧州では規制速度を認識する技術が義務化するなかで、ACCを使うと、郊外から街なかまで規制速度にアダプトする。速度が90-70-50-30と変化するリアルな交通環境では、自動的にACCが対応する。カメラで標識を読むだけはなく、地図に仕込まれているデータと連携するようだ。

 長距離を走る人にはやはりディーゼルだが、本格的な電動モデルを求めるなら、自宅で充電できるプラグイン・ハイブリットE 300 eも良さそうだ。新型のPHEVはEV走行が100kmと長いから、都内で使う人はスタンドいらず。だが、日本では電気代もガソリン代も高騰しているので、どっちがお得なのか、ChatGPTに聞いてみるのもいいかもしれない。私なら迷わずE 220 dの4MATICを買う。

 伝統的なメルセデスの良さとデジタル化による新価値が融合する新型Eクラスは、あらためてセダンの価値を再発見した気分だ。

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