現在位置: carview! > ニュース > ニューモデル > マセラティ・グレカーレ 詳細データテスト 運転を楽しめる駆動系 サスはソフトすぎる もう少し安く

ここから本文です

マセラティ・グレカーレ 詳細データテスト 運転を楽しめる駆動系 サスはソフトすぎる もう少し安く

掲載 2
マセラティ・グレカーレ 詳細データテスト 運転を楽しめる駆動系 サスはソフトすぎる もう少し安く

はじめに

PSAとFCAが合併してステランティスとなった際、同じ傘下であまりにも多いブランドが生き残るのは難しいと思われた。しかし、10年かけて各ブランドはそれぞれの価値を証明し、今のところ廃止の判断は下されていない。

【画像】写真で見るマセラティ・グレカーレとライバル 全17枚

すでに大きな動きを見せているブランドもあるが、ランチアはいくつかのコンセプトカーを提示したものの、市販車はまだ出てきていない。DSについては、着飾ったシトロエン以上になったと納得できるものではない。

驚くほど早いうちから動きを見せたのはマセラティだ。新開発ながら喜ばしいくらいオールドスクールなスーパーカーのMC20も、4座クーペのグラントゥーリズモも、近いうちに電動バージョンが量産化される。それでも、ビジネス面でもっと重要なモデルは、今回取り上げるグレカーレだ。

おそらく、兄弟車ほど目新しいものではない。ベースになるジョルジオ・プラットフォームは、アルファ・ロメオのジュリアやステルヴィオで定評のあるメカニズムだ。そして、将来的には存続の可能性が薄いと思われているコンポーネンツでもある。

同時に、身内での厳しい争いも勃発した。グレカーレは最低でも6万3970ポンド(約1164万円)、V6のトロフェオは10万2480ポンド(約1865万円)もする。これで、ステルヴィオの外装を変えただけのクルマだったら納得できないところだ。検証していこう。

意匠と技術 ★★★★★★★☆☆☆

グレカーレのプラットフォームは、ステルヴィオよりホイールベースが83mm延長され、全長は172mm長くなっている。ポルシェ・間感やBMW X3、ジャガーFペイスといったライバルよりも大柄だ。

また、さまざまな電動化対応策も講じられている。4気筒仕様はマイルドタイプながらもハイブリッドで、荷室の床下にはバッテリーが設置できるようになった。近いうちに追加されるフォルゴーレは、イタリア語で雷を意味する名を持つEV仕様だ。キャビンの床下には150kWhのフラットなバッテリーを積むが、セルはT字型に配置され、ドライビングポジションの低さが維持される。

トロフェオのV6ツインターボも、ステルヴィオとの大きな相違点だ。アルファの2.9Lユニットとは異なり、MC20で導入された3.0Lのネットゥーノユニットを積む。気筒休止機構も備えるグレカーレ用のそれは、ドライサンプのMC20用に対しウェットサンプに変更された。最高出力は630psから530psにデチューンされているが、それでも十分パワフルだ。発生回転数は、7500rpmから6500rpmに引き下げられている。

エンジン搭載車はすべて、おなじみのZF製8速ATを積み、後輪偏重の4WDとなっている。トロフェオ専用アイテムとして、リアには電子制御LSDを採用。4気筒仕様は、機械式LSDかオープンデフを使用する。

内装 ★★★★★★★☆☆☆

インテリアには、ひとつ重大な疑問がある。これほどラグジュアリーなSUVのオーナーが、頻繁に手を触れる部分がフィアット500のように安価なクルマと部品共用しているのを気にしないのだろうか。ドアオープナーのボタンもそう。ペダルやコラムレバーはアルファ・ロメオと同じものだ。マルチメディア用画面は、これもフィアット500と同じ。シフトポジションボタンはフィアットのものそのままではないが、似たところを感じさせ、満足感はやや低いかもしれない。

どのパーツも安っぽいわけではないし、ベントレーだってアウディのコラムレバーを使っていたりする。とはいえ、グレカーレのオーナーならフィアット500をセカンドカーにしているかもしれないし、であれば共用部品をもっとうまくわからないようにできなかったのかと思うかもしれない。

ありがたいのは、グレカーレにはそれ以上に魅力的な部分が多いことだ。インテリアのデザインは控えめで見栄えがよく、マテリアルは最高級。ソフトなレザーを数種類組み合わせ、きれいなステッチが入り、リアルな金属パーツも使用している。

興味深い独創的なタッチも見られる。ツヤのあるカーボンは、高級車には場違いに思えるかもしれないが、テスト車はざらついた手触りのマットカーボンを用いていて、ウッドに代わる素材としても魅力的だ。

マセラティは、ダッシュボード上部に設置されたクラシックなアナログ時計も再解釈。クラシックな時計だけでなく、他の機能や情報も表示できる円形ディスプレイとなった。

これは2020年代のマセラティで、最新テクノロジーを多数盛り込まれている。現代的なフルデジタルメーターもそのひとつで、鮮明で操作しやすく、まずまずのカスタム性もある。もっとも、とくに印象的というほどではない。

二次的な操作系もデジタル化が進み、メインのインフォテインメントディスプレイの下にサブ画面を設置。空調やエアサスペンションの車高調整、ライトや駐車センサーなどを操作できる。アウディ的なデバイスで機能性は上々だが、メーター同様にマセラティらしいものではない。

グレカーレのキャッチフレーズは日常的な特別。530psあろうとなかろうと、基本的には日常使いできるファミリーカーであり、その点ではみごとなクルマだ。シフトセレクターボタンの採用で、センターコンソールにはスペースが生まれ、小物入れやドリンクホルダーに不足はない。

ライバルより長いボディは、室内スペースにも有利だ。後席は身長180cmの乗員も快適に過ごせて、ヘッドルームもまずまずあり、レッグルームはライバル以上。フロントシート下への足入れ性もいい。

ラゲッジも必要十分。積載容量が最大となるのはV6トロフェオで、ハイブリッドに対して、48Vバッテリーがないぶん、35L大きい。

走り ★★★★★★★★★☆

マセラティの発表では、ネットゥーノV6は100%マセラティ製だとされているが、アルファ・ロメオのV6との関連性は明白だ。エンジンルームの眺めはかなり似たもので、プラスティックのカバーはまったく同じだ。

ネットゥーノの存在理由は、マセラティがよりハイパワーでドライサンプとしたMC20用ユニットを必要としたことにある。

530psのグレカーレ用ユニットは、ステルヴィオより20psほどパワフルで、0−97km/hタイムは0.4秒短縮している。この3.6秒という記録は、4秒前後だったBMW X4MやジャガーFペイスSVRをしのぎ、メルセデスAMG GLC63Sにもコンマ1秒勝っている。最高速度はメルセデスのような250km/hリミッターがないので、アウトバーンの速度域までハードな加速が続く。

テスト当日は路面の濡れたところがわずかに残っていたが、それでも0−100km/hは公称タイムの3.8秒を達成。完全なドライコンディションならもう少し速かったはずだ。

それでも、スタートに関しては、われわれが経験した最高レベルには及ばない。ステルヴィオと違って、63.2kg-mのトルクが解き放たれる3000rpm程度をキープするローンチコントロールを備えるが、発進時にはソフトで減衰の足りないサスペンションにより、リアが浮く感じがあるのだ。さらに、荷重の足りないフロントがトラクションを得るのに苦戦し、同時にサスペンションが予期しないような跳ね方をするので、飛び出すというより飛び降りるような発進となってしまう。

その後は、ステルヴィオと同じクロス気味のギアを次々と使って加速する。路上で見せるトランスミッションのみごとな仕事ぶりは、グレカーレを魅力的なクルマにする。2速で英国内の制限速度をすべて破るような多くのポルシェと違って、2速でレブリミットに当て、97km/h手前で3速に入れることも可能だ。

このギアボックスは、麗しき金属製パドルを使う理由ももたらしてくれる。出来のいいDCTならもう少し早く歯切れのいい変速をするかもしれないが、BMW Mモデルのように、ZF製8速ATのシフトはかなりクイックで、毎日乗るクルマに重要なスムースさとドライバビリティもトップレベルにある。

同時に、ネットゥーノのキャラクターには、アルファV6と似たものも感じる。ターボへの依存度が高いので、怒涛の加速を得るまでには過給圧を十分上げるために多少回転を高めなくてはならない。そのため、ギアを固定した中間加速は、最初のうちがややスローだ。

ターボユニットなので、エキゾーストがそれほど静かではなく、吸気音よりも耳に入ってくる。ガラガラとかすれ気味だが、回転が上がるとなめらかになる。エキサイティングでよく回るエンジンだが、いい音とは言い難い。高性能V6にはよくあるタイプだ。

使い勝手 ★★★★★★★☆☆☆

インフォテインメント

独自のロゴやセッティングがいくつかあるのを除けば、マルチメディアシステムのUコネクトは、フィアットやジープ、アルファ・ロメオと同じものだ。

ある意味、それはよくない話だ。というのも、BMWやジャガーのシステムと異なり、ブランドアイデンティティが本当に反映されてはいない。フォントはまさにフィアットのそれだ。

いっぽうで、これは完全に好ましいインターフェイスで、全体的にロジカル。作動はスムースだ。

ボルボやルノーのシステム同様に、ベースとなっているのはAndroidオートモーティブだが、ルックスからそれとは悟らせない。スタンダードなナビゲーションシステムにGoogleマップを使わないUコネクトは、落ち度のあるシステムとなっている。代わりに使うトムトムのモジュールははるかに劣るものだ。

Apple CarPlayとAndroid Autoのワイヤレス接続は備わり、統合はかなりうまくいっている。

テスト車は2300ポンド(約42万円)のソナス・ファベール製21スピーカーHiFiシステムを搭載。調整はかなり効き、音もいいが、群を抜くほどではない。

燈火類

トロフェオにはマトリックスLEDヘッドライトが備わる。パワフルだが、アダプティブ機能が適切ではなく、ほかのクルマを眩惑させてしまいがちだった。

ステアリングとペダル

ステアリングコラムはオフセットしているが、気づかないほどわずかだ。ペダルはステルヴィオと同じく効果的なレイアウトで、間隔が十分に空いている。

操舵/安定性 ★★★★★★★☆☆☆

もしツインターボV6がハイパフォーマンスSUVへの期待に応えるものだとしたら、トロフェオにサスペンションはその反対だ。エントリーグレードのGTを除くすべてのグレカーレは、エアサスペンションとアダプティブダンパーを備える。

もっとも、このクラスでは特別なことではなく、ポルシェ・マカンGTSやメルセデスAMG GLC63も同様だ。しかし、マカン乗り心地が張り詰めているのに対して、グレカーレはもっとリラックスしたものとなっている。

コンフォート寄りのモードでは、徹底してソフトで、最初のうちは乗り心地に高級感を感じる。しかし、本当に高級と言えるほどふんわりしたものではない。というのも、サスペンションには抑えと密度に欠けているからだ。ややダンピングが足りず、必要以上にボディが動いてしまう。ある程度のバンプや路面の穴を踏んでもフラットに走れる反面、入力が大きいとヘッドトスが出たり、衝撃が入ってきたりする。

この手の背が高いクルマで、乗り心地やハンドリングをうまく仕立てるのは難しい。それを考えれば、グレカーレはこのクラスとしてはかなり衝撃吸収の効いた乗り心地だ。とはいえ、やや困惑させられるところがある。

走行モードをハードなほうに切り替えれば、サスペンションは硬くなり、ボディコントロールもタイトになることを期待するだろう。ある程度はそうなのだが、まとまりのない感じは払拭できない。フェラーリのように、すべてのモードがプログレッシブにアグレッシブさを増し、個別調整できるモードはないが、ダンパーだけはソフトにすることができる。

スポーツモードであっても、コーナーへ飛び込むとサスペンションは初期のボディの動きを多く生む。自信を持って飛ばせるようになるまでには、かなりの慣れが必要だ。理想的なことをいうなら、ベストなボディコントロールを得るにはコルサモードを選びたくなる。ところが、それではESCがオフになってしまう。そこは不要に思える。

そこまでしても、レスポンスには遅れがあり、コーナーの脱出でパワーをかけると、リアが沈もうとしてフロント内輪が跳ねてしまう。

シャシーのそのほかの部分が、このクルマを思いがけないほど直感的にしてくれるだけに残念だ。ステアリングは速くて軽く、イタリア車らしいもの。低速では軽すぎるというテスターもいたが、速度と荷重がますほどに手応えは重くなり、正確にグリップレベルを見極めさせてくれる。レシオはクイックだが、切れすぎたり神経質に感じさせられたりすることはない。

マカンやGLC63とは異なり、4WDシステムは冗談みたいにリア寄りで、電子制御デフがおもしろいくらいすばらしいシャシーにしてくれる。スタビリティ系システムがオンでも、トロフェオはコーナーへ飛び込み、痛快なまでに自分を中心に回るような感覚を味わえる。

快適性/静粛性 ★★★★★★★★☆☆

トロフェオは、単に並外れて乗り心地が柔らかいパフォーマンスSUVであるだけでなく、エグゾーストノートが大きいモードでなければ静粛性も高い。113km/h巡航での室内騒音は66dBAで、これまでテストしたあらゆるライバルより静かだ。295幅のリアタイヤを履くクルマとして、これはみごとなことだ。

しかもシートはガチガチのバケットではなく、通常のスポーツシート。調整機構はすべて電動で、ヒーターのほかにオプションでベンチレーションも用意されるので、長距離ドライブも苦ではない。はじめて乗ると、操作系に対して高く座らされることに気づく。これはステルヴィオにも言えることだが、すぐに慣れるところも同じだ。

テスト車に装備されていたアダプティブクルーズコントロールはオプションだが、機能面は上々。ただし、制限速度認識はあまり頼りにならない。奇妙なことに、車線維持アシストはボタンひとつでオフにでき、再始動時もオフのままにできる。どのようにしてこれで規制をクリアしたのかわからないが、できればみんなこうしてもらいたいところだ。

購入と維持 ★★★★☆☆☆☆☆☆

グレカーレの価格は直4を積むGTの6万3970ポンド(約1164万円)からで、V6のトロフェオは10万2480ポンド(約1865万円)。テスト車は11万1280ポンド(約2025万円)相当だ。クルマの価格が急騰しているとはいえ、それでも高い。

同じようなオプションを装備したポルシェ・マカンGTSyaジャガーFペイスSVRは9万ポンド(約1638万円)を下回るし、BMW X3 Mコンペティションでも10万ポンド(約1820万円)にはならない。マセラティは3年保証がつくものの、価格差を埋めるまでには至らない。

イタリア車というと信頼性が危惧されるが、3年保証は多少の安心材料となるだろう。しかしながら、テスト車には品質面の問題点がいくつか見られた。トリムから奇妙な音がしたり、フロントのエアサスが駐車ポジションから上がらなかったりすることがあった。勝手に解決したが、あまりうれしい話ではない。

スペック

レイアウト

グレカーレはアルファロメオのステルヴィオやジュリアと同じジョルジオプラットフォームがベース。全車4WDで、8速トルコンATを用いる。

トロフェオは、電子制御LSDをリアに標準搭載するが、下位グレードは機械式となる。前後重量配分は、実測で53:47だった。

エンジン

駆動方式:フロント縦置き四輪駆動
形式:V型6気筒3000cc、ツインターボ、ガソリン
ブロック・ヘッド:アルミニウム
ボア×ストローク:φ88.0×82.0mm
圧縮比:11.0:1
バルブ配置:4バルブDOHC
最高出力:530ps/6500rpm
最大トルク:63.2kg-m/3000~5500rpm
エンジン許容回転数:7000rpm
馬力荷重比:262ps/t
トルク荷重比:31.2kg-m/t
エンジン比出力:176ps/L

ボディ/シャシー

全長:4859mm
ホイールベース:2901mm
オーバーハング(前):951mm
オーバーハング(後):1007mm

全幅(ミラー含む):2150mm
全幅(両ドア開き):3740mm

全高:1659mm
全高(テールゲート開き):2150mm

足元長さ(前席):最大1113mm
足元長さ(後席):755mm
座面~天井(前席):最大1010mm
座面~天井(後席):935mm

積載容量:570L

構造:スティール、モノコック
車両重量:2027kg(公称値)/2097kg(実測値)
抗力係数:0.33
ホイール前・後:21インチ
タイヤ前/後:255/40 R21 102Y/295/35 R21 107Y
ブリヂストン・ポテンザスポーツMGT
スペアタイヤ:なし(パンク修理キット)

変速機

形式:8速AT
ギア比/1000rpm時車速〈km/h〉
1速:5.00/7.6
2速:3.20/11.7
3速:2.14/17.5
4速:1.72/21.9
5速:1.31/28.6
6速:1.00/37.7
7速:0.82/45.9
8速:0.64/58.9

副変速比:3.70:1   

燃料消費率

AUTOCAR実測値:消費率
総平均:7.4km/L
ツーリング:11.9km/L
動力性能計測時:2.7km/L

メーカー公表値:消費率
低速(市街地):5.8km/L
中速(郊外):8.8km/L
高速(高速道路):10.8km/L
超高速:9.5km/L
混合:8.9km/L

燃料タンク容量:64L
現実的な航続距離:472km
CO2排出量:254g/km

サスペンション

前:マルチリンク/エアスプリング、スタビライザー
後:マルチリンク/エアスプリング、スタビライザー

ステアリング

形式:電動機械式、ラック&ピニオン
ロック・トゥ・ロック:2.2回転
最小回転直径:12.4m

ブレーキ

前:360mm通気冷却式ディスク、6ポットキャリパー
後:350mm通気冷却式ディスク、4ポットキャリパー
制御装置:ABS
ハンドブレーキ:電動、ステアリングホイール右側にスイッチ設置

静粛性

アイドリング:-dBA
全開時(3速):80dBA
48km/h走行時:58dBA
80km/h走行時:62dBA
113km/h走行時:66dBA

安全装備

ABS/ESC/LKA/歩行者・自転車検知式AEB
Euro N CAP:テスト未実施
乗員保護性能:成人-%/子供-%
歩行者保護性能:-%
安全補助装置性能:-%

発進加速

テスト条件:おおむね乾燥路面/気温17℃
0-30マイル/時(48km/h):1.4秒
0-40(64):2.1秒
0-50(80):2.8秒
0-60(97):3.6秒
0-70(113):4.6秒
0-80(129):5.9秒
0-90(145):7.2秒
0-100(161):8.8秒
0-110(177):10.6秒
0-120(193):12.6秒
0-130(209):15.3秒
0-140(225):18.4秒
0-150(241):22.2秒
0-402m発進加速:12.0秒(到達速度:188.8km/h)
0-1000m発進加速:22.0秒(到達速度:240.4km/h)

ライバルの発進加速ライバルの発進加速
ジャガーFペイスSVR(2019年)
テスト条件:乾燥路面/気温16℃
0-30マイル/時(48km/h):1.7秒
0-40(64):2.4秒
0-50(80):3.1秒
0-60(97):4.1秒
0-70(113):5.2秒
0-80(129):6.3秒
0-90(145):7.6秒
0-100(161):9.3秒
0-110(177):10.9秒
0-120(193):13.2秒
0-130(209):15.9秒
0-140(225):19.4秒
0-150(241):24.6秒
0-402m発進加速:12.4秒(到達速度:187.2km/h)
0-1000m発進加速:22.4秒(到達速度:234.5km/h)

中間加速

20-40mph(32-64km/h):1.5秒(2速)/2.3秒(3速)

30-50(48-80):1.5秒(2速)/1.9秒(3速)/2.4秒(4速)/3.9秒(5速)

40-60(64-97):1.8秒(3速)/2.2秒(4速)/3.1秒(5速)/5.1秒(6速)

50-70(80-113):1.9秒(3速)/2.2秒(4速)/3.1秒(5速)/4.1秒(6速)/6.1秒(7速)

60-80(97-129):2.3秒(4速)/3.1秒(5速)/4.1秒(6速)/5.4秒(7速)/10.4秒(8速)

70-90(113-145):2.5秒(4速)/3.1秒(5速)/4.2秒(6速)/5.6秒(7速)/8.8秒(8速)

80-100(129-161):3.2秒(5速)/4.3秒(6速)/5.8秒(7速)/8.6秒(8速)

90-110(145-177):3.5秒(5速)/4.4秒(6速)/5.9秒(7速)/9.2秒(8速)

100-120(161-193):3.9秒(5速)/4.6秒(6速)/6.4秒(7速)

110-130(177-209):5.1秒(6速)

120-140(193-225):5.7秒(6速)

制動距離

テスト条件:おおむね乾燥路面/気温17℃
30-0マイル/時(48km/h):8.3m
50-0マイル/時(64km/h):23.0m
70-0マイル/時(80km/h):45.0m
60-0マイル/時(97km/h)制動時間:2.46秒

ライバルの制動距離ジャガーFペイスSVR(2019年)
テスト条件:乾燥路面/気温16℃
00-0マイル/時(48km/h):8.5m
50-0マイル/時(64km/h):22.5m
70-0マイル/時(80km/h):43.5m

結論 ★★★★★★★☆☆☆

グレカーレ・トロフェオは、もしかしたらマセラティが、なによりも信頼性を重視して作るべきクルマだという気がする。BMW X3級のサイズのSUVは売れ筋商品で、もしマセラティがパワフルなエンジンを積まなければ、的を射たクルマにはならなかっただろう。

高級でスポーティなフラッグシップという役割は、満たせた部分とそうでない部分があった。マセラティの新たなV6は、過去のトロフェオに積まれたV8ほどのキャラクターはないが、ライバルに比べれば、サウンドもパンチも楽しめる。

しかしながら、これまで試乗した経験からすると、コイルスプリングの安価な仕様のほうがシャープなハンドリングと快適な乗り心地を備えていると思う。マセラティには、エアサスのセッティング見直しを望みたい。トロフェオは、エンジンやステアリング、後輪寄りの4WDシステムがもっとも走りを楽しめる反面、ライバルにあるような一体感を味わえない。

それ以外は、ファミリーワゴン的なものとして上出来だ。広くて静かで、仕上げもみごとなキャビンを備え、技術や装備も満足いくレベルにある。

サスペンションと価格の問題をクリアすれば、もっといいクルマになる。いまのままでは、魅力的だが主流にはなれない。

担当テスターのアドバイス

イリヤ・バプラートグレカーレのインテリアに使われるフォントはバラバラ。マルチメディシステムはフィアットのフォントで、スピーカーに記されたソナス・ファベールのロゴはややチープな感じもする昔ながらの筆記体。ステアリングホイールのボタンには、B級SF映画で見るような自体が使われている。

マット・ソーンダース新たなデジタル時計は、クラシックデザインの再解釈の好例だが、もっとできることはあるはずだ。シンプルなナビ表示や走行モードインジケーター、油温計などがほしいところだ。

オプション追加のアドバイス

ホイール径が小さく、コイルサスを装着するベーシックなGTがおすすめ。オプションをいくつか追加しても、V6モデルより3万ポンド(約546万円)は安い。しかも、より一体感があって、乗り心地はスムース。300psで0−100km/h加速5.6秒なら、スペックもひどく不満には感じないはずだ。

改善してほしいポイント

・エアサスを手直しして、より一体感と安定した乗り心地を実現してほしい。できれば、トロフェオにもコイル仕様があればもっといい。
・ステランティス内で使い回しているコンポーネンツを、もっと豪華に装飾してほしい。
・価格をライバルと競えるレベルに下げてほしい。

【キャンペーン】第2・4 金土日はお得に給油!車検月登録でガソリン・軽油5円/L引き!(要マイカー登録)

こんな記事も読まれています

トヨタの「“2階建て”ハイエース!?」公開! 5人寝られる&「立って歩ける」内装が超スゴイ! ファンルーチェ「セレンゲレティ/ウラルエイジア」お台場で実車展示
トヨタの「“2階建て”ハイエース!?」公開! 5人寝られる&「立って歩ける」内装が超スゴイ! ファンルーチェ「セレンゲレティ/ウラルエイジア」お台場で実車展示
くるまのニュース
トーヨータイヤ「OPEN COUNTRY」装着車両がメキシコ開催の「スコア・バハ1000」3位入賞で、最上位クラス年間チャンピオン獲得
トーヨータイヤ「OPEN COUNTRY」装着車両がメキシコ開催の「スコア・バハ1000」3位入賞で、最上位クラス年間チャンピオン獲得
レスポンス
地上を転がって移動できるドローン!? DICが「CES 2025」で発表へ
地上を転がって移動できるドローン!? DICが「CES 2025」で発表へ
レスポンス
FIA/WRCがラリージャパンのSS12キャンセル理由を説明「許可されていない車両が進入し、スタートラインを塞いだ」
FIA/WRCがラリージャパンのSS12キャンセル理由を説明「許可されていない車両が進入し、スタートラインを塞いだ」
AUTOSPORT web
ついにトヨタ「新型セリカ」復活!? 次期8代目登場か… 中嶋副社長「セリカ、やっちゃいます。」宣言! 会長も後押し!? ラリージャパンで語られたコトとは
ついにトヨタ「新型セリカ」復活!? 次期8代目登場か… 中嶋副社長「セリカ、やっちゃいます。」宣言! 会長も後押し!? ラリージャパンで語られたコトとは
くるまのニュース
F1ラスベガスGP決勝速報|フェルスタッペンがドライバーズタイトル4連覇! 優勝は盤石ラッセルでメルセデス1-2。角田は9位入賞
F1ラスベガスGP決勝速報|フェルスタッペンがドライバーズタイトル4連覇! 優勝は盤石ラッセルでメルセデス1-2。角田は9位入賞
motorsport.com 日本版
[F40]だって夢じゃねぇ! [中古車]バブルが崩壊したらあなたは何を買う
[F40]だって夢じゃねぇ! [中古車]バブルが崩壊したらあなたは何を買う
ベストカーWeb
突如裏切る日本の路面。「あちこちでスライド」「一体どこでパンクしたのか」/ラリージャパン デイ2コメント
突如裏切る日本の路面。「あちこちでスライド」「一体どこでパンクしたのか」/ラリージャパン デイ2コメント
AUTOSPORT web
フェルスタッペンが2024年チャンピオンに輝く。これで4連覇! 優勝はラッセルでメルセデス1-2。角田も耐えのレースを凌ぎ9位入賞|F1ラスベガスGP決勝
フェルスタッペンが2024年チャンピオンに輝く。これで4連覇! 優勝はラッセルでメルセデス1-2。角田も耐えのレースを凌ぎ9位入賞|F1ラスベガスGP決勝
motorsport.com 日本版
勝田貴元、3度目のWRCラリージャパンは総合4位。トヨタのメーカータイトルに安堵も「来年は表彰台の一番上で」
勝田貴元、3度目のWRCラリージャパンは総合4位。トヨタのメーカータイトルに安堵も「来年は表彰台の一番上で」
motorsport.com 日本版
災害時&過疎地の新ヒーロー? 「移動ATM車」をご存じか
災害時&過疎地の新ヒーロー? 「移動ATM車」をご存じか
Merkmal
[Pro Shop インストール・レビュー]メルセデスベンツ GLC(根本俊哉さん)by イングラフ 後編
[Pro Shop インストール・レビュー]メルセデスベンツ GLC(根本俊哉さん)by イングラフ 後編
レスポンス
東北道「浦和ICの大改造」ついに“最後のランプ”建設へ 並行ランプを通行止め 側道利用者は注意!
東北道「浦和ICの大改造」ついに“最後のランプ”建設へ 並行ランプを通行止め 側道利用者は注意!
乗りものニュース
トヨタWRCマニュファクチャラーズ王者に豊田章男会が破顔「苦労して獲ったタイトル」ライバルのヌービル初王者にも祝意
トヨタWRCマニュファクチャラーズ王者に豊田章男会が破顔「苦労して獲ったタイトル」ライバルのヌービル初王者にも祝意
motorsport.com 日本版
波乱だらけのラリージャパン! ニッポンの勝田が意地をみせSS連続ステージ優勝で総合4位につける
波乱だらけのラリージャパン! ニッポンの勝田が意地をみせSS連続ステージ優勝で総合4位につける
WEB CARTOP
最新「サファリ」がスゴイ! 「ハリアー」と兄弟車で登場! 「3列7人乗り」&英国風の“超精悍顔”がカッコイイ! 便利機能モリモリのタタ「最上級SUV」とは?
最新「サファリ」がスゴイ! 「ハリアー」と兄弟車で登場! 「3列7人乗り」&英国風の“超精悍顔”がカッコイイ! 便利機能モリモリのタタ「最上級SUV」とは?
くるまのニュース
1000万円以下で買えるV12搭載ランボルギーニ!…世界に4台しかない「ハラマ 400GTS」のAT仕様の出来は当時どうだった?
1000万円以下で買えるV12搭載ランボルギーニ!…世界に4台しかない「ハラマ 400GTS」のAT仕様の出来は当時どうだった?
Auto Messe Web
【この190SLなんぼ?】走行距離わずか4,753kmでこの値段!なんで?このメルセデス300 SLの弟分190SLは掘り出し物?
【この190SLなんぼ?】走行距離わずか4,753kmでこの値段!なんで?このメルセデス300 SLの弟分190SLは掘り出し物?
AutoBild Japan

みんなのコメント

2件
  • Lore in
    誤字がひどい。
  • Delphi
    『グレカーレのキャッチフレーズは日常使いできるファミリーカーであり…』

    その「ファミリー」って、マフィアのでしょw
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

896.01476.0万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

750.01550.0万円

中古車を検索
グレカーレの車買取相場を調べる

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

896.01476.0万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

750.01550.0万円

中古車を検索

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村