雨が波乱を呼ぶWRCラリージャパン、DAY2午前を終えてトヨタのエバンスが総合トップ。勝田貴元はクラッシュも「まだ終わっていない！」

　WRCラリージャパンのDAY2午前を終えた時点では、TOYOTA GAZOO Racingのエルフィン・エバンス／スコット・マーティン組が総合首位につけた。チームメイトの勝田貴元／アーロン・ジョンストン組はクラッシュもあり、総合9番手となった。

　事前の予報通り、DAY2のコンディションは雨。オープニングステージとなった全長23.67kmの伊勢神トンネルでのSS2ではトヨタのエバンスが最速。そこに僚機のセバスチャン・オジェ／ヴァンサン・ランデ組、豊田スタジアムで行なわれたSS1で最速タイムを記録したヒョンデのティエリー・ヌービル／マーティン・ウィダグ組が続く形となった。

　ターマックラリーながらも雨の影響により路面のコンディション変化が大きく、SS2からドライバーごとのタイム差も大きく、先頭出走となったトヨタのカッレ・ロバンペラ／ヨンネ・ハルットゥネン組はエバンスから31.4秒遅れとなった。

　トヨタの勝田貴元はオープニングステージで痛恨のクラッシュ。右フロントにダメージを負ったことでラジエターを損傷したようだ。ただ、勝田はSS2を走りきり、SS3へ向けてロードセクションでマシン修復を行なった。

　SS2ではヒョンデのダニ・ソルド／カンディド・カレーラ組、M-スポーツアドリアン・フルモー／アレクサンドル・コリア組も、勝田と同じセクションでコースオフ。転落クラッシュとなったことで赤旗。SS3へ移った。

　19.38kmの稲武ダムSSで行なわれたSS3でもエバンスの好調ぶりは変わらず。一時オーバーシュートするシーンもあったが、そこで大きなタイムロスはなく、最速の14分20秒で走りきった。ヌービルはSS3でエバンスに10.1秒及ばずステージ2番手となった。

　ロバンペラは厳しいラリーが続き、M-スポーツのオット・タナク／マルティン・ヤルヴェオヤ組にはマシンのベンチレーションが十分に機能していないのか、フロントガラスが曇るトラブルが発生。背中を丸めてステアリングの隙間から前を見る状況となり、ヤルヴェオヤが手を伸ばしてフロントガラスを拭いた。

　タナクのみならず、多かれ少なかれほとんどのドライバーが視界の悪さを訴え、より市販車寄りのマシン機構を持つWRC2勢が3番手以下に続くことに。TOYOTA GAZOO Racing WRJの勝田範彦／木村裕介組はステージ5番手に食い込んだ。

　ただ、22.53kmの設楽町SSで予定されていたSS4は、天候の悪化によりキャンセル。DAY2午前の走行はこれで終了となり、エバンスが総合トップ。ヌービルがエバンスから26秒差で2番手、トヨタのセバスチャン・オジェ／ヴァンサン・ランデ組が16.6秒差の3番手となった。今季の世界王者であるロバンペラは、エバンスに1分36秒4の差をつけられた。

　勝田はエバンスから2分15秒遅れ。地元でのラリー序盤でいきなりの劣勢となったが、勝田はSS3を終えて「まだラリーは終わっていない！」と口にした。ラリーを続行すべく、用水路から水を汲むなどして冷却水を確保するシーンもあった。

　勝田はロードセクションでのマシン修復により1分10秒のペナルティを科せられたが、SS4を走ることなくクルーの待つサービスパークへ向かい、マシン修復を行なうことができたのは、幸運だったかもしれない。

Comments

[kvg********]

SS3ではウインドシールドが曇ってしまい、車両によってはとんでもない状況で運転していたようだ。
WRC車両って、内気専用なのかね？
あれはメカの判断ミスというのだろうか。ドライバーやコドライバーにはどうしようもないように見えた。
お風呂用鏡の曇り止めスプレーくらい準備できないもんかね。

[葛葉恭次]

現地界隈ではラリーでもないのに似た感じに潰れた黒軽ハイトなら普段から日常的に見かけるw