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【試乗】この巨体でも意のままの操縦性が気持ちいい! ヴェルファイアの走りはアルファードとはまったく別モノだった!!

掲載 24
【試乗】この巨体でも意のままの操縦性が気持ちいい! ヴェルファイアの走りはアルファードとはまったく別モノだった!!

 この記事をまとめると

■新型トヨタ・ヴェルファイアに試乗した

実車に乗って徹底チェック! 新型アルファード&ヴェルファイアの室内空間と使い勝手に死角なし!!

■2.4リッターターボエンジンはヴェルファイアにしか設定されていない

■巨体のハイエンドミニバンでありながらドライバーズカーに仕上げられている

 279馬力の2.4リッターガソリンエンジンはヴェルファイアだけ

 いま大注目の4代目新型アルファードについて、概要やパッケージ、そしてエグゼクティブラウンジのE-Fourの試乗記を紹介したが、ここではある意味”復活”を遂げたと言っていい、3代目となる新型ヴェルファイアの試乗記をお届けしたい。

 今回の新型ヴェルファイアの最大の特徴は、従来の”見た目だけ差をつける”というアルファードとヴェルファイアの関係を覆したことだ。TNGA GA-Kプラットフォーム、ボディサイズ、インテリアなどはアルファードと基本的に共通だが、パワーユニットは2.5リッターエンジン+モーターのハイブリッドに加え、アルファードにはない2.4リッターガソリンターボ、279馬力、43.8kg-m+8ATを2WD/4WDの駆動方式で用意。

 タイヤはトヨタとダンロップが共同開発した専用のスポーツタイヤ、225/55R19サイズのSP SPORT MAXXを、全車7人乗りのエグゼクティブラウンジおよびZプレミアの両グレードに履かせているのだ。

 さらに、アルファードと共通のボディ剛性先代比約50%増しの基本ボディ補強に加え、ヴェルファイアはフロントサイドメンバーとラジエーターサポートをつなぐフロントパフォーマンスブレース、専用チューニングサスペンションを採用することで、走りにこだわるドライバーに納得できる応答性に優れたハンドリング、気持ちのいい走りを実現できるようこだわったというのである。

 つまり、ショーファーカーにも適したアルファードに対して、こちらは走りに特化したハイエンドミニバン、ドライバーズーカーへと変貌を遂げ、差別化が図られたことになる。

 まず試乗したのは、ヴェルファイアのZプレミアのガソリンターボ、2WDモデルだ。見た目よりずっとサポート性に優れたフロントシート、ダブルAピラーによる斜め前方の視界の良さ、クルーザーをイメージしたというインパネから幅広なセンターコンソールにつながるインテリアデザインに納得しつつ走り出せば、279馬力、43.8kg-mを発揮するターボエンジンは意外なほど静かにスムースにまわり、気持ちよく発進する。

 ステアリングはアルファードのエグゼクティブラウンジと比べ、はるかに引き締まり、応答性の良さや操舵フィールのスムースさもなかなかだが、2WDならではの軽快感もある。19インチのスポーツタイヤを履く乗り心地は、たしかに段差の乗り越えでは突き上げはあり、荒れた路面でゴツゴツするものの、鋭利な段差の乗り越えでショックを受けても強靭なボディ、足まわりがしっかりと受け止め、ガツッときたショック、振動を1発で収めてくれるから、これも新型ヴェルファイアのスポーツミニバンたるキャラクターからすれば、あまり気にならない。どころか、ドイツ車的な硬質な乗り味だと、好感をもって受けとめるユーザーもいるに違いない。

 ターボエンジンは低回転域からトルキーで、高回転まで伸びやかにまわり、車重を感じさせない強力なパワーフィールを味わわせてくれる。2180kgという、新型アルヴェルのなかで軽量な部類の車重も功を奏しているはずで、動力性能に過激さはないものの、文句なしに速い(最軽量はアルファードのガソリンZの2WD=2060kg)。しかも、キャビンに進入するエンジンノイズは”こもる”低域が抑えられ、主に高域のため、トヨタの4気筒エンジンとしては例外的(!?)な、雑味のない抜け感ある気持ちいいエンジンサウンドが耳に届く。

 エグゼクティブラウンジにある多彩な防音材の一部はこのZグレードには採用されていないものの、「だからなんだ!」というスポーティなテイストは、より新型ヴェルファイアのキャラクターに合っているとも言えるのである。しかも、ロードノイズの抑え込みは想定外だったそうで、実際、大径19インチのスポーツタイヤにして、タイヤに起因するロードノイズは極めて小さい。

 エグゼクティブラウンジといえど走りキャラは健在

 次に試乗したヴェルファイアはエグゼクティブラウンジのハイブリッド、E-Fourモデルだ。価格的には892万円と、新型アルヴェルでもっとも高価なモデルとなる。ちなみにこの試乗車はブラックボディにスモークメッキの巨大グリルを合わせているのだが、その顔つきの迫力はただものではない。さらに言えば、ブラックボディ+漆黒メッキのZプレミアの顔、全身真っ黒な佇まいは、カスタムカー真っ青なほどの”ワルさ”の持ち主と言っていい。

 そんなヴェルファイアのエグゼクティブラウンジE-Fourの走りは、パワー感では70kg軽量かつパワフルさが売りのガソリンターボには敵わないものの、4WDを生かした重厚な上質感と、安定感、直進性の良さ、そしてもちろんハイブリッドならではの燃費の良さ(WLTCモードはガソリンターボの2WDの10.3km/Lに対して4WDでも16.5km/L)がポイント。

 しかし、アルヴェルとして最上級のエグゼクティブラウンジシートを備えたグレードでありながら、乗り味は決してアルファード寄りにはなっていない。19インチタイヤを履き、フロントパフォーマンスブレードや専用チューニングサスペンションが奢られているから当然と言えば当然で、徹底したフラット感が持ち味だが、じつは先に乗ったZプレミアの2WDモデルより、路面、段差によっては1/2列目席ともに硬く感じられるシーンがあったのだ。

 その理由は明快で、アルファード同様で、このヴェルファイアでもE-Fourのようなさらなる重量級グレードのサスペンションは、車重増に合わせて一段と締め上げられているからである。

 ごく一部の路面、段差で硬さを感じさせる一方、ヴェルファイアのE-Fourモデルは、驚くべきマナーを身に着けていた。それはE-Four=四輪駆動を生かしたカーブ、レーンチェンジ時の特筆すべき重心の高さを感じさせない安定感の高さに伴う、極めて水平感覚の車両の動きだ。ドライバーであればまるでスポーティカーのような、水すまし感覚の挙動に驚かされ、「気持ちいい」のひと言になるだろうし、後席で寛ぐ乗員であれば、レーンチェンジしたことに気づかないほど……というハイレベルなレーンチェンジをこなしてくれるのである。

 アルファードに対してより重厚でしっかりとした運転感覚を堪能させてくれるヴェルファイアだが、アルファードのF-Four、ヴェルファイアの2WD、E-Fourを乗り比べてみると、もっとも車体の大きさを感じさせない、巨体のハイエンドミニバンにしてステアリングの応答性の良さや操縦性の人車一体感を感じさせてくれたのはヴェルファイアのほう、ということになる。

 このリポートはあくまで一般ユーザー、ファミリーユーザー向けに発信しているのだが、筆者の個人的印象を述べさせてもらえば、価格、装備を含め、アルファードなら意外にいい乗り味を示す18インチタイヤ装着のハイブリッドZのE-Four、ヴェルファイアならガソリンターボのZプレミア4WDに惹かれる。エグゼクティブラウンジの素晴らしさを認めつつも、さすがに850万円オーバーでは高嶺の花すぎるが……。

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みんなのコメント

24件
  • 商業ワンボックスに操縦性だのパワーだのを求めてどーすんだよw
  • 両方とも貨物車ベースのバン。
    重心が高いボディーと四輪リーフリジッドの特性は消せないだろ。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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