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ランボルギーニ、WEC&IMSAに投じる『SC63』の開発が第2段階へ。シャシー損失も代替テストで補う

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ランボルギーニ、WEC&IMSAに投じる『SC63』の開発が第2段階へ。シャシー損失も代替テストで補う

 ランボルギーニのモータースポーツ責任者であるジョルジオ・サンナによると、イタリアのスーパーカーブランドは来季2024年早々に2台目のSC63シャシーを導入する準備を進めており、LMDh開発の「第2フェーズ」に入ったという。

 2024年シーズンのWEC世界耐久選手権とIMSAウェザーテック・スポーツカー選手権のミシュラン・エンデュランス・カップに投入される新型プロトタイプカーは、8月にポール・リカールで行われた初期段階のテストにおいて最初のシャシーがクラッシュによって失われた。そのため、新たに導入される“2台目”は実際には3台目のランボルギーニSC63となる。

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 新しいシャシーの導入によってイタリアのメーカーは、今年の残りのサーキット走行と2024年のレースデビューに向けたホモロゲーション手続きを行うための準備を加速させることができる。

 ランボルギーニ・スクアドラ・コルセのボスであるサンナは、パワートレインの信頼性を検証するためのダイノテストが充分に行われたと述べ、事故の影響を軽視した。

 最初のクルマの損失後、テストプログラムに使用されている現在の1台目(実際の2台目)のSC63はイタリアとスペインでテスト走行を行なったが、IMSAのホモロゲーション・プロセスを受けるため先週、アメリカに送られている。このシャーシはその後、アメリカでいくつかのテストを終えてからヨーロッパに戻り、今度はザウバーの風洞に入ってWECの共同主催者であるACOフランス西部自動車クラブとFIA国際自動車連盟のホモロゲーションを完了する予定だ。

「ホモロゲーションの観点からは、2回の風洞テストでは同じマシンを使わなければならない」とサンナはSportscar365に語った。

「だから我々はクルマを持ち帰り、年明けにまた新しいシャシーを導入する予定だ」

 新しいシャシーを導入するということは、ランボルギーニが2023年後半に当初想定していた2台体制でのテストプログラムをようやく実施できることを意味する。

「理想的には1台はサーキットでのテストに専念し、もう1台はホモロゲーション手続きに専念することだ」とサンナは語った。

「もちろん現在は問題なく両方の作業をこなしている。これは単なる組織の問題だ。もし誰かがモータースポーツに快適さを求めるなら、それはあまりにも簡単な仕事だ」

「我々は開発の第二段階に入っている。つまりクルマの性能と信頼性を検証するという意味だ。デイトナでグループテストを行い、その直後にCOTA(サーキット・オブ・ジ・アメリカズ)で重要なセッションを行う」

「その結果に基づいて、いつ、どこでテストを行うかを検討する。1月から2月にかけて、またサーキットに戻る予定だ。カタールでのデビューに向け、最大限の準備をしていきたい」

■ダイノテストの結果に満足

 サンナは、ランボルギーニがSC63の不足を補うためにダイノテストを強化したと説明した。

「1セッションを約2週間ほど延期した」と同氏。「しかし、その間も屋内ベンチテストを行うため、我々はいつもどおり懸命に働いた」

「クルマを開発するということは、単にトラックを走ることだけではない。LMDhのように洗練されたクルマを開発するためには、室内でパワートレインをダイノで測定し、クルマのシステムやエレクトロニクスに取り組む適切なテストを計画する必要がある」

「今日のステージでは、とくに満足していると言える。なぜならサーキットでうまくいっただけでなく、並行してダイノでも非常にうまくやってきたためだ」

「これはアドバンテージだ。ポール・リカールの後にサーキットに戻ったとき、イタリアとスペインで2回のセッションを行い、非常に良い結果を得た理由はこれだ」

「2台目のマシンを準備する間、私たちはサーキットでの最初のセッションで発見したすべてのポイントに取り組んでいたんだ」

 サンナは、ランボルギーニがダイノで24時間耐久走行を完了したかどうかについては明言しなかったが、3.8リットルV8エンジンと共通仕様のLMDhハイブリッドシステムからなるパワートレインについては自信を示した。

「我々はすでにテストを終えており、非常に良い段階にある」とサンナは述べる。

「パワートレインに関しては満足している。すでにやったことに関しては言うことができないが、耐久性については楽観的にとらえている」

■2024年は学びのシーズンに

 サンナは来年、アイアン・リンクスとともに大西洋の両側(欧州と北米)でプロトタイプレースにデビューするのを前に、ランボルギーニにとって2024年が「学びのシーズン」になると考えている。

 既報のとおり、リジェとパートナーシップを結ぶイタリアのブランドは来年、WECのフルシーズンとIMSAの長距離レースを束ねたミシュラン・エンデュランス・カップにそれぞれシングルカープログラムでSC63を送り込む。このほかにテスト/バックアップ用に2台が製造され、合計4台のSC63が投入される予定だ。

 先週末には、ダニール・クビアトがWECチームの一員となり、アンドレア・カルダレッリがIMSAのGTPクラスに参戦することが発表された。残りの6人のドライバーについては年内に発表される予定となっている。

 2024年の開幕に向けた目標について尋ねると、サンナは次のように答えた。

「来年は間違いなく学習のシーズンだ。それは間違いない」

「クルマにとっても、ファクトリーにとっても、そしてチームにとっても最初のシーズンだ。私たちはあらゆる意味でルーキーなんだ」

「しかし、そうは言っても強力なパフォーマンスでデビューしたい。過去にはGT3でそうしてきた。私たちは、自分たちのことやクルマのことに集中し、すべてを細部まで準備してプッシュし続ける必要がある」

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