もくじ
どんなクルマ?
ー ニッチモデルを多く売る「模範解答」
『ケータハム・セブン・スーパースプリント』すべての画像をみる
どんな感じ?
ー コレクター垂涎 ディテールに唸る
ー 評価に「前提」つきまとう ギアは不満
ー 動的性能、おおむね良いが不安も
「買い」か?
ー 購入の判断は慎重に あとは気持ち
スペック
ー ケータハム・セブン・スーパースプリントのスペック
どんなクルマ?
ニッチモデルを多く売る「模範解答」
ケーターハム・セブン・スーパースプリントは、その起源となったロータス・セブン誕生60周年を記念して発売された、ふたつの限定モデルのひとつである。
それにこの新型モデルは、ニッチな市場における小規模なスポーツカー・メーカーによる最も効果的なトリックのひとつが有効であることを証明している。
つまり彼らにとって、新型モデルを成功させるには、古いモデルに似せればいいのである。
このクルマは、今年のグッドウッド・リバイバルで発表され、生産台数の60台を6時間で完売したとされている。リバイバルの観衆が、モダン・メカニズムにレトロ・スタイリングを装った、新しい提案に敏感であったことは、疑いようもないが、勿論、そこには需要がありその需要は6分ごとにオーダーを確保した実績もある。7月だというのに、アイスクリームの売店でさえも、スーパースプリントのせいで売上げを嘆いたことだろう。
セブン・スーパースプリントは、今年の初めに発表されたセブン・スプリントの追加モデルであり、スプリントが基本的に公道でのドライビングの楽しみを追求しているのに対して、スーパースプリントはサーキットでの使用を念頭において造られたクルマである。
スプリントと同様に、スーパースプリントもスズキ製エンジンを搭載する、エントリーモデルのセブン160をベースにしている。しかし、その出力はスプリントのそれよりも高出力。
スズキから供給される、660cc 3気筒ターボガソリンエンジンのパワーは、80psから96psへ引き上げられ、セブン160やスプリントと同様に、5速マニュアル変速機を介して、後輪を駆動する。
LSD、引き締められた調整式サスペンション、そして、サーキット走行用にチューンされたビルシュタイン製ダンパーを、標準で備えるのもポイントである。
どんな感じ?
コレクター垂涎 ディテールに唸る
サーキット向けであろうなかろうと、このクルマの持つオーラは、サーキット出走のそれというよりは、コレクターの触手を刺激するものである。
ポリッシュされたクローム・エグゾーストから、1960年代を思わせる「ブルックランズ」ガラスのエアロ・スクリーン、そして、ウッドの「モト・リタ」ステアリングにいたるまで、スーパースプリントのディテールの全てが美味である。
これは、泥が跳ねてリア・フェンダーを汚してしまった時に、思わず停まってウエスで拭いてしまうようなケーターハムであり、グラベルに突っ込むようなことがあれば、自身の愚考を許すことができないだろう。
言っておくが、このクルマのウッド・トリムが施されたステアリングには、調整機能は付かないし、だからといって、そのことがこのスーパースプリントを楽に操作できるということでもない。
さらにこのセブンには、サイズの大きい「SV」ボディ・オプションの設定もない。もし、あなたが平均身長よりも高いのなら、このクルマに乗り込む際に多大な努力を必要とするだろう。
標準モデルのセブンは、細身のドライバー・シートを用意するが、このクルマのレッグ・ルーム、ひじのスペース、そしてペダル・ボックスの大きさは極めて限定的である。あなたが、並外れて細身でなければ、ステアリングの操作にも不便を感じるだろう。
だが、これが評価を決めるわけではないこともわかっている。
評価に「前提」つきまとう ギアは不満
セブンというクルマは、こうである。まずその思考がベースとしてなければならない。乗れたらOK。乗れなければ諦めてください。そういう考えを前提とする。
しかし、ケーターハムのライバルともくされる小規模メーカー達は、今日、標準モデルのセブンよりも遥かに大きいキャビン・スペースを提供し、大柄なドライバーでも、遥かに運転がしやすい環境を提供しているのも事実。
クルマのデザインを、1950年代ではなく、もっと最近行ったという事に過ぎないのであるけれど。
さて、ドライバー・シートに潜り込むと、スーパースプリントのダッシュボードやキル・スイッチでさえも、レトロ・スタイルであることに気づくであろう。
ケーターハムのスタンダードからすれば、搭載される3気筒エンジンはとても静かな部類に入る。排気管は助手席側へ取り回されドライバーの耳への近接を避けているが、そのエグゾースト・サウンドは頼もしく、個性的である。
ギアシフトのストロークはショートで、若干渋く、そして一貫しない操作性を持つ。そして、ケーターハムのいつものそれとは違い、シフト・フィーリングは、若干直感的ではない。
ギアレシオに関しても、批判は出るだろう。
3速と4速が他と比べ非常にワイドであり、そのことを念頭に置かなければ、イライラするはず。しかしエンジンは、素晴らしいフレキシビリティを持ち、回すのが楽しい。
パワーに関していえば、軽量のスーパースプリントが、か細いタイヤを転がすシャシーに渇を入れ、公道かサーキットかを問わずそのポテンシャルを引き出すのに十分である。
動的性能、おおむね良いが不安も
ケーターハムは賢明にも、闇雲にグリップを向上させることなく、サスペンションを引き締めている。
スーパースプリントは、セブン160と同じく、14インチのホイールと155サイズのエイボン製タイヤを装着しているが、余計なものが付いていないケーターハムがそうであるように、ハンドリングはより機敏で心を奪うのである。
スーパースプリントのドライにおけるロード・ホールディング性は、しっとりとしていながらしっかりしていて、ボディ・コントロールは改善されていることを感じる。
ターンインでは興奮を呼び起こし、ほとんどのスピード域で適度に俊敏で、落ち着きさえも感じる。
必要以上のグリップは備わっていないが、腕に覚えのあるドライバーにとっては、コーナー毎に笑みがこぼれる程の車両ダイナミズムを提供している。
しかし酷使された悪路に持ち込むと、スーパースプリントのサスペンションは弱点を現す。
ライブ・アクスルは、大きな縦方向の入力に対する応答性に劣り、車体を不安定にさせる。この傾向は、コントロール下にありながらも、サスペンションがバンプした時により鮮明である。
また高速のコーナーでは、他のセブンよりも外側のリア・タイヤを落ち着かせるためにより長い時間を要する。ほんの一瞬ではあるが、それを認識するには十分な長さである。しかもこのことは、コーナーに進入する度に、一抹の不安を駆り立てる。
「買い」か?
購入の判断は慎重に あとは気持ち
あなたは、グッドウッドで列に並んだ口だろうか?
もしそうなら、あなたは少なくともこのクルマに恋焦がれていると同じくらい、このクルマがどんな走りをするかを妄想したことだろう。
このクルマの魅力はそれだけ否定しがたいものである。
熟考されたデザインとその成り立ち、考えうる競合車と比べ最も高水準で仕上げられたこのスーパースプリントは、愛でるだけで幸せになれるクルマだ。
こうした理由とこのクルマの市場価値から、わたしはこのクルマのオーナーの多くはサーキットに持ち込み危険な運転を試みることはないだろうと想像する。ある意味、それは残念なことであるが理解はできる。
ただしそんなオーナーに対して29995ポンド(450万円)を要求するのは酷であると感じる。20000ポンド(300万円)を少し超えるセブン160なら多少の難癖も許せるだろうけれど……。
そのうえこの価格帯ならば、より速く、ハンドリングの懐がより深く、より実用性のあるセブン310 SVが視野に入る。しかも、スーパースプリントと同じくらい夢中になってドライブができると保障しよう。より良く、洗練されたケーターハムとも言えるだろう。
あとは、この特別なケーターハムが、唯一無二の存在であることを好意的に受け入れられるかどうかである。
ケータハム・セブン・スーパースプリントのスペック
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