MONET Technologies(モネ・テクノロジーズ)は2024年2月27日、愛・地球博記念公園(愛知県長久手市)において、トヨタ自動車が開発した短距離・低速型BEVの「APM(Accessible People Mover)」ベースに、スタジオジブリの作品に登場するキャラクター「ネコバス」をイメージして製作した車両「APMネコバス」の運行を、2024年3月16日より開始すると発表した。
APMネコバスの運行に関しては、昨年の9月11日に運営および運行を担うMONETと、車両の製作・賃貸・運行に伴う保守点検などを担当するトヨタ自動車、運転業務および運行のサポートを行う豊栄交通、愛・地球博記念公園の環境調整や行政上の許認可手続きなどを実施する愛知県、そしてAPMネコバスの製作における意匠の提供および監修などを手がけるスタジオジブリという、5者によって基本合意書を締結。すべての環境が整ったことから、本年3月16日より愛・地球博記念公園内にあるスタジオジブリ作品の世界を表現した公園「ジブリパーク」の「もののけの里」と「どんどこ森」を結ぶ外周通路(片道約1.9km、所要時間約10分)で運行を開始することとなった。運行時間は平日が午前9時30分~午後5時30分、土日祝祭日が午前8時30分~午後5時30分で、毎週火曜日(火曜日が祝日の場合は翌平日が休業)と年末年始(12月29日から1月3日)が定休日。料金は片道で大人1000円、子供(4歳~小学生)500円に設定している。
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APMネコバスの概要を紹介していこう。
ベース車は東京2020オリンピック・パラリンピックの会場で使われた短距離・低速型BEVの「APM」で、トヨタのビジョンデザイン部の永津直樹プロフェッショナル・パートナーなど各部署のメンバーと、スタジオジブリの宮崎吾朗監督がやりとりを繰り返して、APMネコバスを開発する。
エクステリアについては、このクルマのために調色した“ネコ茶色”と“ネコベージュ”の2トーンカラーを基調に、大きなネコ目に口、いまにも動きそうな尻尾、愛らしい肉球、天井に配した4匹のネズミなどを装備。ネコ目は周囲が暗くなると鮮やかに光る。また、公道を走らないので飾りのナンバープレートを付けたが、宮崎吾朗監督のアイデアにより数字は“と10-6・”(トトロ)とした。また、行先の表示は“ジブリパーク”としているが、昭和30年代のレトロなムードを出すために表示の照度を少し暗めに設定している。
運転席、3名掛けの2列目、2名掛けの3列目で構成する室内スペースは、エクステリアと同様に“ネコ茶色”と“ネコベージュ”の2トーンカラーを配したうえで、長めの毛足でモフモフ感を強調したシートカバーを装着。天井にも同様の素材を採用して、映画でサツキちゃんとメイちゃんが大はしゃぎした空間を再現する。また、雨天走行時に張るレインカーテンには、傘をさすトトロのシルエットを入れた。さらに、ベース車のAPMの特徴である、10秒ほどでスロープを設置できる機構を踏襲し、合わせて黄色のポールには手で持ったときに冷たくないようレザーを巻くなど、あらゆる人が乗りやすい設計を採用している。
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