マイケル・アンドレッティ率いるアンドレッティ・グローバルとウェイン・テイラー・レーシング(WTR)は、IMSAウェザーテック・スポーツカー選手権でパートナーシップを結んだ。
WTRは現在、アンドレッティと共にIMSAの最高峰クラスであるGTPにアキュラ『ARX-06』を投入しており、もう一台のアキュラはメイヤー・シャンク・レーシングが走らせている。
■ホンダ・レーシングがF1で培った技術を注入。アキュラ、IMSA新投入のLMDh車両『ARX-06』の開発秘話を明かす
WTRとアキュラは2024年は2台体制へ拡大し、世界最大のスポーツカーレースであるFIA世界耐久選手権(WEC)への参戦を目指す計画を明らかにした。
2023年からIMSAのGTPクラスとWECのハイパーカークラスには、共通規格であるLMDhレギュレーションが導入されており、ポルシェとキャデラックは両シリーズに参戦。BMWも2024年からIMSAに加えてWECにもLMDh車両を投入する。
ホンダの北米高級ブランドであるアキュラは、GTPの前身であるDPiから引き続きIMSAへの参戦を継続しているものの、アメリカ国外でのプログラムにほとんど興味を示しておらず、LMDh車両もIMSAにのみ投入している。そのため、ARX-06がWECを走る場合はアキュラからホンダへとバッヂが変更されるだろう。
ル・マンへ挑戦してみたいか、そう訊かれたアンドレッティは「100%、それは我々の明確な目標だ」と明言し、次のように続けた。
「我々アンドレッティ・グローバルの目標は、新たなパートナーと共に世界の主要レースイベント全てに参加することで、ル・マンも明らかに大きなイベントのひとつだ。だから将来的に、確実に参加したいと思っている」
「参戦する絶好の機会だし、ウェイン・テイラー・レーシングほど素晴らしいチームはない。神の思し召しのような縁だし、この関係を維持し、さらに成長していけることを楽しみにしている」
またWTRのオーナーであるウェイン・テイラーは、次のように語っている。
「私としては、(ル・マンは)我々が総合優勝を果たしていない唯一の主要レースだから、ここにいる我々全員にとっての重要点であることは間違いない。ル・マンこそが我々の目指すべきところなんだ」
先日、GMブランド傘下のキャデラックと共にF1参戦を目指す計画を発表したアンドレッティ。おそらくは2026年以降のF1パワーユニット登録を済ませたホンダ・レーシング(HRC)のパワーユニットのバッヂを変えてF1マシンを走らせると見られており、WECを含めヨーロッパにおける活動を活性化している。
ル・マンへ参戦するためにはWECのシーズンを戦うことが要求されるが、アンドレッティはIMSAと平行してWECへフル参戦する計画もあると明かした。
「そう、秘密じゃない」とアンドレッティは言う。
「我々はヨーロッパにサテライト施設を置くつもりだ。既に建設している施設もあるが、より大きなモノになる。今後数年のうちにWECチームをそこで稼働させることが、目標のひとつだ」
またテイラーは、アンドレッティとタッグを組むことで、ペンスキーやチップ・ガナッシ・レーシングといったIMSAでのライバルと真っ向勝負を挑むことができるようになると語っている。
「アンドレッティは、巨大な施設、素晴らしいパートナー、そして成功など全てをもたらしてくれる存在だ」とテイラーは言う。
「彼らは我々と同じ様にスポーツカーレースに情熱を注ぎ、集中している」
「我々はただ邁進するのみだ。マイケルと私だけでなく、HPD(ホンダ・パフォーマンス・ディベロップメント/ホンダ米国法人のレース部門)やスポンサー、全てのパートナーにとっても良いことだ。我々は急速に成長することができるからね」
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