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VWグループCEOが語る今後  「巨大タンカーから、スピードボートへ」

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VWグループCEOが語る今後  「巨大タンカーから、スピードボートへ」

もくじ

ー 意思決定が遅すぎる
ー ディーゼルゲート問題について
ー フォルクスワーゲン・グループの新体制
ー 今後の課題
ー 電動化の将来

フォルクスワーゲンのディーゼル不正 改修後40%に不具合 スレーター・アンド・ゴードン調べ

意思決定が遅すぎる

フォルクスワーゲン・グループのCEOに就任したハーバート・ディエスは、同社を「のろまな巨大タンカーから、パワフルなスピードボートの群れへ」変化させなければならないと語った。

先月就任して以来、初めて公の場に姿をあらわした彼は、ディーゼルゲート問題から立ち直るため企業文化を根本的に変える必要があると語った。先ほどの「巨大タンカー」発言について、「意思決定が遅すぎます」と説明した。

彼は、フォルクスワーゲンにおけるディーゼル車の販売低迷についても語った。「欧州最大の自動車メーカーとして、ディーゼルエンジンの立場を回復させなければなりません。この問題の原因のひとつは、ディーゼルに対して間違った悪評が立っていることです」

ディエスは、ドイツ、英国、ノルウェーなどで検討されているディーゼル車禁止措置について「最悪の選択肢です」と述べた。

ディーゼルゲート問題について

ディエスは、フォルクスワーゲン・グループは今年中にディーゼル車への対策を完了させたいと話す。現時点では、世界全体の69%、欧州では76%のリコール修理が完了している。

彼によれば、対策車では汚染物質であるNOxは30%削減されているうえ、ドイツでは20万台の古いディーゼル車がすでに廃車されているとのことだ。

「われわれは依然としてガソリン車、ディーゼル車、CNG車に投資を続けています。将来のエンジンは現在よりもCO2を6%低減し、NOxなどの汚染物質は70%低減されます」

彼は、この問題を「痛みを伴う変革」だと語った。「われわれはこのようなことが再発しないよう、全力をつくさなければなりません」

ディエスは、企業文化の必要性についても長時間を割いた。「持続的な成功は健康的な企業体質あってこそ成し遂げられます。これはわたしにとって最優先の課題です。フォルクスワーゲン・グループはより誠実な企業になります。そのため、われわれ自身が責任感をもち、従業員のお手本とならねばなりません」

フォルクスワーゲン・グループの新体制

より素早く効率的な意思決定をすべく、ディエスは新しい7分割のグループ構想を示した。

・ボリューム:フォルクスワーゲン、シュコダ、セアト、フォルクスワーゲン商用車、モイア

・プレミアム:アウディ、ランボルギーニ、ドゥカティ

・スーパープレミアム:ポルシェ、ベントレー、ブガッティ

・トラック、バン:MAN、スカニア

・部品メーカー群

・フォルクスワーゲン・フィナンシャル・サービス

・中国エリア

各ブランドの責任者はグループ全体についても責任を持つことになると説明した。例えば、ポルシェのCEOであり役員のオリバー・ブルームはグループ全体の生産について責任を負い、アウディCEOで役員のルパート・シュタッドラーはグループのセールスについて責任を負う。

今後の課題

「われわれは再編成により加速します」とディエスはいう。「新たな競合が次々と市場に参入してきています。地政学上の不確実性や、保護貿易主義も問題です」と述べ、英国のEU離脱やトランプ大統領への懸念を示唆した。

ディエスは9月1日から始まる新たなWLTP排出ガス試験についても触れた。「この変化に対応するため慎重に準備を行ってきました」と語る。

しかし、技術面での調整やテストが必要なモデルの多さゆえ、対応に遅れが出ている部分もあるだろう。しかし、彼は「影響を最小限にする」べく努力しているようだ。

電動化の将来

ディエスによれば、フォルクスワーゲン・グループの戦略は「業界内で電動化の最先端となること」だ。彼は電動化について「将来のエンジン」と考えており、2025年までに年間300万台のEVを販売する目標を立てている。

それまでに今年8月発売のアウディe-トロンを含め18車種のEVを発売する。ジャガーI-PACEをライバルとするe-トロンやポルシェ・ミッションE、フォルクスワーゲンIDなどはEVの新たなベンチマークとなるだろう。

2018年についてより大きなくくりでいえば、第1四半期におけるフォルクスワーゲン・グループの売り上げは5%の伸びを達成した。ディエスの予想では、2017年の1070万台からやや上昇するだろうとのことだ。

「大型モデルの売り上げが追い風となっています。いくつかのSUVが最近発売されました。そしてアウディQ8やフォルクスワーゲンの中国向け小型車、アウディA6、フォルクスワーゲン・トゥアレグなどが売り上げを支えるでしょう」

彼は「2018年はフォルクスワーゲン・グループにとって良い年になるでしょう。すべての側面でより良い企業になれるよう努力します」と締めくくった。

ディエスは4月に前任でディーゼルゲートスキャンダル以来グループを指揮してきたマティアス・ミュラーに代わり代表の座についた。ディエスは以前からのフォルクスワーゲンブランドのCEOとしての職も継続している。

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