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【第1回:BMW3シリーズ(E46)】 第5水曜日の男! 遠藤イヅルの『令和的』ヤングタイマー列伝!

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【第1回:BMW3シリーズ(E46)】 第5水曜日の男! 遠藤イヅルの『令和的』ヤングタイマー列伝!

今見直したい、身近なヤングタイマー

こんにちは、クルマを主体としたイラストレーター兼ライターの遠藤イヅルです。基本的に水曜日は月に4回来るのですが、年に数回だけ、第5水曜日があります。その第5水曜日に、ヤングタイマー世代のクルマに関してアレコレ書くこととなりました。

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さて、ヤングタイマーという言葉もすっかり浸透したように思います。厳密な定義はないのですが、一般的には1980~2000年代に生産されたクルマを指します。いわゆる、ちょっと古いクルマですね。

クラシックの領域に入る1970年代以前と1980年代以降のクルマには、性能、快適性、外観などに大きな溝があり、後者では現代の路上でもアシとして使えること(実際、筆者は1980年代の日産サニーと日産VWサンタナを日常で使い倒しています)、昨今の旧車バブルに見られるような異常な価格高騰をしていないモデルも多いのです。そのため、 同時代に子供時代~青年期を送った年齢層のみならず、近年では若者世代にも人気があります。

そんなヤングタイマーを取り上げていくこの連載では、「今見直すといいよね」と思えて、さらに身近な存在だった車種をセレクトしていこうと思います。そこで、輝かしき? 第1回は、BMW3シリーズの4代目『E46』を取り上げることにしましょう。

正統な美が感じられるデザイン

BMWの基幹車種である3シリーズについては、もはや説明の必要もありません。現行型は2019年発表の7代目『G20』で、登場後5年を過ぎ早くも次期モデルの声が聞こえ始めています。今回の主役である4代目のE46は1998年から2007年生産ですので、販売終了から早くも17年が過ぎていることに。月日の流れは早いですね(涙)。

それほどの時間が経っているのに、E46のデザインには古さを感じないのは筆者だけでしょうか。初代『E21』、2代目『E30』を経てシャープなフォルムを得た3代目『E36』のイメージを受け継ぎつつ、アイデンティティであるキドニーグリル、丸目4灯式ヘッドライト、そして斜めにカットされたリアウインドウグラフィックの『ホフマイスター・キンク』、窓下を走る段差付きのキャラクターラインなど、BMWらしいディティールを盛り込んでいました。

クリス・バングルが手がけた5代目の『E90』は、これらの伝統的要素を取り入れつつも奇をてらったデザインで賛否を呼びましたが(筆者は嫌いではありません……いや、むしろ好み)、E46のデザインからは、正統な美が強く感じられるのです。なお、黒いバンパーやモールに異様に興奮してしまうという個人的な嗜好からすると、多くのグレードでバンパーに黒モールが残っていたというだけで推せます(笑)。

余談ですが、ホフマイスター・キンクの語源は、発案者たるBMWのデザイナー『ヴィルヘイム・ホフマイスター氏』および、ドイツ語で折れ目を指す『キンク』との造語だそうです。

320iが直6……それだけで欲しくなります

そしてやはりBMWといえばエンジン。社名自体がドイツ語で『バイエルン州のエンジン工場』を意味する、『Bayerische Motoren Werke(バイエリッシュ・モトーレン・ヴェルケ)』というBMWですものね。

E46では、1.6リッター直4の『316i』から、3.2リッター直6の『M3』、さらには『M3GTR』の4リッターV8(!)まで幅広いラインナップを誇りましたが、BMWの象徴は直6エンジン。『320i』、『323i』、『325i』、『328i』、『330i』が存在しました。ただし、この頃からすでに末尾2桁の数字が必ずしも排気量を示すものではなくなっており、末期の320iは2.2リッターだったりします。マニア泣かせです。

後継のE90になると直6は『323i』、『325i』など2リッター以上の搭載となり、さらに現在のBMWでは、直6エンジンを積むのはごく一部の上位グレードのみに。320iが直6だったことがとても贅沢に感じられるのです。そう考えると、E46の320iが欲しくなってしまいます。ちなみに直4モデルも、エンジン、ハンドリングともに抜群に気持ちよいことは追記しておかねばなりません。

ボディバリエーションは、E36と同様に4ドアセダン、2ドアクーペ、カブリオレ、ツーリング(ステーションワゴン)、そしてコンパクトを称された3ドアハッチバックが用意されました。ゴルフに対抗するCセグメントに属するコンパクトハッチバックなのにFR、という貴重なキャラクターは、その後、2代目までの『1シリーズ』が受け継いでいます。

そうそう。これまた余談なのですが、E36コンパクトの中身はなんと、2代目E30を流用していました。ガワだけ新しかったのです。一方のE46コンパクトはシャシーもE46から作られたため、名実ともにE46のコンパクトとなったのでした。

過去と現代がちょうど良く結実するクルマ

伝統とモダンが高次元で折り合ったデザイン、豊富な直6エンジンのバリエーションなど、E46の3シリーズは昔のBMWらしさと現代的な要素がちょうどよく結実するクルマと言えます。また、現代の3シリーズはかつての5シリーズなみに大きなクルマになってしまいましたが、E46ではセダンの全長は4.4m台で、全幅も1.7mを少し超える程度。つまりほぼ5ナンバーサイズなのです。この小ささも街中での乗りやすさにつながっています。

いかがでしたでしょうか。E46、たしかに「今見直すといいよね」というクルマかと思うのです。中古車もリーズナブルで、台数がまだまだ多くあるのも魅力です。

次回も『第5水曜日の男』として、また「そうきたか」というクルマをお送りしたいと思います。ご期待ください。

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みんなのコメント

10件
  • pro********
    極端な話、E46以降の3シリーズはE36の「拡大セルフカバー」にしか映りません。
    コンセプトとはE36が最もピュアだったと思います。
  • njq********
    この3シリーズのE46マニアの方なら
    ご存じかも知れませんが、
    ドイツの刑事ドラマの
    アラーム·フォー·コブラ11で、
    エルドゥアン·アタライ演じる
    ゼミル·ゲーガーン刑事の愛車と
    しても知られ、この初期型が使われ、
    出動シーンに加え、クラッシュするなど、
    様々な場面で活躍しました。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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