11月16~17日、静岡県の富士スピードウェイでENEOSスーパー耐久シリーズ2024 Empowered by BRIDGESTONE第7戦『S耐ファイナル富士』が開催される。各クラスのタイトル争いも注目だが、スーパー耐久未来機構(STMO)が認めた車両が参加できるST-Qクラスも、各車が今季の締めくくりに向け、アップデートを施してきた。今季第3戦オートポリスから登場したスバルHigh Performance X Future Conceptもアップデートをうけ、パフォーマンスを向上させている。
第3戦オートポリスからスーパー耐久ST-Qクラスに登場したスバルHigh Performance X Future Conceptは、Team SDA Engineeringが走らせるWRXの外観をもった車両。通称は『ハイパフォX』だ。デビュー以降第5戦鈴鹿、そして第6戦岡山でも細かな改良を受け、ポテンシャルを上げてきた。
11月16~17日のスーパー耐久第7戦富士は9クラス65台がエントリー。ST-X、ST-Qに注目の名も
岡山ではタービンや吸気などに改良を受け、エンジン出力がアップ。またトランスミッション、リヤの接地向上やサスペンションアライメントの適正化を受けてきたが、今回はさらにさまざまな改良が施された。
まず大きな改良と言えるのがフロントハウジングの変更。ロールセンター高をアップしジオメトリ変更による旋回姿勢の改良を行った。またフロントに機械式LSDを採用し、フロント駆動力による旋回性の向上を行っている。
また、リヤウイング翼端板を大型化した。これは、2024年第2戦まで走っていたTeam SDA Engineering BRZ CNF Conceptの破損したアンダーパネルのカーボン素材を再利用したもので、ドラッグ低減を狙う。コクピットでも制御系調整用スイッチを追加、デジタルインナーミラーの採用で後方視認性を向上させるなど、ドライバーの使いやすさを向上させた。
そんな改良を経た『ハイパフォX』はスポーツ走行から周回を重ねているが、ドライバーの井口は「すごく速くなっています。前戦の岡山からエンジンがアップデートされていますが、富士はやはりストレートが長いので、良い感覚でストレートが伸びているのを感じます」と好感触を語った。
「フロントのジオが上がったことで、ロール感やクルマの動きをつかみやすくなりました。素直にクルマが動いてくれています。今まではフロント依存のクルマでアンダーステアもありましたが、それが減っています。すごくポジティブなアップデートになりました」
岡山ではトラブルもあったが、今回はその好パフォーマンスがどんな走りに繋がってくれるか楽しみなところ。またこの第7戦では、決勝日となる11月17日9時25分から、ニュルブルクリンク24時間に挑戦したSUBARU WRX NBR CHALLENGE 2024のデモランも行われるという(16日はイベント広場で展示)。スバルファンにとっては見逃せないレースウイークとなりそうだ。
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