開催2シーズン目を迎えている2021年のTCRデンマーク・シリーズ第2戦が、7月3~4日にFDMユランズリングで開催され、LMレーシングのヤン・マグヌッセン(クプラ・レオン・コンペティションTCR)が3戦中2勝を挙げる大活躍。7月4日生まれで同週末に48歳を迎えた大ベテランが、開幕から6戦5勝と自らの誕生日を祝うほぼ完璧なリザルトを手にした。
同地で開催された開幕前テストでも最速を記録し、今季からスイッチした新型クプラ・レオン・コンペティションTCRの動的性能を完全に掌握した元F1ドライバーは、開幕戦のリング・ユールスランドでもポールポジション獲得から3戦全勝の“クリーンスイープ”を達成していた。
TCRデンマーク開幕戦はヤン・マグヌッセンが貫禄のパフォーマンス。ポール獲得から3戦全勝発進
その勢いのまま臨んだ今回の第2戦でも予選からその速さを見せつけると、チームメイトのニコライ・シルベスト(クプラ・レオン・コンペティションTCR)とともにポール争いを展開。
耐久シーンでは長らくコルベット・レーシングで活躍を演じた大先輩にも引き立てられ、自身もWEC世界耐久選手権を経験する若手有望株は、ここでわずか0.043秒差でマグヌッセンを抑え切り、今季初ポールポジションを獲得してみせた。
予選3番グリッドの初代シリーズ王者、キャスパー・H・ジェンセン(FK8型ホンダ・シビック・タイプR TCR/マッシブ・モータースポーツ)を従えて、日曜正午過ぎにフロントロウからスタートを切ったLMレーシング艦隊は、スタートの蹴り出しに勝ったマグヌッセンがターン1でホールショットを奪い、ここで実質勝負アリ。
一方のシルベストは、そのままディフェンディングチャンピオンのシビックにも仕掛けられ、オープニングラップの数コーナーで3番手にまで下がる展開となってしまう。
集団の後方では、予選4番手を獲得しながらもセッション後の再車検で車高規定違反が発覚し、10番手からの出走となっていたキャスパー・エルガード(プジョー308 TCR/ブライアン・マドセン・モータースポーツ)が意地の猛追。ル・マン24時間クラス優勝経験者が14周のスプリントで5台を仕留め、シルベストの背後4位まで浮上してチェッカーを受けた。
■6戦5勝のマグヌッセンが、選手権ランキング首位独走体制に持ち込む
続くリバースグリッド採用のレース2では、前ヒート10位入賞のミハエル・カールセン(プジョー308 TCR/カールセン・モータースポーツ)がポール発進からポジションを堅持し、優位性を活かしてライト・トゥ・フラッグを完遂。
3番グリッドに並んだ同じくプジョーのマイケル・マルクセン(プジョー308 TCR/マルクセン・レーシング)がスタートで2番手に浮上すると、終盤はエルガードの猛追を凌いで2位を死守し、結果的にプジョー308 TCRが表彰台を独占する結果となった。
そして最終のレース3は、これまでの2ヒートで獲得した総合ポイント順のグリッド位置が採用されると、最前列マグヌッセンのクプラが2番手ジェンセンのホンダを従え、スタートからレオンとシビックが激しくボディを擦り合う肉弾戦に。
3番手争いのマルクセンとエルガードも、プジョー同士で幾度ものコンタクトを伴うバトルを披露すると、2番手ジェンセンのシビックはまさかのパンクを喫して戦線離脱。そのままピットに向かい、2周遅れの15位という失意の結果となってしまう。
これで楽になったマグヌッセンは、背後のプジョー2台に約8秒ものギャップを築いて悠々の首位フィニッシュ。この結果、ランキング2位で93点のエルガードに対し、開幕から6戦5勝とロケットダッシュを決めたマグヌッセンが、54点差の147点で首位独走体制に持ち込む「最高の誕生日プレゼント」を手にした。
続くTCRデンマーク第3戦は、例年も首都の旧市街が最大の盛り上がりを見せるという伝統のイベント『コペンハーゲン・ヒストリック・グランプリ』の一部として開催され、シリーズ計画段階からカレンダーに組み込まれながら、2年越しの初開催が予定される丘を取り囲むストリートコースで8月6~8日に争われる。
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