2019年F1第8戦フランスGP、第9戦オーストリアGP、今回はどどーんと2戦分にわたって自宅特派員のホンマさんがレポートをしてくれています。オーストリアではレッドブル・ホンダのマックス・フェルスタッペンの優勝が印象に残っていますが、中団チームでバトルを繰り広げたアルファロメオのキミ・ライコネンとアントニオ・ジョビナッツィも良い走りを見せていましたね。
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【ブログ】ウッドチャック遭遇は不運フラグ/F1自宅特派員 第7戦カナダGP編
こんにちは、自宅特派員のホンマです。
2019年も、すでに半分すぎてしまいました。
みなさまは、今年の目標をいくつか達成されましたでしょうか。
わたくしホンマは、先日、EMS腹筋マシーンというものを通販してしまいました。
某サッカーのスター選手が宣伝されているアレと、大変よく似たお品でございます。
あちらは高額ですが、わたくしの愛機のお値段、な、なんと! 3000円。
お値段以上かどうかは、今後のわたしの腹が答えてくれることでしょう。
モーゼのように、割れろ腹筋!
それにしても、寝ながら腹筋が割れるなんて、いい時代にうまれてきたものですなぁ。
寝ながらで思い出しましたが、某聞くだけで英語が覚えられるというアレ。
思い返せば、英語を勉強しようと思いたってから、はや数年……。
いまだに覚えられていないどころか、パントマイムの力だけが上達。
「ソノハナシハ、(コッチニ)オイトイテ」
なんてジャスチャーじゃなく、言葉で伝えたい、この思い。
よしっ、次は寝ながら腹筋割りながら英語覚えるか!
こんな調子で、残り半年もがんばっていきたいと思います。
今回はおフランスGPとオーストリアGPの連戦なので、2戦分のレポートでございます。
2週間も前のことなんて、はるか昔に思えるお年頃なわたくしと一緒に、ぽちぽちと思い出していただければ幸いです。
まずは第8戦フランスGPから。
さて、今年もまた、ゴリラGPがやってまいりました!
有名なアーティストさんの作品だそうですが、なぜにそんなにゴリラをフィーチャーするのか。
突然ですが聞いてください。わたしくホンマは、ゴリラ顔が大変好みでございまして。
思い返せば、大好きだったドイツサッカーチームにいらしたオリバー・カーン選手は、そのまんまゴリラでございました。
シルバーコレクターのミヒャエル・バラック選手や、ハリウッドスターのマッド・デイモンさんにベン・アフレックさん。
ほら、みんなゴリラ。
これはわたしの自論なんですが、ゴリラ顔に惹かれるのは、全部DNAのせいだと思うのですよ。
遺伝子に刻み込まれた、猿だったときのオモイデ。
たぶん、おフランスとはまったく関係ありません。
クルクルゾーンが美しい、ポール・リカール・サーキット。
あのクルクルは、ドライバー目線には、支障はないのでしょうかね?
見つめ続けていると、ゲシュタルト崩壊してしまいそうでございます。
その予選。
路面温度は54度のあっつあつ。
ミディアムタイヤさんは、間違いなく俺の出番だと確信していたことでしょう。
そんなQ2に、ライコネンさんとジョビナッツィさんはソフトをお選びいたしまして。
まずはソフトが定石なのかもしれませんが、ごらんの通り、上位陣はみんなミディアムでございます。
まああれだ、突破できないと見込んで“ミディアムタイヤは明日にとっておくか”なんていう作戦だったとして。
案の定、Q2で落ちたライコさんは、決勝は自由にタイヤを選べますが、Q3に残ってしまったジョビさんはどうするの。
今回、ちょっぴりよさげなアルファロメオさん。
抜けるコースなので、ライコさんは期待できるけれども、ジョビさんは2ストップになってしまいそうな予感。
チームメイトとタイヤを分ける戦略だったと思われるピエール・ガスリーさんも、明日はあえてのソフトスタートでございます。
ここのところ風当たりがきついガスリーさん、なんとかがんばってほしいのですが。
Q3に2台残ったマクラーレンズ! 祝・復活!
5、6番手ってすごくないですか? 決勝でもダブルでポイントとっちゃうんですか?
タイヤも含めて、決勝が楽しみでございますよ!
「親方! 空からゴリラトロフィーが!」
そんな感じではじまりました、フランスGP決勝。
わざわざパラシュートでゴリラトロフィーが降りてきましたが、曲者に盗まれてまたお空へ飛んでいきました。
地に足がついてない感じ(褒め言葉)が、お祭りっぽくてとてもいいと思います。
Is it a bird?Is it a plane?No - it's Jet Man back on the scene at at #FrenchGP 🚀 🙌#F1 pic.twitter.com/QDoHOo57Je— Formula 1 (@F1) June 23, 2019
2020年は思い切って、あのゴリラトロフィーを大砲で飛ばしていただきたい。
あと国歌斉唱の子供たちの歌唱力が、とても大らか(褒め言葉)で、フランスの奥深さを感じました。
我らがライコさんはミディアムスタートだろうと思っていましたが、蓋を開けてびっくりのハードスタートでございます。
そして同じく、ニコ・ヒュルケンベルグさんもハードスタート。
ミディアムからハードへとつなぐであろう上位陣と、2人は真逆の作戦でいくのですね。
いや、これはちょっとおもしろい展開ですよ。
シャルル・ルクレールさん、スタートは悪かったけどよく耐えました。ダニエル・リカルドさんはスタートはよかったのに、行き場がなくてポジションダウン。
ライコさんの前に落ち着かれまして、後ろのヒュルケンさんともども、終盤までの長いお付き合いのはじまりでございます。
ソフトタイヤで10周持たせれれば、ハードにつないで1ストップでいけるかも? との噂を聞きまして、地獄のQ2ソフト組は、がんばってひっぱるんだろうなと思っておりましたが、ジョビさん7周目にピットイン。
ジョビトレインできてたもんね、抜かれ続けたもんね、と母心で胸いっぱいに。
その後、予想通りの2ストップでの16位でレースを終えられました。
ガスリーさんは、がんばった! 17周までひっぱってのピットイン!
10位入賞(繰り上がり)も、ここで踏ん張れたからだと思うし、そもそも予選のタイヤが(以下略)
これからガスリーさんに運が向くことを、密やかに願っております。
さて、我らがライコさん。
ハード兄弟なヒュルケンさんを旅のおともに、31周目までひっぱりまして。
……わたくし、電卓片手に周回ごとに、後続の方たちとのタイム差の足し算をしておりました。
画面には映らねど、ピットイン済みの実競争相手との、タイム差を広げることができていないのは丸わかりでございます。
「今ピットに入るとリカルドの後ろぉ……、リカルドが前の車に数秒引っかかってくれれば前ぇ……」
ブツブツとつぶやきながら、電卓片手に想定ピットロスと比較し続ける我ホンマ。
アルファロメオさんは、できればニコヒュルさんと同時ピットインしたいはず。アンダーカットされるのはごめんだぜ。
おそらくニコヒュルさん(ルノーさん)も、同じ気持ちでいると思っていたのですが。
ルノーさんが、31周目にピットに入るぞフェイクをかましてくれまして、まんまと? ライコさんピットインとあいなりました。
その後、伸び伸びと走ったニコヒュルさんは、34周目にピットイン。ライコさんの後ろ、11番手になりのオーバーカットならず。
……まあ要因はいろいろとあるとは思いますが、今回はライコさんがついていたということでしょうか。
結果ライコさんは7位、ニコヒュルさんは8位でございました。
さて終盤のリカルドさんのアレ。
ランド・ノリス、リカルド、ライコネン、ヒュルケンベルグの4つ巴の接近戦。
先頭は、DRSは使えないし重ステだし、な苦難抱えたノリスさん。
リカルドさんはノリスさんをはじきだしてましての、結果5秒ペナルティ。
ライコさんをコース外から抜きましての、5秒ペナルティ。
合わせて10秒ペナルティの刑に処されてしまいまして。
レースを盛り上げてくれたのは間違いないのですが、冷静に見て、ペナルティは妥当かなあと思っております。
そもそも、ランオフがコースの延長みたいなポール・リカール・サーキット。
はみ出しても損をしないとしたら、そりゃあチャレンジしたくなるのも当然かもしれませんが、リカルドさんは利を得て、ノリスさんは順位を失ったわけで。
そしてライコさんのアレは、そもそもコース外から抜けるのなら、コースの意味がありませんわな。
派手な裁定に見えますが、至極まっとうな結果だと思います。
レース後の「後悔はしていない」とコメントしたリカルドさんは、ザ・レーサーです。しびれます。
更に、その後にぼやいていた「5秒ペナルティでいいじゃない、1ポイントぐらい残してくれてもいいじゃない」には、申し訳ないけど笑ってしまいました。
リカルドさん、本当にチャーミングなドライバーさんだなあ。
先生ー! わたしも、1ポイントぐらい残してあげてもいいと思います!
Late drama in the battle for points, with P7 the prize on the final lap 👀 🍿Norris v Ricciardo v Raikkonen v Hulkenberg #F1 #FrenchGP 🇫🇷 pic.twitter.com/u9PCJYJbk0— Formula 1 (@F1) June 23, 2019
フェラーリさんのプランF。
あれは隠語でもなんでもなく、フェラーリさん流の遊び心だとは思うのですが、F1辞典に掲載されるのは確実だと思われます。流行語は、ある日突然に。
ルイス・ハミルトンさんに危うくファステストラップを奪取されるところでしたが、最後の最後、セバスチャン・ベッテルさんが無事プランFを遂行されました。
任務完了、おつかれさまでした。
さてお次は第9戦オーストリアGP。
標高700メートルと聞くだけで、息苦しくなるレッドブル・リンクでございます、が……。
いやあ興奮しましたね、感動しましたね。
いきなり結果から書き始めますが、まだ昨晩の興奮が残っているからしかたがないのよ。
レッドブル・ホンダのフェルスタッペンさんが、優勝してしまいましたよ!
ルクレールさんとの審議結果がでるまでは、優勝(仮)の状態ではございましたが、興奮しすぎて寝れそうもないので、審議の結果がでるのを待つことにいたしました。
だってこの喜びを、世界中と分かち合いたい。
そんなわたしの気持ちをもてあそぶ、フェイクニュースの憎らしさよ……。(※5秒ペナルティの嘘情報)
この様子だと、ロバート・クビサさんのドライバー・オブ・ザ・デーも、もしかしてフェイクかもと疑っておりましたら、翌日エラーと判明。まさかフェイクより、後味が悪くなるなんて。
そのオーストリアGP。
前回の、どこまでもセーフティなポール・リカール・サーキットと違い、レッドブル・リンクの厳しさはんぱない。
特に縁石が凶暴すぎる! “俺(縁石)に乗ると怪我するぜ”
フリー走行ではニコヒュルさんに去年のウイナーのタッペンさん、バルテリ・ボッタスさんも縁石の餌食に。ベッテルさんもあわやの横向き滑りでございます。
さすがセーフティカー出動率が高いというのも、うなずけますな。
Small mistakes, big consequences... Will the conditions challenge the big guns again on Saturday? #AustrianGP 🇦🇹 #F1 pic.twitter.com/G8K9NnVl2L— Formula 1 (@F1) June 29, 2019
これで本番どうなっちゃうのと心配いたしましたが、予選決勝ともに、あれ? 案外大丈夫でしたね。
F1ドライバーの学習能力の高さも、はんぱない。
予選Q1では、ハミルトンさんに妨害されたライコさん。中指を立てたようにも見えましたが、目視できない速さでした。
「飛行機が飛んでいたから」とのことでしたが、そうそう、飛行機は中指でさすよねぇって、それどこの文化。
おかげさまで、グリッドキッズの女の子にも「飛行機飛んでるよ」と遊んでもらえる始末でございます。
気温が高いとソフトがタレるとおっしゃられておりますが、フェラーリ勢はQ2ソフト選択でございました。
もちろんアルファロメオズも、追従しておられます。
そうよわたしは、上位陣とは戦えないクルマなら、11番手狙いでいいと思ってしまう、志の低い女。
ライコさんもジョビさんも、Q2に残ってしまったので、決勝はソフトスタートでございまして。
ソフトからハードへの1ストップでしょうか。ハードでどれだけ走れるのかな……。
そういえば、フリー走行のフェラーリさん、ハード試していましたねぇ。
みなさんが様子見のなか、のびのびと走るQ3のアルファロメオズ。
どうして誰もでてこないの? サーキットを独り占め(ふたり)だよ?
と思っておりましたならば、メルセデスがでてきた途端に数珠つなぎに。
これぞジェットストリームアタック!(※スリップストリームです)
だがしかし、フェラーリのベッテルさん、Q3はガレージに入ったままですよ。
どうしたの、なにがあったの。
不穏な空気漂うベッテルさんとは対照的に、ルクレールさん絶好調でポール!
ライコさんは、奇数のうえにカーナンバーと同じラッキー7、ラッキー7でございますよ!
と自分を奮い立たせておりましたが、後に6番手にあげていただきました。わあい偶数。
フロントロウのハミさんは、ライコさんに中指を立てられたおかげさまで、3グリット降格とあいなりました。
オレンジだらけのレッドブル・リンク決勝。
タッペンさん応援団、すごい迫力です。
さすが陸続きと、オランダからオーストリアまでグーグルマップで見てみたら、なんでも車で10時間とか……。
いやでも、札幌から函館間も高速使わなければ往復10時間、うん、気合があればいけるかも?
オレンジにチラホラと混じる赤いキャップは、オーストリア出身だったニキ・ラウダさん追悼のものだそうで。
このレースも、現地で観ていただきたかったなあと、しみじみ。
ロックテイストなオーストリア国家演奏は、そのままウィー・アー・ザ・チャンピオンズに続くのかと思いましたよ、恰好いいな。
ユラユラと陽炎が上る路面温度は51度。
スタートで出遅れたタッペンさん。
おかげさまで、ライコさんも抜かせていただきましての4番手。一時でしたが4番手でございますよ! わあ。
6周目でベッテルさんに抜かれ、9周目でタッペンさんにも抜かれ、6番手の振出しに戻りましたが、いいんです、順当な位置でございます。
それにしても、タッペンさんに抜かれたライコさんの、あのレーンロスの少ない美しい抜かされかたを、ご覧いただけたでしょうか。
抜かれかたも自慢できる、それがキミ・ライコネンでございます。
その後ノリスさんにも追い抜かれ、ガスリーさんにもつっつかれますが、たくさんテレビに映ってうれしいわぁ。
ライコさんは24周目にピットインしてのハードタイヤで、15番手に戻られました。
ボッタスさんとタッペンさんのバトルに気を取られていて、知らぬあいだにカルロス・サインツさんに抜かれておりましての、結果9位でございます。
チームメイトのジョビさんは、無事初ポイントを取って帰られましたよ。
レース後に、ゲン担ぎに伸ばしていた後ろ髪を、フレデリック・バスール代表にハサミでジョビジョビ切られておりました。
なんてほほえましいチーム動画なんじゃろう。
A first #F1 point for @Anto_Giovinazzi meant the hair had to go... ✂️😂🎥 @alfaromeoracing pic.twitter.com/pYXB9IS3k0— Formula 1 (@F1) June 30, 2019
あそこにライコさんも混ぜてほしい気がしなくもないですが、たぶん混ぜるな危険でございます。
ちなみにバスールさんは、クセになる強面でございます。
受難続きのベッテルさんは、タッペンさんに抜かされた後、51周目で2回目のピットイン。
タイヤが持たなかったからかもしれませんが、潔いな!
ハミさんと順位が入れ替わりましたが、最終的に取り戻しての4位でゴールいたしました。
予選でちゃんと走れていたらと、たらればで考えてしまうけれど、さすがベッテルさん、ベストを尽くされました。
今回の主役、タッペンさんはすごかった……。
ボッタスさんを抜く56周目、余裕で抜いてコーナーに入れそうな速度差があったのに、タッペンさんはDRSライン手前で更にスピート落としてるじゃないですか。
どんだけ冷静なのと。
ルクレールさんのときも、DRSラインをちゃんと意識して抜いている。マヤ、恐ろしい子!(誉め言葉)
お客さんは大盛り上がり。
そりゃそうだ、わたしでさえこんなに興奮しているんだもの、現地で観てたなら鼻血でてますがな。
⚔️⚔️⚔️After a fierce fight, this is how @Max33Verstappen took the lead from Charles LeclercThe incident is under investigation, with both drivers summoned to the stewards#AustrianGP 🇦🇹 #F1 pic.twitter.com/lju989gxFN— Formula 1 (@F1) June 30, 2019
ルクレールさんは、惜しかった。優勝すると本人も思っていただろうなあと思うと、かわいそうな気持ちに。
ただちょっとだけ思うのは、ボッタスさんにペースを合わせて走っていたのも敗因のひとつかなあと。
後ろから来ているタッペンさんは、自分たちより新しいタイヤなわけで。
もうちょいはやく飛ばしていたら、ぎりぎり追いつけなかったのでは、なんてことは机上の空論なので、ここまでに。
ルクレールさん、また次回があるさ!
表彰台の田辺さん(田辺豊治ホンダF1テクニカルディレクター)、泣いておられましたね。
テレビで観ているわたしも、泣いておりました。
いやあ、いいレースだった。本当に良いものを観させていただきました。
ホンダさん、あらためておめでとうございます!
A moment we'll never forget 🍾 Drink it in, TT!#PoweredByHonda pic.twitter.com/vb75FghUwd— Honda Racing F1 (@HondaRacingF1) June 30, 2019
……さて、ここで悲しいお知らせをせねばなりません。
冒頭に書きました、腹筋を割るモーゼマシン。
本日、うんともすんともいわなくなってしまいました。
フランスGPレポートを書いてからの、稼働期間1週間弱。短いお付き合いでございました。
もちろん腹筋は、割れておりません。
かわりに、わたしのハートがブレイクいたしました。
それでは、次はイギリスGPでお会いしましょう!
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