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ホンダのモータースポーツ・レジェンドマシンを見て、企業としての凄さをあらためて思う

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ホンダのモータースポーツ・レジェンドマシンを見て、企業としての凄さをあらためて思う

バブル期の日本を覆いつくしたF1ブーム、二輪の世界GPも同時期に制している!

ホンダといえば、創業者である本田宗一郎氏の時代からモータースポーツに積極的なメーカーとして知られている。それは鈴鹿サーキットを作ったことでも明らかであるし、いまではツインリンクもてぎと実質的に2つの国際サーキットのオーナー的な立場だ。

そのツインリンクもてぎにおいて、11月10日に「ホンダレーシンサンクスデー」が開催された。例年の12月より早い時期の開催となったが、そのおかげで過ごしやすい陽気のもと、多くのホンダファンが、最新マシンやドライバー、ライダーと触れ合うことができた。

また、2019年はホンダのモータースポーツにとって60周年に当たるという。そのルーツとなるのがマン島TTレースなのは知られているところだろうが、60周年を記念したアニバーサリーデモランでは「マクラーレンMP4/4(1988年」と「NSR500(1989年)」が競演。懐かしいターボサウンド、2st4気筒サウンドが響き渡った。1980年代には存在していなかったツインリンクもてぎに両マシンがタイムスリップしたかのような不思議な感覚だった。

思えば、1980年代のバブル期における日本のF1ブームをけん引したのはホンダの活躍だ。ウィリアムズ、ロータス、そしてマクラーレンとのジョイントにより、ホンダのエンジンは連戦連勝といったイメージで日本の応援も盛り上がった。実際、1988年のF1シーズンにおいて16戦中15勝(アイルトン・セナ8勝、アラン・プロスト7勝)をあげたマクラーレンMP4/4は伝説的な存在であり、その心臓部はホンダによる1.5L V6ターボだったのも知られているところだろう。

それだけであればホンダはF1にリソースを集中していたからだ、ともいえるが同じ時期に二輪の最高峰であるGP500クラスでも活躍している。1989年には電撃移籍を果たしたエディ・ローソンがNSR500を駆ってシリーズタイトルを獲得。さらに1989年のF1においては新たに3.5Lエンジンとなったホンダエンジンを搭載したマクラーレンMP4/5によりアラン・プロストがチャンピオンとなっている。当時は、当たり前にように感じていたが、ホンダは二輪と四輪の世界最高峰レースを同時に制していたのだ(F1はあくまでもエンジンサプライヤーではあるが)。

そもそも二輪と四輪の両方に関わっているメーカーが少なく、F1とGP(現在のMotoGP)の同時制覇というのはホンダでしかなし得ない偉業だ。ホンダ以外で両トップカテゴリーに参戦経験があるのはヤマハ発動機くらいである。そのくらいホンダはモータースポーツに力を入れている。モータースポーツで活躍することはブランディングの一環であり、またエンジニアやテクノロジーを育てる場でもあるが、それにしても他社にはない力の入れようである。60年間の積み重ねによるホンダだけが持つ財産ともいえる。

2019年、ホンダのワークスマシンに乗るマイク・マルケスがMotoGPのライダースタイトルを獲得。すでにコンストラクターズタイトルも決めており、チームタイトルの三冠を狙うという状況だ。一方、F1ではレッドブルに乗るマックス・フェルタッペンが2戦を残したタイミングで、2勝をあげている。

ホンダレーシンサンクスデーにおいて、本田技研工業 代表取締役社長の八郷隆弘氏は次にように集まったファンにメッセージを送った。

「Hondaが世界選手権へ参戦を開始した1959年に、私は生まれました。そのくらい長くの間、Hondaはレース活動を続けています。こうした二輪・四輪の活動を応援してくださるファンの皆さまへ、改めて感謝申し上げます」。

モータースポーツ活動には企業経営的な視点からは賛否がある。しかしホンダはモータースポーツへの情熱を忘れることはないという宣言にも聞こえた。2020年のレーシンサンクスデーでは、F1とMotoGPという世界最高峰におけるダブルタイトル獲得の報告が聞けることを期待したい。

文:山本晋也(自動車コミュニケータ・コラムニスト)

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