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ロールス・ロイス初のBEV「スペクター」がテストプログラムの最終段階へ

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ロールス・ロイス初のBEV「スペクター」がテストプログラムの最終段階へ

 英国ロールス・ロイス・モーター・カーズは2023年2月8日(現地時間)、ブランド初の電気自動車で、従来のファントム・クーペの実質的な後継モデルとなる「スペクター(SPECTRE)」のテストプログラムが最終段階前の約8割、走行距離200万kmあまりに達したと発表。合わせて、現在は酷暑における走行試験を南アフリカの北ケープ州オーグラビーズと西ケープ州フランシュフックの2拠点で行っているとアナウンスした。

 スペクターは2023年第4四半期の市場導入を予定する新開発の電気自動車で、基本骨格には従来の「アーキテクチャー・オブ・ラグジュアリー」と称するオールアルミニウム製スペースフレーム・アーキテクチャーを電動パワートレイン向けに適合させて再設計した「ロールス・ロイス3.0」を採用。また、アルミニウム押出材セクションとバッテリーの車両構造への一体化により、従来のロールス・ロイス車比で30%高い剛性を確保し、合わせてフロアをシル構造の上や下ではなく、その中間に配置して駆動用バッテリーとフロアの間に配線や空調配管のためのチャンネルを設けて、滑らかなアンダーフロア形状と低重心化、そして高い遮音効果を実現する。一方でパワートレインに関しては、暫定値で最高出力430kW、最大トルク900Nmを発生するモーターに大容量のリチウムイオンバッテリーを組み合わせ、航続距離はWLTPモードで約520km、電費性能は21.5kWh/100kmを実現。性能面では、0→100km/h加速が4.5秒の俊足ぶりを発揮するという。

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 ロールス・ロイスの新しいジャンルを開拓するモデルだけあって、スペクターのテストはブランドの118年の歴史において最も厳しいプログラムが組まれ、200万km近くを走行した段階で全4フェーズ中の3フェーズまでが完了する。そして現在は、南アフリカの北ケープ州オーグラビーズと西ケープ州フランシュフックの2拠点において、酷暑を想定した走行テストを敢行中。乾燥した北部、湿度が高めの南部で、最高気温は50度を超え、また南部では砂利や埃などで覆われた曲がりくねった田舎道が多く、路面や地形の変化に富む過酷なシチュエーションにおいて綿密な試験を繰り返し、ハードウェアアイテムやソフトウェアプロトコルといった2万5000箇所におよぶ性能関連機能に徹底した改良を施している。

 テストの過程においては、数値化および定量化できない場合において、熟練エンジニアの判断と直感が存分に活かされているという。例えばブレーキ機構に関しては、回生能力を高めたうえで自然なフィーリングでありながらしっかりと制動が効くよう、エンジニアの意見を踏まえながらチューニングに1500時間以上を費やす。また、新システムのプラナー(Planar)サスペンションのアンチロールスタビライゼーションも、ロールス・ロイスならではのマジック・カーペット・ライドの乗り心地を実現できるよう、入念なセッティングを実施。酷暑の高温下においてはゴムの硬度が大きく変化するため、南アフリカのテストでは特に注意深くチェックしているそうだ。

 さらに南アフリカでは、酷暑の日射しに対するキャビンルームの温度管理も念入りにテスト。エアコンなどの空調類はもちろん、ビスポークスターライトヘッドライナーを含むイルミネーションやインストルメントクラスターなどを微細に調整する。ほかにも、室内環境の性能を高めるシーリング材の改良やドア開閉速度の見直し、オーディオシステムのチューニング変更なども鋭意行っている。

 南アフリカでのテストで収集したデータは開発現場でさらに分析し、関連する対策を施せば約80%のプログラムが完了するという。残りは北極圏における再度の酷寒テストや、より温暖な条件のコードダジュールでのオールシーズンテスト、そしてユーザーのニーズやライフスタイルに的を絞ったテストプロセスという、最終段階の50万kmあまりの走行テストを実施する予定である。

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