カタルニア・サーキットでMotoGP最終戦ソリダリティGPが開催。スプリントレースは、ドゥカティのフランチェスコ・バニャイヤが勝利した。
MotoGPの最終戦は当初予定されていたバレンシアGPが豪雨災害によって中止。代替戦として、5月にカタルニアGPが行なわれたカタルニア・サーキットでの2戦目が行なわれることになった。
■マルティンのタイトル挑戦、ステルス妨害もあり得る? ドゥカティ内部の”抵抗勢力”をケーシー・ストーナー示唆
MotoGPクラスのチャンピオン争いは最終戦までもつれ込んでおり、ポイントリーダーのホルヘ・マルティン(プラマック)が24ポイントリード。3連覇を目指すバニャイヤのチャンスは風前の灯火といった状況だ。
なおこのスプリントレースでは、マルティンが勝利するなどバニャイヤより2ポイント多く得点した場合、その時点で彼のチャンピオンが決定するため、バニャイヤは何としても勝利したいレースとなっていた。
そんなソリダリティGPの予選では、バニャイヤが鬼気迫る走りでポールポジションを獲得。2番手にこれが引退レースのアレイシ・エスパルガロ(アプリリア)、3番手にマルク・マルケス(グレシーニ)が並び、マルティンは4番手スタートだった。
全12周のスプリントレースのスタートは、バニャイヤ、マルティン、エネア・バスティアニーニ(ドゥカティ)が横並びでターン1に突入していていき、いきなり緊張の瞬間があった。
一瞬バスティアニーニが前に出たもののバニャイヤがトップを取り返し、2番手バスティアニーニ、3番手マルティンというトップ3を形成した。一方でエスパルガロはスタートで出遅れ、マルケスもペドロ・アコスタ(GASGAS)との接触がありポジションを6番手まで下げることになった。なおアコスタはこの接触でアッパーカウルが大きく破損し、ピットへ戻りリタイアしなくてはならなかった。
マルティンはバスティアニーニに2周ほど抑えられていたものの、3周目のターン1でオーバーテイク。0.5秒先のバニャイヤを追う態勢に入るかと思われたが、バスティアニーニも簡単にポジションを譲ることはなくマルティンを抜き返して見せるなど、2番手争いが激しさを増していった。
そうした2番手争いを尻目にバニャイヤはリードを拡大していき、5周目時点で1秒以上のリードを築いた。
スプリントが折り返しとなる頃には、2番手争いを制したマルティンがバスティアニーニを突き放し、安定したポジションを確保した。またトップのバニャイヤとマルティンはほぼ同じペースを刻んでいて、ふたりのギャップは1.3秒ほどで動かなくなった。
バニャイヤはその後もペースを緩めることなく走りきり、トップチェッカー。スプリントレースを勝利した。
2番手争いはラストラップにドラマが。それまでマルティンの後ろで影を潜めていたバスティアニーニがターン5でマルティンのインを突いて追い抜き、2番手に浮上したのだ。
3番手に下がったマルティンは、ここでリスクは負わないという判断を下したのか、反撃はせず。バスティアニーニが2位、マルティンが3位となった。
この結果、マルティンのリードは19ポイントに減少。タイトル争いは決勝レースへと持ち込まれた。なおこれはマルティンが決勝9位以上に入れば、バニャイヤの結果に関わらずタイトルを獲得できるというポイント差だ。
ソリダリティGPがフル参戦ライダーとして最後のレースとなっている中上貴晶(LCRホンダ)は、17位でフィニッシュ。ポイント獲得はできなかったが、7年間のMotoGPクラスでの戦いを締めくくる決勝レースの走りに注目したい。
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