ライバルはアウディQ7やボルボXC90
text:Richard Bremner(リチャード・ブレンナー)
translation:Kenji Nakajima(中嶋健治)
販売面で苦戦状態にある、アメリカン・プレミアムブランドのキャデラック。人気上昇中のカテゴリーで巻き返しを狙うこととなった。
スポーティな味付けでフルサイズSUVより一回り小さい、3列シートを持たせたモデルにその役目を担わせる。新しく登場したXT6は、独立シャシーを持つ巨大なエスカレードと、幾分小さいXT5との中間に位置するボディを持つ。
欧州ブランドでいうと、アウディQ7やボルボXC90に匹敵する車格となるから、充分大きい。エンジンは3.6LのV6ガソリンで、最高出力は310ps。9速ATと組み合わされる。
今回の試乗車、スポーツの場合は4輪駆動となる。シフトパドルにクイックなステアリングレシオが与えられ、アルミホイールは21インチ。
サスペンションはリアが5リンク式で、フロントがマクファーソンストラット式となり、アダプティブダンパーを装備。ブレーキ制御によるトルクベクタリング機能も持つ。
装備面はかなり充実している。リアシートは電動で折り畳まれ、テールゲートも電動で開閉する。インフォテインメント・システムには8.0インチのモニターを用意。シートなどは革張りで、ステアリングホイールにもヒーターを内蔵する。
大きなサンルーフに3ゾーンのエアコンを備えるほか、オプションでナイトビジョンも用意。かなり価格の張るオプションパッケージも選ぶことができる。
インテリアの雰囲気自体は贅沢だ。しかし素材やテクスチャー、細部の仕上げなどに統一感を感じられないことは、最近のキャデラックに共通する部分でもある。車格的に競合するキア・テルライドの方が、数千ドル(数十万円)は安いし、インテリアのコーディネートも良い。
想定外に元気なV6エンジン
アクセルペダルを深めに踏み込むと、想定外に荒々しい。V6エンジンはプレミアム・ブランドに一致しがたい積極的なサウンドを響かせる。そして意外にも7000rpmも回る。
9速ATの反応は良いが、変速フィールは適正なレシオを適正なタイミングで選ぶことに少し苦労している様子。そのかわり、アルミ製のシフトパドルはとても弾きやすい。
モードと控えめに記されたボタンを押すと、ドライビングモードが変更できる。ディスプレイを見ながらツーリングモードを選択すると、前輪駆動で走れることがわかった。
アメリカ・カリフォルニア州の丘陵地帯に伸びるエンジェルス・クレスト・ハイウェイを流すには、4輪駆動となるスポーツモードが好適。コーナーリング時は、フロントタイヤの外側へ掛かる負荷を分散できる。
アクセルを踏み込むほどにトルクが前後タイヤ間で配分され、トルクベクタリングも働き、コーナーを素早く縫うことができる。積極的に走らせると良く効果がわかる。でも、殆どのオーナーはそこまで飛ばさないだろう。特に家族を乗せていたら難しい。
穏やかなペースで走らせている限り、キャデラックXT6はいたって控え目。特に路面の状態をほとんど伝えてこない、適度な重さのステアリングホイールを握っているとそう感じる。
アルミホイールは21インチと大径だが、乗り心地は悪くない。プレミアム・ラグジュアリー仕様に装着される20インチホイールなら、乗り心地は一層スムーズになるはず。
選ぶならプレミアム・ラグジュアリー
フロントシートのサポート性も高いが、リアシートは長距離で座るには硬め。サイドサポートもフロントより低く滑りやすい。2列目シートは独立タイプで、車両中央を歩いて3列目へアクセス可能な、6名乗車となる。
走行中の車内は充分に静か。シートを折りたためば荷室空間は大きく広がるが、3列目も活かした状態だと、小さな旅行バック数個が積める程度だ。
アメリカでは、スタイリッシュでラグジュアリーなキア・テルライドが手強いライバルとなる。価格はXT6より安い上に、実力では全面的に上回っている。だがXT6の大胆なコーナリングと、活発なエンジンに惹かれるドライバーもいるだろう。
XT6を選ぶなら、より快適志向のプレミアム・ラグジュアリー・グレードを指定した方が良い。スポーツ・グレードより安く、4輪駆動で大人数名を運ぶというSUVらしい利便性も備わっている。
キャデラック・ブランドのクルマで見ると、XT6は昨年登場した小柄なXT4より優れてはいる。一方でスポーツ・グレードという点で考えると、望外に良かったCTS-Vには及ばない。向こうは4ドアサルーンだったけれど。
今のところキャデラックXT6の英国や日本への輸入予定はない。XT6の性格付けには、少し苦労しようにも伺える。不確かな21世紀における、GMの牽引役として期待したい。
キャデラックXT6 AWDスポーツのスペック
価格:4万4200ドル(477万円)
全長:5050mm
全幅:1964mm
全高:1750mm
最高速度:-
0-96km/h加速:6.9秒
燃費:-
CO2排出量:-
乾燥重量:2106kg
パワートレイン:V型6気筒3649cc
使用燃料:ガソリン
最高出力:310ps/6700rpm
最大トルク:37.3kg-m/5000rpm
ギアボックス:9速オートマティック
申込み最短3時間後に最大20社から
愛車の査定結果をWebでお知らせ!
申込み最短3時間後に最大20社から
愛車の査定結果をWebでお知らせ!
愛車管理はマイカーページで!
登録してお得なクーポンを獲得しよう
「とりあえず増税ね」で50年!? 「世界一高い」自動車諸税&ガソリン税“見直し”正念場 “年収の壁”の向こうの璧
「黄信号だ。止まろう」ドカーーーン!!! 追突されて「運転ヘタクソが!」と怒鳴られた…投稿に大反響!?「黄信号は止まるの当たり前だろ」の声も…実際の「黄信号の意味」ってどうなの?
「緊急車両が来て道を譲らないとどうなりますか」 理由に「『聞こえんかった』は通用するのですか」 譲るのはマナー?義務? 具体的にどう譲ればいいのですか。
“生産版”「“R36”GT-R」公開に反響絶大! 日産の「旧車デザイン」採用&4.1リッター「V6」搭載で「借金しても欲しい」の声! 1000馬力超えもあるArtisan「“和製”なスーパーカー」が話題に
“300馬力”V6搭載! ニッサン爆速「最上級ミニバン」とは? 超豪華内装×専用装備マシマシな“走り屋仕様”の「エルグランド」に熱視線!
申込み最短3時間後に最大20社から
愛車の査定結果をWebでお知らせ!
申込み最短3時間後に最大20社から
愛車の査定結果をWebでお知らせ!
店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!
みんなのコメント
この記事にはまだコメントがありません。
この記事に対するあなたの意見や感想を投稿しませんか?