軽量&小型&ハイパワー!
この世界のパイオニア“SHORAIジャパン”に直撃取材
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エンジン制御や安全支援システムなど、クルマに搭載されている電子パーツは年々進歩をしてきているが、その流れから取り残されているものが存在する。そう、バッテリーだ。最新の電子制御を支えるための最も重要なパーツでありながら、純正採用品は19世紀に原理が発見された蓄電池の元祖である鉛バッテリーだ。
そこで、近年レースやチューニングで注目されているのがリチウムイオンバッテリー。その特徴や正しい使用方法などを、2010年に世界ではじめて市販化(バイク用)に成功した米国“SHORAI”の日本窓口SHORAIジャパンに直撃してみることにした。
リチウムイオンバッテリーとは、科学的な反応を利用して直流電気を発生させる電気デバイスだ。プラス極にリチウム酸化物、マイナス極にグラファイト等、電解液としてゲル状のリチウム塩が採用されていて、極間をリチウムイオンが行き来して充電と放電を可能としている。
使用される素材によってコバルト系やマンガン系など様々なタイプが存在するが、スターターバッテリーと呼ばれるエンジン始動用の鉛バッテリー代替用のものはリン酸鉄リチウム(LiFePO4)をプラス極に使用するリン酸鉄系で、内部が発熱しても発火や爆発の心配がない高い安全性が特徴。SHORAI製は、ケースにミリタリースペックの強靱なカーボンプラスチックを採用しているのでさらに安心だ。
リチウムイオンバッテリーの最大の特徴は、エネルギー密度の高さがもたらす圧倒的なパワー。放充電効率も非常に優れているためセルモーターの負荷がかかってもクランキング能力の低下がほとんどない他、点火や燃料供給の安定化によるトルク&パワー向上効果も発揮してくれる。
小型・軽量なのも大きな利点で、純正との大きさの差はご覧の通り。大幅な軽量化により運動性の向上ももたらしてくれる。
電圧は鉛バッテリーが2.1V×6セルで12.6Vに対して、リチウムイオン(LiFePO4)は3.3V×4セルで13.2V。多くの製品が中国製の汎用セルを採用しているが、SHORAIはクルマやバイク搭載のための専用設計。高度なBMS(バッテリーマネジメントシステム)の導入により、セル間の電圧のバラツキも1/100V単位となっているのだ。
SHORAI製バッテリーは高い電圧で充電できるのも特徴のひとつ。専用充電器はセル毎の配線となっており、チャージ中に各セルを監視・診断し、常にベストバランスを維持することが可能だ。
その他、充放電サイクル数も鉛バッテリーの約400回に対し、リチウムイオンは1000回以上と高寿命。自己放電率も鉛バッテリーが月に約10%なのに対してわずか1%程度。ボディを痛める原因となるガスの発生がないので、旧車への装着も安心だ。
まさに理想のバッテリーともいえるリチウムイオンタイプだが、高性能を長く維持させるには特性を理解してしっかり車両とマッチングさせることがポイントとなる。
まず重要なのが、オルタネーターの発電量チェック。年数が経ったクルマの場合、配線やカプラー類の劣化で発電電圧がドロップしていることもあるためテスターでチェック。アイドリング時の適正電圧は13~15Vで、電圧低下状態だと放電してしまうので注意が必要だ。
ドライブレコーダーや盗難防止アラームなど常時電源接続アクセサリーは、バッテリー上がりの原因となるので要注意。リチウムイオンは著しく電圧低下した過放電状態になると、容量や寿命低下など性能に影響を及ぼす。エンジンオフ時の使用電力は、クランプテスターを使うとチェックできる。
SHORAIジャパンでは、車種毎に徹底的にテストをして適正なバッテリーを設定。おなじみのマックスオリドレーシングでは、86(ZN6)用に専用ステー付きのキットを設定しており、AE86用もリリースに向けてテストの真っ最中だ。その他の車種用に関しては、SHORAIジャパンに問い合わせしてほしい。
取材協力:SHORAIジャパン 神奈川県鎌倉市長谷2-6-21 TEL:0467-33-5260
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みんなのコメント
価格はそれなりに高価なれど、これは10年近く使っても電圧降下の兆候もないし始動性も変わらない。
鉛バッテリーなら2〜3回交換が必要な年数ですね。
もっとすごいのは数ヶ月放置状態でもエンジンは難なく始動できるほど電圧降下がない。
鉛バッテリーならフロート充電していないと無理な話。
最大のメリットは鉛バッテリーの3分の1位の重量しかないので簡単に軽量化も出来る。
自分のバイクの純正バッテリーは5kg、これは1.4kgしかない。
これは普及するよね。