メルセデスのルイス・ハミルトンはモンツァ・サーキットで行なわれたF1イタリアGPで5位。19番手スタートからの追い上げレースは、ポール・トゥ・ウィンよりも「1000倍楽しい」と語っている。
決勝レースは、パワーユニット(PU)コンポーネントの交換によりグリッド最後尾からのスタートを強いられたハミルトン。オープニングラップでポジションを上げることはできなかったものの、その後は中団グループとのバトルに競り勝ち、順調に順位を上げていった。
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ハミルトンは同じくPU交換によるグリッド降格ペナルティで18番手スタートとなっていたカルロス・サインツJr.に一度は離されたものの、レース後半には追いついた。ただ、ハミルトンがそのサインツJr.と4位争いを展開しようかというところで、セーフティカー(SC)が出動。レースはSC先導のまま終了した。
静かな幕切れとなったものの、ハミルトンはモンツァでのバトルを大いに楽しんだようだ。
「みんなとバトルするのは、1000倍楽しいね!」
チェッカー後にハミルトンはそう語った。
「ゴーカートを始めた時、僕のカートは古くて色々と曲がっていたり、歪んでいたりした。結果的に僕のグリッドはいつも後ろで、使い古したタイヤでスタートしていたんだ。でもそれをずっと楽しんでいたんだ」
「だから今も、ポールでスタートするよりもバトルをしている方がずっと楽しいんだ。ふたつは違った大変さがあるけど、僕はみんなとバトルをしている方が好きなんだよ」
「勝つことは全く違うモノだし、みんなを誇りに思える。前に進もうとする気持ちは大好きだし、今回はハシゴを登れた気分だ。前進は良いことだ」
またハミルトンは、レース1周目にフロントタイヤを覆うように設置されているフラップを破損していたという。
「誰とも接触してないと思う」と彼は言う。
「他のマシンの破片が僕のマシンが当たっているのが見えた。そのせいでタイヤの上のフロントフラップがダメージを受けていたんだ」
「何のために付いているのか、僕には分からない。でもそれがダメージを受けてはためいていたんだ。視界の邪魔になる。ただそれだけだよ」
そしてハミルトンは、SCフィニッシュによってサインツJr.に挑むチャンスを得られなかったことに少し不満が残ったという。ただ、タイヤの面ではサインツJr.に分があったと認めている。
「ソフトタイヤはデグラデーション(性能劣化)が始まっていたし、彼らはピットストップでニュータイヤを履いていた。だから彼を追い抜くことはできなかっただろうね」
「それでも僕はみんなとのバトルを楽しみながら、このマシンで少しずつ追い上げていった。最初からかなりチャレンジングだったよ」
「もちろんレーサーである以上、もっと時間が欲しいし、フェラーリに挑んでもうひとつ順位を上げられるかどうか試したかった」
「でも今にして思えば、良い終わり方だったのかもしれない。最後列から(順位を)戻せたことには、本当に嬉しく思っているよ」
なお、ライバル勢と異なり、SC出動時にピットストップを行なわなかったことについては、ハミルトンは後悔していないようだ。
「タイヤのフィーリングは悪くなかった。(タイヤ)温度も保てると感じていたし、諦めたくなかったんだ」
「僕のピットウインドウにはふたりいると言われたんだ。だから僕がピットに入っていたら、ふたりの後ろでコースに戻ることになる。そんなリスクは犯したくなかった。だから僕はそのまま走り続けることにしたんだ」
「今回は、僕の思い通りになった。ルーレットのギャンブルみたいなモノで、”赤か黒か”みたいな感じだね」
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