アルピーヌF1のピエール・ガスリーは、チームが紆余曲折を経て体制を変更したが、そこでチームを率いるリーダーになる心構えができているようだ。
2023年にアルピーヌに加入したガスリーはそれ以来、エンストンを拠点とするチームの混乱に巻き込まれてきた。この1年で人事異動が繰り返され、最近ではフラビオ・ブリアトーレがルノーCEOのルカ・デ・メオのアドバイザーとして復帰し、チーム代表にはハイテックのオリバー・オークスが就任した。
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こういった体制変更、さらに2024年マシンの競争力不足もあってアルピーヌは難しい状況にあるが、それでもガスリーは先日契約を延長するなど、チームの未来を信じている。
現在のチームメイトであるエステバン・オコンは今季限りでチームを離れ、来季ハースへ移籍する。そのためガスリーは、自然とチームのリーダー的存在となっていくだろう。そして本人も、そのプロセスは既に進んでいると語る。
「結局のところ、それはごく自然なことだったんだ」
「僕はとても意欲的な人間なんだ。仕事にはとても集中しているし、一緒に働く人たちとは仲良くなろうと思っている。自分自身にも厳しいし、一緒に働く人たちにも同じように厳しいんだ」
「すべてが僕にとって自然なことだから、何か特別なことをしたとは思っていない。それはある意味、チームと協力してひとつのものを作り上げようとする僕のビジョンのようなものだからだ」
「僕たちが築き上げたこの環境において、非常に信頼できる、効率的な場所にたどり着くことができたと思う。みんなに対する自信と信頼、そして逆にみんなの僕に対する自信と信頼が、今年に入ってさらに増している」
またガスリーは、アルピーヌは彼の自由な欲求を尊重し、成功に必要な柔軟性を与えてくれたと言う。
「チームは、僕が信頼を築くために必要な自由と透明性を与えてくれたし、彼らの仕事ぶり、僕の仕事ぶり、それぞれの好きなものについて、とてもオープンにコミュニケーションをとってくれた」
「僕は情報が好きで、クルマで何が起きているのか、なぜ、どのようなやり方をしているのかなどを理解するのが好きなんだ」
「彼らは透明性が高く、とても正直で、どうすればもっと良くなるかを常に考えてくれる」
「僕はドライバーとして自分のスペースと自由を必要とする人間だと思う。僕には僕の個性があると思うし、パドックにいる人はみんな違う個性を持っていると思う。でもサーキット内外で最高のパフォーマンスを発揮するためには、自分自身のスペースが必要なんだ。彼らはそれをうまく提供してくれていると思う」
チームと長期契約を結び、少なくとも2026年の新レギュレーション時代にもアルピーヌで走ることになったガスリー。そのチームメイトはジャック・ドゥーハンが最も現実的な選択肢と言われているが、ガスリーはそれが誰になろうとも、自分を中心にチームを団結させ、かつてのフェラーリのミハエル・シューマッハーやメルセデスのルイス・ハミルトンのような強固で永続的な関係を築くことを目指す。
「ルイス(ハミルトン)のように同じレースエンジニアと長く仕事をしたり、よく知る人間と長く付き合ったりしているのは、信頼関係を築き、良いことも悪いこともありのまま伝えることを恐れないコミュニケーションプロセスを構築しているからだ」
ガスリーはそう語る。
「自分が必要なものをチームが正確に理解していれば、シーズン全体を通して正しい選択、正しい変更をすることができる。これが最終的な数百分の一秒のパフォーマンスに繋がる」
「今は楽な時期ではない。昨年は明らかに僕たちが望んでいたほど良くなかったが、それでもチームとして3回の表彰台を獲得することができた。今年は明らかに厳しい」
「個人的には今のような成績は好ましくないけど、同時に彼らの努力は本当に素晴らしいと思う。今のようなメンタリティがあれば、状況はきっと好転し、チームのパフォーマンスが向上すると思っている」
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