もくじ
ー 2020年代半ばまでに全車種EV化
ー JLR全体でのCO2排出量低減へ
ー 反ディーゼル/ブレクジットが影を落とす
ー ランドローバーはEV化せず
ー 生産台数で見るジャガーの苦境
ジャガー・ランドローバー ソリフル工場2週間停止へ 「トリプルパンチ」が理由
2020年代半ばまでに全車種EV化
ジャガー・ランドローバーの経営陣は2020年代中にジャガーをEV専売ブランドにすることを検討しているようだ。JLRの製品プランナーは、現在のジャガーの内燃機関搭載車を5年から7年の間に引退させ、EVに置き換える計画を立てている。
現在の計画では、不人気なXJの代替となるEVが2年以内に登場する。これはポルシェ・タイカンやテスラ・モデルSなどのライバルとなるものだ。
EVとして生まれ変わるXJは1967年に登場した初代が持つセグメント随一の洗練性や乗り味と、完全に刷新されたインテリアをあわせ持つ。これにより、メルセデス・ベンツSクラスやベントレー・フライングスパーにすら対抗可能なゼロエミッションの選択肢となりうるのだ。
ジャガーはラグジュアリー車として最も環境に優しく、かつ高い収益性を持つブランドとしての立ち位置を確立することになる。EVはその洗練性と環境性から、現代におけるショーファー需要にも十分にマッチする。
JLR全体でのCO2排出量低減へ
2023年にモデルライフを終えるXEやXFもEVに置き換えられる可能性がある。EペースやFペースが2025年ごろにラインナップ落ちするのに合わせ、新型Iペースも投入されるだろう。
フラッグシップであるJペースのみが2027年ごろまで存続する見込みだが、それを除けば2026年までにほぼ完全に電動化されることになる。Fタイプの後継車については計画されていないが、これもEV化が視野に入っているはずだ。
以前のJLR内部の予想では、ジャガーのラインナップ中4車種または5車種がEVとなり、年産30万台程度になるとのことであった。これが実現すれば、JLR全体での平均CO2排出量を大幅に低減させることができる。
一連の計画において、キャッスル・ブロムウィッチはJLRのMLA EVプラットフォームを使用するEV専用拠点として再編されるだろう。これらに使用されるバッテリーはコヴェントリー・ハイパーバット工場で生産される。
反ディーゼル/ブレクジットが影を落とす
Iペースが好評を博したことや、ジャガーのフォーミュラEへの関与がこの計画を加速させているようだ。「Iタイプ3」レースカーの発表がブランドの生まれ変わりを象徴するものだという。
AUTOCARでは、ジャガー再編計画はかなり進んでいるものの、完全に決定されたものではないと考えている。ジャガーのサルーン3車種の売り上げが芳しくないこともこの計画浮上の理由だろう。ジャガーの親会社であるタタは多額の投資を行っているにも関わらずこの成績であることを憂いているようだ。
ジャガーの販売が伸び悩む大きな理由はディーゼル不人気とブレクジットによる不透明感が挙げられる。しかしXE、XF、XJの売れ行きを見る限りではジャガーのサルーン自体の人気が落ち込んでいる点も見逃せない。
EペースがFペースに次いで2番目の人気を持つことは、ジャガーにとって良いニュースだろう。ただし、それでも8月のEペースの売り上げはレンジ・ローバー・イヴォークを下回っている。
JLRの幹部が直面しているジレンマは明らかだ。次世代モデルがMLAプラットフォームを採用することが確定している中で、ジャガーのサルーンの後継車への投資が正当化されるだろうか? サルーンの販売で収益性を確保できるだろうか? ということだ。
ランドローバーはEV化せず
XE、XF、XJなどが現行世代限りで姿を消すとしたら、ジャガーは3車種のクロスオーバーだけでやっていくのだろうか。ディーラーとしてはたったそれだけのラインナップで生き残ることは不可能だろう。
これらの検討の末、JLRとしてジャガーをEVブランドにするという議論が起こったのではないか。
ジャガー全車種電動化の大きなメリットとして、ラインナップ全体の平均燃費を引き下げられることがある。これによりランドローバー車についてはレンジ・ローバー、ディスカバリー、ディフェンダーなどの中核車種を48Vハイブリッドの搭載にとどめることができるだろう。
JLRはランドローバーをEV化することはブランド価値を引き下げることになると考えているようだ。フロント部分が小さくなるなどのスタイリング上の変化や、渡河時の安全性確保などの問題が立ちはだかることになる。
JLR内部の大部分は、この計画はウィン-ウィンであると考えているようだ。これによりジャガーが自己完結性の高いブランドになるという。急成長中のラグジュアリーEV市場で成功を収めることができれば、JLRに対するランドローバー電動化の圧力をかわすこともできる。
生産台数で見るジャガーの苦境
ジャガーの置かれた状況を確認するため、1月から8月までのキャッスル・ブロムウィッチでの生産台数を見てみよう。まず、工場全体での出荷台数は5万2476台であった。一方、他の工場で生産されるFペースとEペースは6万3815台であり、588台のIペースと合わせて11万6879台であった。
1年間の生産台数に換算すると、キャッスル・ブロムウィッチでは7万8700台、ジャガー全体では17万5200台となる。3台のサルーンと2台のSUVを持つブランドとしてはこれは非常に少ないだろう。
SUVすら売り上げ不振に直面している。Fペースの売り上げは1月から8月の間に23%落ち込んでいる。Eペースはやや好調ではあるものの、その利益率は他のモデルに比べて低い。
このスランプにより、ジャガーはキャッスル・ブロムウィッチの操業を週3日としている。これは30万台超を売り上げて好調なランドローバーとは対照的だ。ディスカバリー・スポーツやレンジ・ローバー・スポーツなどは発売から年数が経っているにも関わらず高い競争力を持っている。
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